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2009年1月 Archive

『第二の敗戦』の裏に米中の結託

『月刊日本』2009年2月号 羅針盤

 アメリカの金融破綻に端を発した世界大不況に、当初は比較的大丈夫だと言われていた我が国も完全に巻き込まれて、「派遣切り」やら「内定取り消し」やらで、このところ大騒ぎになっている。政治家もマスコミも、今頃になって騒いでいるのだが、我が国にはずっと以前から、デフレ不況による悲惨な犠牲者が、一貫して大量に存在し続けているという事実は、全く顧みられていない。それこそ不況のための自殺者である。
 我が国の自殺者は、それ以前は二万人台前半であったものが、一九九八(平成十)年から三万人台に、一万人近く一挙に急増した。その原因が経済不況であることは、国民総生産の下落と明らかに連動しているから、疑問の余地がない。自殺とは自ら命を絶ってしまうのだから、派遣社員の失職や学生の就職内定取り消しとは、比較にならない悲劇であるにもかかわらず、その対策に政治家・官僚はまじめに取り組まず、九八年以後も自殺者三万人台をずっと維持し続けている。つまり不況原因の自殺者の累計は約十万人だから、アメリカのベトナム戦争の死者数万人よりはるかに多い。我が国の国家権力は、国民の生命・財産を守る能力も、それ以前にそうしようとする意志すら無いのである。

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