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寄稿 Archive

チベット問題入門(下)

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酒井信彦先生に過去に発表された論考を掲載するにあたり、訂正並びに補足の必要などを伺った。それに対し、下記のお答えを頂いたので、一連の論考をそのままに順次掲載していきます。

「私の論考については、付け足しや補足は必要ありません。中味については、今でも十分通用すると思いますし、客観的状況としては、ずっと悪くなっているのであり、遥かに理解しやすくなっているはずですから」(酒井信彦)

 

『チベット問題入門(下)』 酒井信彦(さかいのぶひこ・東京大学助教授)
拓殖大学海外事情研究所 平成元年海外事情12月号抜刷 

七、チベット問題の本質

さて前回「チベット問題入門(中)」の最後のところで述べておいた、チベットの仏教寺院が破壊されたのは「プロレタリアート文化大革命」の時期ではないのだという事実は、チベット問題の本質を理解するために、きわめて需要なポイントである。

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チベット問題入門(中)

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酒井信彦先生に過去に発表された論考を掲載するにあたり、訂正並びに補足の必要などを伺った。それに対し、下記のお答えを頂いたので、一連の論考をそのままに順次掲載していきます。

「私の論考については、付け足しや補足は必要ありません。中味については、今でも十分通用すると思いますし、客観的状況としては、ずっと悪くなっているのであり、遥かに理解しやすくなっているはずですから」(酒井信彦)

 

『チベット問題入門(中)』 酒井信彦(さかいのぶひこ・東京大学助教授)
拓殖大学海外事情研究所 海外事情九月号 抜刷 

五、中華思想の構造

前回の末尾で、「中国人」すなわち漢民族のチベット人に対する意識の問題に言及した。つまり中華思想の問題である。この中華思想こそ、中共政権がチベットを侵略した根本的原因であり、チベット問題を理解するうえでも、最も大切なポイントである。にもかかわらず、一般にはほとんど正確に認識されていないと言ってよい。そこで以下、中華思想の近代以降の展開について、孫文の「三民主義」を中心に少し詳しく考えてみることにしよう。

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チベット問題入門(上)

ブログ管理者から

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酒井信彦先生に過去に発表された論考を掲載するにあたり、訂正並びに補足の必要などを伺った。それに対し、下記のお答えを頂いたので、一連の論考をそのままに順次掲載していきます。

「私の論考については、付け足しや補足は必要ありません。中味については、今でも十分通用すると思いますし、客観的状況としては、ずっと悪くなっているのであり、遥かに理解しやすくなっているはずですから」(酒井信彦)

 

『チベット問題入門(上)』 酒井信彦(さかいのぶひこ・東京大学助教授)
拓殖大学 一九八九年 海外事情五月号 抜刷

一、はじめに

一昨年の秋以来、チベットの人々の独立を求める動きが高まっている。大規模なデモは今まで三度にわたって起きており、次第に拡大して今年の三月には戒厳令の発布にいたった。それにともなって日本でも一度忘れられていたチベット問題の存在が認識され、事件そのものだけでなく独立要求デモの背景に言及した記事なども新聞で見られるようになった。しかしその内容はというと極めて不完全であり、チベット問題を正しく理解するためにかえって有害と思われるものもある。

そこで本稿ではチベットの領域・人口・歴史などチベット問題を理解するために最も基盤となるべき知識を提供しようとするものである。

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チベット問題は侵略という「乱」

ブログ管理者から

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酒井信彦先生に過去に発表された論考を掲載するにあたり、訂正並びに補足の必要などを伺った。それに対し、下記のお答えを頂いたので、一連の論考をそのままに順次掲載していきます。

「私の論考については、付け足しや補足は必要ありません。中味については、今でも十分通用すると思いますし、客観的状況としては、ずっと悪くなっているのであり、遥かに理解しやすくなっているはずですから」(酒井信彦)

 

チベット問題は侵略という「乱」 (酒井信彦)
こころ第87号 特集 乱れ(平成20年7月)

チベット問題とは何か

三月上旬、チベットで再び独立要求の運動が開始された。大規模なものとしては一九八九年以来、約二十年ぶりのことである。今回は特にオリンピックの聖火リレーへの世界的な抗議行動に連動して、世界注視の問題に発展している。日本でも聖火リレーが長野で行われたが、チベットを支援する行動と、それに対抗するシナ人留学生の大量動員で、大きな騒動となった。
こうして、再びチベット問題が世界的に注目されているのだが、その論じられ方に、永年チベット問題に関係してきた私としては、極めて大きな疑問を感じている。それはチベット問題があくまでも人権問題として説明されていること、またそれを解決するためにはチベット亡命政府と中華人民共和国政府との対話を推進するべきだと、ほとんどの人々が論じていることである。
しかしチベット問題の本質は、本当に人権問題なのか。またそれは「対話」なるもので解決できるのだろうか。
以下、私の率直な見解を述べさせていただきたい。

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いまなすべきことは、精神的敗北の現実を直視し、反撃すること

  • Posted by: 中の人2
  • 2014年10月31日 23:58
  • 寄稿 | 時評

酒井信彦(元東京大学教授) 『伝統と革新』16号 平成26年7月1日 たちばな出版

1、二つの大戦と歴史の進歩

今年は1914年に第一次世界大戦が起こってから、ちょうど100年になる。20世紀の前半に起こった、第一次・第二次の世界大戦は、膨大な犠牲者を出し点では悲惨であるが、それが歴史の進歩に大きく影響したことも、同時に明らかな事実である。

第一次大戦は、バルカン半島の民族問題を切っ掛けに起こった。そのため終結にあたって、アメリカ大統領ウィルソンの提案に民族自決の原則が謳われ、ヴェルサイユ講和会議によって、東ヨーロッパに、フィンランド、バルト三国、ポーランド、ハンガリー、チェコスロバキア、ユーゴスラビアの八つの独立国が一挙に誕生した。その結果ドイツ帝国、オーストリア帝国、ロシア帝国、トルコ帝国の四つの帝国が消滅した。この民族独立こそ、第一次世界大戦の歴史的意義と言える。

ただしこの時この原則が適用されたのは、ヨーロッパのみであって、広大な列強の植民地の民族は独立できなかった。それは歴史的な課題として残されたのである。

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戦国時代の朝廷 朝廷の「式微(しきび)」は真実か

酒井信彦(元東京大学史料編纂所教授) 『日本及び日本人』1643号から 平成14年(2002年1月)

一、はじめに

天皇、皇后両陛下が参列して行われた「歌会始の儀」=宮殿・松の間(平成26年1月15日)、室町における宮中歌会始は今に至るまで連綿と続いている。今年のお題は「静」だった。本稿「四、皇室・朝廷の歴史における戦国期の意味」参照

御製
慰霊碑の先に広がる水俣の海青くして静かなりけり

皇后陛下御歌
み遷(うつ)りの近き宮居に仕ふると瞳静かに娘(こ)は言ひて発つ

朝廷の研究はその重要性にもかかわらず、日本史の研究の中では戦前・戦後を通じて、比較的遅れている分野であると言わざるを得ない。その理由として考えられるのは、戦前の場合は、皇室尊崇の立場から、客観的に研究することを惧れ多いと憚る雰囲気があったこと、戦後の場合は全く反対に、左翼史観の影響で、反動的対象を研究すること自体が反動的だと決めつける空気が存在したからであろう。(ただし近年左翼史観の凋落に伴って、タブー視も漸く薄れてきた傾向はある。)さらにそれだけではなく、戦前・戦後を通じて、朝廷の研究が低調だった理由として、権力中心史観が考えられる。すなわち権力なき存在は重要な存在ではなく、従って研究に値しないという発想である。つまり古代律令時代はともかく、権力を失った中世以後の朝廷の研究は、重要性がないと判断するのである。しかしこのような史観は、とりわけ朝廷の研究において、全く不適切だと私は思う。朝廷の存在の意味は、権力喪失の状況にこそ却って明瞭に現れていると考えるからである。そこで本稿では、一般に朝廷が最も衰微したとされる戦国時代の朝廷を取り上げ、以上の点を具体的に説明することにしたい。

 

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侵略問題こそ中共が抱えている最大の弱点

  • Posted by: 中の人
  • 2013年1月15日 13:18
  • 寄稿

『われわれ日本人が 尖閣を守る 保存版』
高木書房 平成25年1月10日発行

130115.jpg 中華人民共和国(中共)の楊外相は、国連総会でもラオスの国際会議でも、日本は尖閣諸島を「盗んだ」と断言した。またこれによって、日本は戦後の国際秩序に挑戦しているとも主張した。盗んだとは、侵略したということであるから、日本を現実の侵略者呼ばわりしたわけである。以前は、日本は侵略の歴史を反省しないから、再び同じ過ちを犯すに違いないと言って、日本に対する攻撃方法としていたから、これは極めて大きな変化と言わなければならない。しかしこのことの重大性を、日本人は正確に理解していないようである。日本が侵略したものならば、「侵略されたものだから取り返すのだ」との論法が成り立つわけであり、これは日本の領土に対する明白な侵略宣言なのである。そんなことをする国は、仮想敵国というより、真性敵国と認識しなければならない。

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