- 2014年7月25日 12:18
- 月刊日本 羅針盤
『月刊日本』2014年8月号 羅針盤 2014年7月22日
七月一日に集団的自衛権の行使容認の閣議決定がなされたが、その後も朝日新聞の集団的自衛権に対する攻撃は、相変わらず盛んである。翌二日より一面で「集団的自衛権 日本はどこへ」という連載が始まった。その初回は三浦俊章編集委員によるもので、見出しは「『強兵』への道 許されない」とある。
この文章のキー・センテンスは、六段目の「ナショナリズムと軍事力の結合ほど危ういものはない」であろう。私はこの部分が目に入って、とっさに中共を想起したが、この文章の中に、「中国」という文字は全く出てこない。もちろん日本の安倍政権のことを言っているのである。
しかし現在の世界で、中共ほど「ナショナリズムと軍事力の結合」が顕著な国はない。この事実は、最近頻りに中共に秋波を送っている韓国ならともかく、世界中の国々が等しく認めるところであろう。しかも中共のナショナリズムと軍国主義は、共に度外れているから、ウルトラ・ナショナリズム、ウルトラ・ミリタリズムと呼ぶべきものである。
軍事予算は二けた成長を続け、世界第二位の軍事大国になった。海洋覇権を求め、サイバー攻撃を展開し、アメリカ・ソ連も作らなかった宇宙軍基地を計画している。ナショナリズムでは、建国当初から侵略国家であるが、「中華民族の復興」なるスローガンのもとに、さらなる侵略に乗り出している。
この連載で「中国」が取り上げられるのは、七月五日の第四回で、見出しは「対日強硬派利する危うさ」、筆者は古谷浩一・中国総局長である。 まず冒頭で「習近平指導部の拡張路線は、急激であり地域の秩序を破壊しかねない膨張である。安倍晋三首相が集団的自衛権の行使容認の理由にあげた『安全保障環境の変化』は確かに存在する」と一応言うことは言う。だが「しかし、ここで、私たちはもう一つの重たい現実を忘れてはなるまい」と直ぐに言及する。
この重たい現実とは、例の歴史問題のことで、「日本の侵略や植民市支配の記憶は、今も深く刻まれている。当局の反日プロパガンダと片付けるわけにはいかない」とするが、これは完璧に事実と逆である。歴史問題とは、一九八〇年代以降に、中共・韓国によって、東京裁判史観を再構築したものであり、徹底した反日プロパガンダそのものである。
そして「日本への警戒の高まりは、かえって中国内部の対日強硬派を利する危うさをはらんでいる。十数億人に上る東アジアの人々を敵に回すような『抑止力』はむしろ、日本の安全を脅かしかねない」と結ぶ。東アジアの範囲が不明だが、この表現はとんでもない虚偽である。
ここに展開されているのは、完全に中共の側に立った見解である。中共に強硬派もヘッタクレもあるまい。中共の膨張主義は終始一貫した国家戦略である。シナ侵略主義者が、明らかに牙をむき出しているのに、まだこんなことを言っているのである。しかもそれが、「中国総局長」である。
つまり今や朝日新聞は完全に中共の手先・僕になったのである。広岡知男の「歴史の目撃者論」以来の朝日の隷中路線は、ここに見事な到達点に至ったのである。
中共のウルトラ・ナショナリズムである中華民族主義の最大の特徴は、民族抹殺思想にある。シナ人の膨大な人口の中に、異民族を吸収・同化して消滅させるわけである。ガス室を使わない、ジェノサイド、民族浄化であるから、中華民族主義は現代に生きる紛れもないナチズムであり、中共はナチズム国家である。
朝日新聞六月二十七日に、「世界新秩序 米中を追う」で「米の対テロ軟化 懸念する中国」なる記事がある。この中で、パキスタンの部族地域のウイグル独立派指導者とされる人物は、出回っているビデオで、「中国は我々だけの敵ではない。全イスラム教徒の敵だ」と言ったとある。
中共の中華民族主義は、現代に生きるナチズムであり、中共はナチズム国家であるから、全イスラム教徒だけの敵ではなく、紛れもなく全人類の敵である。したがって朝日は中共という国家、シナ人という民族の、忠実な僕、手先、走狗なのであるから、日本の敵であることは言うまでもないが、実は全人類の敵であるのだ。朝日新聞も、ずいぶん世界的な存在に出世したものである。
人類の敵・朝日新聞が、いまだに大きな顔をしてのさばり返っているのは、日本人の精神が驚くほど劣化したからである。今の日本人は、幕末維新の日本人とは似ても似つかない、徹底した白痴民族に成り果ててしまったのである。
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← 酒井信彦 著『虐日偽善に狂う朝日新聞―偏見と差別の朝日的思考と精神構造』(日新報道 2013/08出版)