Home

酒井信彦の日本ナショナリズム

天皇を政治利用する朝日新聞

『月刊日本』2016年10月号 羅針盤 2016年9月

朝日新聞は、各種の紙面で政治的主張を展開するが、「文化・文芸」欄でもそれは良く見られる現象である。8月23日もその例で、天皇陛下の退位ご発言に関連させて、「『天皇と戦争』どう考える」をテーマにした。筆者は、高重治香記者。

リードで、「退位の意向をにじませるお気持ちを表明した天皇陛下はこれまで、国内外で戦死者の慰霊を重ね、反省の念を示してきた。その足跡からは戦争に向き合ってきた姿勢が浮かぶ。天皇と『戦争の歴史』の関係を、私たちは主権者としてどう考えればいいのか。昭和、平成、そして次世代について、識者と考えた」とある。

天皇陛下は、皇太子時代から沖縄を何度も尋ねられ、韓国・中共に対しても「痛惜の念」や「深い反省」を表明されてきたし、また最近も全国戦没者追悼式で、「深い反省」を繰替えされていることをまず指摘する。これは前代の昭和天皇と異なるところで、「昭和天皇は戦後、国内各地を訪ねて戦死者の遺族と対面したが、踏み込んだおことばを述べることはなかった。」とする。

昭和天皇の戦争責任については、一橋大学教授・吉田裕は、「天皇の決断なしには開戦はあり得ず、責任は否定できないと思います」と、明言する。高重記者は、「ただ明治憲法下の天皇の『統治権』は国務大臣の補佐に基づき行使されるため、法的な責任は国務大臣が負い、天皇は責任を負わないという考えかたもある。議論は今なお分かれる」と、一応判定を保留する。

続きを読む

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

与野党を圧倒した小池百合子の政治力

『月刊日本』2016年9月号 羅針盤 2016年8月30日

東京都知事選挙において、巨大な組織政党に個人が勝利してしまった。それも自民・公明の与党連合と、野党連合の二つに対してであり、しかも僅差の勝利ではなく、ぶっちぎりの大勝であった。すなわち、与党も野党も組織を誇る政党として、面目丸つぶれになってしまったのである。

与党の側は、自己の陣営から出馬宣言をした小池候補に対して、挨拶がなかったと言って推薦せず、やっと担ぎ出したのは真に地味な、個人的な人気はとても望めない、花のない人物に過ぎなかった。敗北に至ったマイナス要素としては、親族まで及ぶとした処罰問題やら、石原「大年増」発言などもあったかしれないが、基本的に候補者の選定で、大きく誤ったのである。

与党の側の自信のなさが顕著に表れていたのは、グリーンのイメージカラーを小池陣営に奪われてしまったために、選挙戦終盤になって、赤の鉢巻きを慌ててやりだしたことである。そんなことをしても、かえって逆効果というものである。

自民党支持者ですら、増田候補より小池候補のほうを支持した。敗戦後、石原都連会長は完敗を認めざるを得なかったわけである。そして都連幹部5人は総退陣をした。

続きを読む

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

東京大空襲の犠牲者も慰霊せよ

『月刊日本』2016年8月号 羅針盤 2016年7月22日

    ※このタイトルは編集者によるもので、私の主張は、
    「沖縄と原爆を、特別扱いするな。戦争犠牲者を平等に慰霊せよ。」ということです。

毎年夏になると戦争を回顧することが盛んである。今年も6月23日には、沖縄戦の終結記念日に慰霊祭が行われた。今年はその直前に行われた例の殺人事件の追悼集会と関連し、基地移設問題も併せて特に盛り上がったようである。

また八月になると、広島・長崎の原爆記念日があり、これも大きく報道され、十五日の終戦記念日に続くことになる。

この一連の戦争回顧の年中行事に関して、私は以前から強い違和感を感じていたことがある。それは戦争の犠牲者に関して、沖縄と原爆がとりわけ大きく取り上げられるに対して、それ以外の多大な戦争犠牲者への慰霊が、あまりにも粗略に扱われていることである。

続きを読む

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

歴史問題の害毒

『月刊日本』2016年7月号 羅針盤 2016年6月22日

今年は二〇一六年。ということは、一九八六年の第二次教科書事件から、丸々三十年にもなる。第一次教科書事件はその四年前だから、歴史問題で我が国はすでに、戦後七十年の半分近くも苦しめられ続けているわけだ。しかもそれは七十年談話・日韓慰安婦合意などでは全く解決せず、今後も日本民族の命取りになりかねない危険性をはらんでいる。

そもそも歴史問題は、戦後の東京裁判史観が、一貫して作用し続けてきたからではない。それは一九八二年の第一次教科書事件を契機に、中共・韓国によって、日本罪悪史観として再構築されたものである。

第一次教科書事件では、日本の中学歴史教科書の検定において、「侵略」表記が「進出」に書き換えさせられたと、日本のマスコミが報道し、それに中韓両国が抗議し、日本政府が外交圧力に屈服してしまった。つまりそのメカニズムは、日本マスコミの報道⇒中韓政府の抗議⇒日本政府の屈服という連鎖となる。私はこれを「歴史問題の三段跳び」と言っているが、つまり発端と末端は、日本人が演じているわけである。

続きを読む

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

さらに国際化した「報道の自由」問題

『月刊日本』2016年6月号 羅針盤 2016年5月22日

最初に述べておく。先月号の拙稿のタイトル「高市発言・真の問題はメディアの自己規制だ」は、編集者によるものであり、私の本意は「高市発言批判は、支離滅裂だ」である。

ところで高市発言に関連した、報道の自由問題は、更に一段と国際化した。それには二つあり、一つは国連人権委員会の特別報告者の来日で、もう一つは「国境なき記者団」による「報道の自由度ランキング」の発表である。特別報告者デビット・ケイなる人物は、四月十一日来日して調査し、十九日に外国特派員協会で記者会見を行った。まさにそれに合わせるように、四月二十日にランキングが発表された。共に日本の報道の自由について危惧を表明するもので、朝日新聞は二十日朝刊と同夕刊で、個々に取り上げるだけでなく、二十四日には両方を合わせて、「メディアタイムズ」欄で、「報道の自由 海外から警鐘」「国連が調査 NGO『世界72位』」と、大喜びで取り上げている。

この記事には記者会見でケイが指摘した六つの点が一覧表になっている。放送法第4条の廃止、自民党の憲法草案への危惧、特定秘密保護法への恐れ、朝日植村記者への脅迫問題、沖縄の反基地運動の規制を懸念、などが挙げられており、これらは朝日新聞の主張そのままである。ただし記者クラブ制度への批判は、最後に目立たないように付け加えているし、ヘイトスピーチ法に対する反対は、ここには出てこない。

続きを読む

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

Index of all entries

Home

検索
Nationalism_botをフォローしましょう

Twitterをお楽しみの方は、
Followしてください。

リンク集
フィード購読リンク
QRコード
 
QR_Code.jpg

このブログを携帯でご覧になれます

ページのトップに戻る