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旭日旗問題の再燃

『月刊日本』2019年11月号 酒井信彦の偽善主義を斬る 2019年10月22日

 韓国との旭日旗問題が再燃している。昨年は観艦式でのことであったが、今回はオリンピック・パラリンピックでの問題である。

 この旭日旗問題については、昨年の観艦式問題の時点で、私はその起源を含めて、本誌の昨年11月号で「旭日旗問題の過去と現在」のタイトルの下に、かなり丁寧に解説しておいた。その起源は韓国ではなく中共にあり、2001年に女優でモデルの趙微が旭日模様の衣装を着ていることが問題になり、長沙のイベントで暴漢に襲われ、謝罪に追い込まれたという事件があった。ただしその後20年近く経つのに、中共で問題になっているという話は、全く聞こえてこない。

 韓国の方は、2011年のサッカー試合から問題になり、その後、徐敬徳という学者が中心となって、旭日旗排斥運動が展開され、それは海外にまで及ぶだけでなく、放射状のデザインなら、何でもかんでも攻撃・排斥すると言う、精神病理的現象が出現している。日本のエセ・リベラルな媚韓メディアは、韓国に忖度してまともに報道しないが、インターネット情報には、以前から、たくさん取り上げられている。

 最近の旭日旗問題の動きはいかなるものか。8月29日、韓国国会が組織委員会に、旭日旗の競技場への持ち込み禁止を要請する決議を行った。これに9月3日、組織委員会は持ち込みを容認する方針を示した。すると今度は、9月6日に韓国の大韓障碍者体育会は、組織委員会に、パラリンピックのメダルも放射状模様があって、旭日旗を連想すると是正を要請する方針を決めた。

 9月13日の産経新聞によると、「国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長は12日、取材陣に『(メダルのデザインは)伝統的な日本文化の要素を扇に反映したもので、なんら問題ない。組織委に対してデザインを見直すように指示するつもりは一切ない』と述べた。旭日旗の持ち込みについても『われわれはスポーツと政治を混同するつもりは一切ない』と話し、韓国側の要請には応じない姿勢を示した」とある。一連の問題については、9月24日の産経が、2面肩の「『旭日旗』五輪狙い情報戦」という4段見出しの記事に、要領よくまとめている。

 今回の動向で最も重要なポイントは、パラリンピックのメダルという、旭日風の放射デザインにまで、韓国による攻撃の対象が拡大したことである。これは以前から韓国の民間のみならず、海外の韓国人によって、執拗な攻撃が繰り返えされており、それに屈服する外国企業も存在していた。今回は「大韓障碍者体育会」という、公的組織がやり出したのであり、格段に悪質になった。

 この旭日旗問題で社説を出しているのは、東京新聞だけのようだ。それは9月25日のもので、冒頭に「来年の東京五輪で、競技場への旭日(きょくじつ)旗の持ち込みが認められる見通しだ。しかし、この旗は、歴史的な経緯もあり、周辺国からの反発を生みかねない。大会の成功のためにも再考を求めたい」とある。この社説で最も悪質な個所は、「中国でも問題が起きている。01年、人気女優が雑誌のグラビアで、旭日旗をあしらった服を着用したところ、『国賊』などと激しい非難を浴び、謝罪した」と言っているところである。

 東京新聞は趙微事件を覚えていたらしいが、これは20年近くも以前の事件であり、その後まるで問題になっていない。それを「中国でも問題が起きている」と現実のように言うのは、完全なフェイクニュースである。またこの社説では、パラリンピックのメダルについては、触れていない。放射状のデザインがいけないのなら、北マケドニア国旗はもちろん、自動車のタイヤのホイール・キャップまでダメなる。この言いがかりは、明らかに狂気のレベルに達している。ともかく東京の社説は、朝日を凌駕する媚韓虐日路線を邁進する、東京新聞の面目躍如というべきものである。

 では韓国の理不尽きわまる無茶苦茶な要求に対して、日本政府はどのように対応しているのだろうか。先の産経の9月24日の記事によれば、「『旭日旗のデザインは日章旗と同様、太陽をかたどり、大漁旗や出産、節句のお祝いの旗など国内外で現在も広く使用され、長い歴史を誇るものだ。それが特定の政治的、差別的主張であるかのように主張する方が海外にいる』外務省の大鷹正人外務報道官は18日の記者会見で、名指しを避けつつ最近の韓国の動きをこう牽制した」のだという。

 なんと生温い発言だろうか。はっきりと名指しで、韓国の暴挙を糾弾しなければならないのに、それが全くできていない。こんな対応に終始しているから、韓国を無限に付け上がらせてしまったのである。

 

sakai-book01.jpg ← 酒井信彦 著『虐日偽善に狂う朝日新聞―偏見と差別の朝日的思考と精神構造』(日新報道 2013/08出版)


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