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酒井信彦の日本ナショナリズム

日本は精神奴隷状態に陥った

『月刊日本』2016年12月号 羅針盤 2016年11月22日

今年の11月3日は、日本国憲法が公布されてから70年になるということで、朝日新聞は11月2日・3日と、連日にわたって長文の社説を掲載した。また今年は特に例の「押しつけ憲法論」に注目して、4日から「憲法を考える 押しつけって何?」の連載を開始した。その初回、編集委員・豊秀一による、4日一面の見出しに「生い立ち様々 各国で知恵」と掲げた記事には、朝日らしい、こじつけ的な論理展開が見事に表れていて、甚だ興味深い。

まず冒頭で来年5月にキプロスで開催される国際憲法学会の部会のテーマが、「押しつけ憲法」になるのだということが紹介される。その部会責任者は、「押しつけかそうでないかという二分論は、日本の憲法への理解を妨げてしまう。大切なのは、日本の例から憲法への信頼を醸成したのは何かを探ることだ」という。「憲法への信頼を醸成した」とあるように、この見解がすでに誤った認識に基づいているようだ。日本の例など決して参考にならないだろう。

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天皇陛下の「お言葉」に思う

『月刊日本』2016年11月号 羅針盤 2016年10月22日

8月8日に天皇陛下がテレビで国民に、直接的に譲位の意向を述べられた出来事に対して、新聞・雑誌などで大量の情報が発信されている。その中で私が出色だと思ったのは、『週刊新潮』9月15日号に掲載された、「天皇陛下『お言葉』は『違憲か暴走』と断じる皇室記者の失望」「巷は賞賛一色でも専門家たちの違和感」と題された記事である。

まず世論調査で譲位を支持する意見が圧倒的なのを指摘し、ついで皇室報道の専門家集団である宮内記者会では、「論調は大いに様相を異にしていた」と述べる。

大手紙の皇室担当記者は、「あのような『お言葉』を陛下が発せられたことに、失望を禁じ得ませんでした」「あのお気持ちの表明によって、陛下が皇后さまとともに28年間、ひたすら慎ましやかに積み重ねてこられた〝あるべき象徴としてのお振舞い〟が台無しになってしまった。端的に言えば禁じ手、『やってはいけないことをなさってしまった』ということ。記者会の内部はもちろん、OBや本社デスクなど、長らく皇室取材に携わってきた者ほど、こうした思いを強くしているのが現状です」という。

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天皇を政治利用する朝日新聞

『月刊日本』2016年10月号 羅針盤 2016年9月

朝日新聞は、各種の紙面で政治的主張を展開するが、「文化・文芸」欄でもそれは良く見られる現象である。8月23日もその例で、天皇陛下の退位ご発言に関連させて、「『天皇と戦争』どう考える」をテーマにした。筆者は、高重治香記者。

リードで、「退位の意向をにじませるお気持ちを表明した天皇陛下はこれまで、国内外で戦死者の慰霊を重ね、反省の念を示してきた。その足跡からは戦争に向き合ってきた姿勢が浮かぶ。天皇と『戦争の歴史』の関係を、私たちは主権者としてどう考えればいいのか。昭和、平成、そして次世代について、識者と考えた」とある。

天皇陛下は、皇太子時代から沖縄を何度も尋ねられ、韓国・中共に対しても「痛惜の念」や「深い反省」を表明されてきたし、また最近も全国戦没者追悼式で、「深い反省」を繰替えされていることをまず指摘する。これは前代の昭和天皇と異なるところで、「昭和天皇は戦後、国内各地を訪ねて戦死者の遺族と対面したが、踏み込んだおことばを述べることはなかった。」とする。

昭和天皇の戦争責任については、一橋大学教授・吉田裕は、「天皇の決断なしには開戦はあり得ず、責任は否定できないと思います」と、明言する。高重記者は、「ただ明治憲法下の天皇の『統治権』は国務大臣の補佐に基づき行使されるため、法的な責任は国務大臣が負い、天皇は責任を負わないという考えかたもある。議論は今なお分かれる」と、一応判定を保留する。

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与野党を圧倒した小池百合子の政治力

『月刊日本』2016年9月号 羅針盤 2016年8月30日

東京都知事選挙において、巨大な組織政党に個人が勝利してしまった。それも自民・公明の与党連合と、野党連合の二つに対してであり、しかも僅差の勝利ではなく、ぶっちぎりの大勝であった。すなわち、与党も野党も組織を誇る政党として、面目丸つぶれになってしまったのである。

与党の側は、自己の陣営から出馬宣言をした小池候補に対して、挨拶がなかったと言って推薦せず、やっと担ぎ出したのは真に地味な、個人的な人気はとても望めない、花のない人物に過ぎなかった。敗北に至ったマイナス要素としては、親族まで及ぶとした処罰問題やら、石原「大年増」発言などもあったかしれないが、基本的に候補者の選定で、大きく誤ったのである。

与党の側の自信のなさが顕著に表れていたのは、グリーンのイメージカラーを小池陣営に奪われてしまったために、選挙戦終盤になって、赤の鉢巻きを慌ててやりだしたことである。そんなことをしても、かえって逆効果というものである。

自民党支持者ですら、増田候補より小池候補のほうを支持した。敗戦後、石原都連会長は完敗を認めざるを得なかったわけである。そして都連幹部5人は総退陣をした。

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東京大空襲の犠牲者も慰霊せよ

『月刊日本』2016年8月号 羅針盤 2016年7月22日

    ※このタイトルは編集者によるもので、私の主張は、
    「沖縄と原爆を、特別扱いするな。戦争犠牲者を平等に慰霊せよ。」ということです。

毎年夏になると戦争を回顧することが盛んである。今年も6月23日には、沖縄戦の終結記念日に慰霊祭が行われた。今年はその直前に行われた例の殺人事件の追悼集会と関連し、基地移設問題も併せて特に盛り上がったようである。

また八月になると、広島・長崎の原爆記念日があり、これも大きく報道され、十五日の終戦記念日に続くことになる。

この一連の戦争回顧の年中行事に関して、私は以前から強い違和感を感じていたことがある。それは戦争の犠牲者に関して、沖縄と原爆がとりわけ大きく取り上げられるに対して、それ以外の多大な戦争犠牲者への慰霊が、あまりにも粗略に扱われていることである。

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