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安倍元総理の暗殺を最も喜んでいるのはシナ・中共だ

『月刊日本』2022年11月号 酒井信彦の偽善主義を斬る   2022年10月22日

 雑誌『月刊HANADA』11月号に、有本香さんの論文、「『国葬』反対派は〝極左暴力集団〟」が出ている。そこに掲載されている集会のポスターは、「安倍の国葬粉砕! 改憲・戦争の岸田を倒せ! 9.23 全国集会デモ」というもので、特に有本さんが注目しているのは、中段に書かれている、「米日の中国侵略戦争 絶対阻止!」という文言で、有本さんは「唖然として、言葉が出なかった」と言っている。

 つまり日本の極左勢力は、歴史の真実とまったく逆のことを主張しているわけである。中国(正しくは、シナ、中共)は、私が以前から何度も指摘しているように、赤色ファシズム国家、侵略国家、ジェノサイド国家と、三拍子がそろった、現代に生きるナチズム国家であるから、ネオナチ国家と言わなければならない。中華人民共和国は、そもそも侵略国家として誕生したのだが、国内的侵略が一応済んだ段階で、さらの国外への侵略に乗り出した。台湾侵略は国是たが、さらに南シナ海・東シナ海の島嶼の侵略に着手して、日本の領土である尖閣諸島も、核心的利益であると侵略宣言をしている。その侵略はさらに沖縄、日本本土に及ぶのは、決まりきったことである。

 つまり日本の極左勢力は、まるで民族意識というアイデンティティがなく、日本を侵略する側に立っている。共産主義のシナ・中共にしても、北朝鮮にしても、一応民主主義の韓国も、ナショナリズムそれもウルトラ・ナショナリズムの塊である。日本の極左勢力は、シナ人・朝鮮人に少しは学んだらどうなのか。現実には日本の敵の手先になっているのだから、明らかな「民族の裏切り者」といわなければなない。

 また10月4日の産経新聞オピニオン面の、坂井広志論説委員による「一筆多論」欄によると、国葬の前日の9月26日、左翼活動家「プロ市民」による国葬反対大集会が、衆院議員会館の大会議室で行われた。会場の入り口付近では「中国を仮想敵国に仕立て上げて、着々と戦争準備に突き進んで良いのか」と書かれた、日中国交正常化50周年記念大集会の案内が配られ、「会場のひな壇には横断幕も掲げられ、迷彩服を着た安倍氏を背景に『やるな国葬 来るぞ徴兵 安倍賛美は改憲・戦争への道』と物騒な文言が大きな文字で書かれていた」とあるから、極左勢力の主張と、基本的に同じであることがわかる。

 この国会の集会を主催したのは、「安倍元首相の国葬を許さない会」で、その代表は藤田高景という元社民党職員で、集会では立民の野田佳彦元首相や連合の芳野友子会長が国葬出席を公言したことについて「あきれて開いた口がふさがらない」と批判したという。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏は、安倍氏は「日本を戦争に最も近づけた男。核に近づけようとした男。戦争犯罪的な恐ろしい首相だった」と呪詛したという。

 極左勢力やプロ市民による、国葬反対の理由は極めて明確だが、そのほかにも朝日新聞に代表される主要メディアによる煽動報道によって、国葬に反対した人間は数多い。それは国葬反対というよりも、安倍政治に反対し、ことごとく非難していた、例の「アベガー」運動の継続と考えることができる。したがってそれに参加している人間は、安保法制に反対して国会デモをやった集団と、殆ど共通しているようだ。ただし朝日新聞は例によって、今回初めてデモに参加したという人間の談話記事を、何度か掲載しているから、今回新たに洗脳されて動員されて人間もいるようだ。

 ところで、安倍首相が暗殺されて、最も喜んでいるのは、シナ・中共であるに違いない。なにしろ 安倍元総理の最大の功績は、シナ・中共の危険性を全世界に向けて暴いたことにあるからである それはインド太平洋構想に発展して、世界から大きな支持を受けた。したがって安倍暗殺による損失は、日本はもちろん世界にとっても極めて大きい。なぜなら安倍氏は総理という立場から離れた、より自由な立場から、今後積極的に動こうとしていたと考えられるからである。それは「台湾有事は日本有事」の発言や、核発を巡る発言に現れていた。核発言にたいしては、岸田首相がたちまち否定したが。

 日本において最も欠けているのは、対外発信能力である。安倍政権時代でもその点では、極めて不十分であった。そこで安倍氏が新しいシンクタンクを立ち上げて、強力な日本自身としての自己主張を展開できたのではないか。その点でも安倍氏に代わる人材は、とても見つからないようである。国葬の弔辞で、岸田首相は、「安らかにおやすみください」と述べたようだが、安倍氏が泉下において、安らかでいられるような状況ではまったくない。

 

sakai-book01.jpg ← 酒井信彦 著『虐日偽善に狂う朝日新聞―偏見と差別の朝日的思考と精神構造』(日新報道 2013/08出版)


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