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2006年10月 Archive

男系天皇絶対論の危険性―女系容認こそ日本文明だ―

『諸君』平成十八年十月号

はじめに
 二月七日、秋篠宮妃殿下の御懐妊が発表され、皇室典範の改正問題は先送りされることになりました。同妃殿下の御懐妊について、一般には驚きを以て迎えられているようですが、私は正直に申し上げて全く驚きませんでした。それは眞子内親王・佳子内親王お二人以後、お子様がお出来にならない事こそ、異常であり不自然だと感じていたからです。したがって至極当然のことが漸く生起したと受け止めている次第です。但しまもなくお生まれになる予定の第三子の方が男子であっても、根本的状況にそれほど変わりは無い訳ですから、いずれ皇室典範改正問題は浮上せざるを得ません。その際なるべく正確且つ多様な議論が、判断の材料として提供されるべきだと考えますので、東京大学史料編纂所につとめ、日本の朝廷の歴史を研究対象とし、現代の皇室についても発言したことのある者として、この問題に関する私なりの見解を述べさせていただきたいと思います。

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