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朝日新聞の人権問題に関するダブルスタンダードを許すな

『月刊日本』2021年9月号 酒井信彦の偽善主義を斬る  2021年8月22日

 五輪開催に反対して社説を出した朝日新聞は、五輪が実際に始まった7月21日の一面トップで、「東京五輪 きょう競技スタート」の見出しで記事を出した。それだけでは気が済まなかったのであろう、その下に横見出しで「前例なき五輪 光も影も報じます」と題した、ゼネラルエディター兼東京本社編集局長・坂尻信義の名前による一文を、わざわざのせている。

 そこでは「無謀な続行は、五輪の精神にもとります」、「パンデミックのさなかに再延期や中止を選択しなかったことの是非は、問われ続けます」と嫌味を言い、「私たちは開催期間中、コロナ下での開催に必要な準備がなされ、実践されるのかを丹念に取材します。五輪が感染状況や市民生活にどのような影響を及ぼし、後世に何を残すのかについても、目をこらします」と凄んでいる。

 したがってその後、一面トップに五輪の記事はほとんど掲載されず、出したとしても、否定的な情報である。その典型が開会式当日、7月23日のもので、見出しは「開会式演出 小林氏を解任」「過去にユダヤ人虐殺揶揄」となっているように、開閉会式のディレクターである小林賢太郎の解任問題であった。同氏が20年以上以前のコントで、ユダヤ人のホロコーストを揶揄する、表現を使っていたというのが、その根本的な理由であった。

 朝日はこのことが嬉しくてたまらなかったようで、2面の「時時刻刻」欄ではほぼ一面を使って、この問題をさらに詳しく報じている。黒地白抜きの横見出しには、「開会式前日 急転解任」と出し、縦見出しでは「『外交上の問題も』深夜に把握し対応」とあって、問題が発覚してから解任までの時間経過を説明しているが、そこには例のアメリカのユダヤ人団体からの、批難声明も説明されている。もう一つの縦見出しは、「ホロコースト軽視 世界では強く非難」とあり、ドイツを中心とした、ナチス批判の現状を報告している。

 さらに2面では「人権意識 日本の低さ露呈」「歴史認識 世界標準とズレ」との見出しを付けた囲み記事があり、「国内識者指摘」として、「哲学者で欧米・東アジアの歴史認識問題に詳しい高橋哲哉・東京大学名誉教授」と、「編著に『ヒトラーの呪縛』がある佐藤卓己・京都大学大学院教授(メディア史、大衆文化論)」の二人の学者による、日本を批判したコメントを載せている。

 このコメントに関しては、それでもまだまだ足りないと感じたらしく、7月28日の夕刊には、二人にさらに「ナチスのホロコースト問題に詳しい三島憲一・大阪大学名誉教授(現代ドイツ思想)」と、「著書に『ヒトラーとナチ・ドイツ』がある石田勇治・東京大学大学院教授(ドイツ近現代史)」を加えた、四人による「『人権軽視』日本社会の現状あらわに」と題する、大型記事が掲載された。以下に各氏の意見のサワリを紹介しておこう。

 三島氏の意見は、森発言や開会式をめぐるトラブルなどは、「差別やいじめなどの基本的人権にかかわる問題であり、いわば起きるべくして起きた」、「東京五輪と日本社会全体が抱える『人権軽視』という病理を象徴している」と言う。

 高橋氏の意見は、「人種差別や民族差別が許されないのはすでに国際的合意と言ってよいが、日本ではそうした問題への認識が甘い」。その原因は歴史教育が現代史をおろそかにしているからだというものである。

 石田氏の意見は、「日本の歴史教育は、ナチスの行為を知識としては教えても、それが現代世界でどういう意味を持っているかを導くまでに至っていない。ホロコーストは国際法上『犯罪の中の犯罪』といわれるジェノサイドである。そこに肯定の余地はない。」とする。

 佐藤氏の意見は、「人種・民族の平等という理念において、ホロコーストはもっとも敏感に扱わなければいけない出来事だ。これまでスポーツ界はそうしたことに相当気を使ってきたはずで、国際的な感覚の欠如と言うほかない。」と指摘する。

 一見して明らかように。これらの意見はすべて日本と言う存在を、徹底的な批判の対象と捉えて、論を展開している。まるで日本だけが、歴史教育において間違っているようなことが述べられているが、それは事実とは全く正反対だろう。日本くらい自国を貶めた教育を行っている国はない。これらの学者は、日本をバッシングすることで、自らを良心的人間と錯覚している、卑劣極まりない虐日日本人の典型である。

 なお学者にインタビューした、大内悟史と山本悠理の朝日新聞の二人記者は、ネオナチ国家である中国に存在するウイグル・ジェノサイドについて、これらの学者の見解を追及しなければならない。

 

sakai-book01.jpg ← 酒井信彦 著『虐日偽善に狂う朝日新聞―偏見と差別の朝日的思考と精神構造』(日新報道 2013/08出版)


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