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日本でも発覚 カトリック教会の性的虐待

『月刊日本』2020年1月号 酒井信彦の偽善主義を斬る 2019年12月22日

 ローマ教皇が、11月23日から同26日の日程で来日した。 この来日については、朝日新聞は大量の報道を行って、宣伝にこれ務めた。ただし一連の記事の中で、異質の記事が一つあった。11月20日3面で、見出しは「バチカン改革 苦心の法王」となっている。冒頭に「ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王が19日、日本とタイの訪問に向けて出発する。聖職者による性的虐待などの不祥事で、欧米では人々の教会離れが深刻化。法王は、信者が増えるアジアで、自ら進めるバチカン改革への支持を広めたい考えだ」とある。カトリック教会の、負の側面を指摘したもので、「『教会離れ』が進んだ最大の原因は、00年代に発覚した神父らによる児童や神学生への性的虐待と組織的隠蔽だ」、「法王は今年2月、性的虐待問題の特別会議で『教会の恥』と指摘。だが、会議が打ち出した再発防止策は『事案を隠さず司教に報告する』などにとどまり、被害者団体などから批判が噴出した」と説明されている。

 以上は、イタリアの河原田特派員によるものだが、この記事にはさらに日本での性的虐待が、無署名で報告されている。全文を紹介する。

 「日本のカトリック中央協議会などによると、国内各地域の聖職者トップでつくる司教団を中心に、02年と12年に性的虐待についての全国調査を行い、計7件の被害申し出を受けた。調査に当たった司教らは『十分に責任を果たしてこなかったことを反省』するという声明を出した。

 司教団は今年6~10月にも改めて調査を行い、現在も追加調査中だ。協議会は、被害者の申し出に対応する部門を設けるなど相談態勢の充実や被害防止に努めている、としている。日本カトリック司教協議会の会長、高見三明・長崎大司教は『神学校で教育を徹底しないといけない』と話す」。

 ローマ教皇は、26日に帰国した。朝日27日の朝刊38面で報じられているが、それに併せて「性的虐待 司祭二人有罪」「『疑惑放置』教会に批判」という記事が載っている。ただしこれは日本の事ではなく、教皇の出身地アルゼンチンの事である。11月25日に西部メンドサの裁判所が、カトリック系の障碍者施設で、2005~16年に5~17歳の子どもに性的虐待を繰り返したとして、イタリア人司祭ニコラ・コラディ容疑者(83)に禁固42年、アルゼンチン人司祭オラシオ・コルバチョ容疑者(59)に禁固45年の有罪判決を言い渡したのである。

 ここで重要なのは、教皇の責任が問われていることである。「フランシスコ教皇が13年に就任した後、被害者たちは14年に名前を通報、15年には直接告発したが、教会が対応したのはアルゼンチン警察が捜査を始めた後の17年で、疑惑を放置していたという批判が出ている。」

 さて日本の性的虐待の問題はどうなっているのか。朝日の紙面にはなく11月27日のデジタル版だけにある、「『神父から性的被害』長崎大司教区で女性信者が訴え」という記事が存在する。全文を紹介しよう。

 「カトリック長崎大司教区は27日、女性信者が神父に性的被害を受けたと訴えている、と明らかにした。大司教区は詳細を調査する一方、この神父のミサを行う権限を一時的に止める聖職停止処分にしたという。

 高見三明大司教(73)によると、昨年、大司教区の相談窓口に女性信者から被害の相談があり、発覚した。その後、この神父から話を聞いた上で処分した。

 この日、フランシスコ教皇の離日を受けて開いた記者会見の場で、談話を読み上げた。談話は『大変深刻に受け止めている』『調査中で事実の確定には至っていない』『(警察の)捜査の推移も見ながら、厳正に対応していく。状況に応じて発表や会見も行う』といった内容にとどまり、詳しい説明はなかった。

 高見大司教は会見で『(警察が)捜査中で、色々な話をすると被害者の方のプライバシーを侵害することも起こりうる』と述べた。」

 カトリックの性的虐待の問題が、教皇が帰国した途端に報じられたわけである。特に高見大司教が、帰国に関する記者会見で発表したのは、余りにも露骨であり、しかも実に曖昧なことしか述べていない。こんな調子では、まじめに取り組んでいないことが明らかである。

 なお朝日新聞は12月7日の「子どもへの性暴力」で、やっとカトリック神父による性暴力の具体的な事例を紹介している、ただしこれは何十年も以前の話である。しかも教皇の滞在中に報道すれば、インパクトがあったのに、それはやらない。しかも高見大司教による記者会見は、デジタル版のみで紙面では報じない。朝日によるカトリックに対する、明白な忖度に他ならない。

 

sakai-book01.jpg ← 酒井信彦 著『虐日偽善に狂う朝日新聞―偏見と差別の朝日的思考と精神構造』(日新報道 2013/08出版)


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