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朝日新聞研究Ⅳ

※2月18日に投稿した『朝日新聞研究Ⅳ-①』の後続記事をまとめ投稿しました。

『朝日新聞研究』(酒井信彦)Ⅳ
平成27年2月17日~22日(全5回) 産経新聞『夕刊フジ』連載記事
№① 朝日の「イスラム国」デモ報道に違和感 「憲法守れ」メッセージボード (2015.02.17)
№② ヘイトスピーチと慰安婦報道 憎悪表現で損なわれた国益は大きい (2015.02.18)
№③ 中韓が利用する「日独の歴史問題」比較 「虐日日本人」の存在 (2015.02.19)
№④ 投書欄「声」に掲載された「水鉄砲禁止教育」 選定の思惑 (2015.02.20)
№⑤ 朝日コラムで特攻隊とテロを同一視 知られざる題字の意味 (2015.02.22)

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【朝日新聞研究Ⅳ-②】ヘイトスピーチと慰安婦報道 憎悪表現で損なわれた国益は大きい
2015.02.18 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150218/dms1502180830004-n1.htm
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朝日新聞では最近、「ヘイトスピーチ(憎悪表現)」「排外主義」といった言葉が頻繁に使われている。私の印象では、同紙が慰安婦問題の大誤報を認めたあたりから目立ち始めた気がする。社説でも「ヘイトスピーチ 社会も問われている」(2014年12月12日朝刊)などと何度も取り上げられ、根絶を訴えている。

私は、ヘイトスピーチも問題だが、一連のヘイトスピーチ批判にも、自分たちと異なる意見に対して、レッテルを貼って封殺しようとする危険性を感じている。

こうしたなか、産経新聞の人気コラム「阿比留瑠比の極限御免」(1月29日朝刊)には、「これではメディアのヘイトスピーチだ…『東京』『朝日』『毎日』偏見・無知に基づく不公正・不適切な見解」という刺激的なタイトルが付いていた。

コラムは、安倍晋三首相が「侵略の定義は定まっていない」と国会答弁したことを、東京新聞や朝日、毎日新聞の社説がそろって攻撃しているが、村山富市元首相や、民主党政権時代の玄葉光一郎前外相も現職時代、同様の答弁をしていたことを指摘したものだ。

そのうえで、阿比留氏は「こんなことを執拗(しつよう)に何度も繰り返すのだから、特定個人を標的にした悪意あるヘイトスピーチだといわれても仕方あるまい。差別的ですらあると感じるし、少なくともフェアではない」と喝破している。

ヘイトスピーチを問題視しているメディア自身が、「ヘイトスピーチをやっている」と批判されているのである。

産経は1月3日朝刊で、慰安婦問題に取り組んできた、現代史家の秦郁彦氏と、東京基督教大学教授の西岡力氏の「正論 新春討論」を掲載していた。秦氏は対談で、国連人権委員会に慰安婦問題を持ち込んだ日本人弁護士について、「僕はなぜそういう自国を貶めるようなことに熱中する日本人がいるのか、不思議でならない」と述べていた。日本人による日本を標的にしたヘイトスピーチへの疑問といえそうだ。

朝日が大誤報を認めたことで「慰安婦=強制連行」は否定されたが、日本や日本人の名誉回復にはほど遠い。メディアなどの強力な発信力によって一部の日本人は洗脳され、その影響は世界各国に広まっている。国家や民族に対する憎悪表現で損なわれた国益は極めて大きい。

私は、日本や日本人を貶めることによって、自分たちが正義の立場にいるように振る舞うような人々を「虐日日本人」と呼んでいる。

1月8日の朝日「声」欄には、東京都の医師による「ヘイトスピーチは絶対悪だ」とする投書が掲載されていた。そうだとすれば、朝日の報道はどう評価されるべきか。

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【朝日新聞研究Ⅳ-③】中韓が利用する「日独の歴史問題」比較 「虐日日本人」の存在
2015.02.19 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150219/dms1502191140007-n1.htm

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今年は戦後70年ということで、日本の歴史問題が話題になっている。日本の歴史問題は、東京裁判史観に源があるが、具体的な起源は1982年の「第1次教科書事件」である。

この時、まず日本のマスコミが「文部省が教科書検定で『侵略』を『進出』に書き換えさせた」という誤報を一斉に流した。これを受け、中韓両国が日本政府に抗議したのだが、当時の鈴木善幸政権は真実を貫こうとせず、中韓の不当な要求に屈服してしまった。

以後、一貫してこの「屈辱のメカニズム」で各種の歴史問題が発生し、日本政府はその都度、謝罪してきた。中韓は完全に味をしめ、何度も蒸し返して現在に至っているのである。

この間、日本を批判する理屈として、同じ敗戦国のドイツと比較する方法が考え出された。「ドイツは反省したが、日本は反省していない」という“神話”である。

朝日新聞は94年、歴史学者の栗屋憲太郎著『戦争責任・戦後責任 日本とドイツはどう違うか』(朝日選書)を出版した。また、西ドイツのシュミット元首相による「中国や韓国の対日不信の根源が、19世紀後半から20世紀前半にかけての日本の行動にあったことを学んでいない人もいる」(2006年12月5日朝刊)などの批判をたびたび掲載した。

こうなると、中韓もドイツカードを利用するようになる。中国側は南京事件をナチスのユダヤ人虐殺になぞらえ、韓国側に至っては慰安婦問題をホロコーストと同じだと言い出し、ニューヨークのタイムズ・スクウェアーに大広告を出した。

ところで、朝日新聞は今年1月19日と同月26日の夕刊で「歴史認識の根っこ-ドイツ編・上下」として、金沢大学の仲正昌樹教授が比較的客観的なことを語っている。

ドイツではヒトラーの第三帝国が解体したため、以前の国家体制はゼロとして、ナチスに責任を負わせることができたこと。また、ドイツはホロコーストの犠牲者への国家補償以外の戦時補償は行っていないこと-などが説明されている。そして、「一貫した歴史政策を積み重ねてきたドイツの『したたかさ』を学ぶべきだ」と結論づけている。

では、現実の歴史問題で、日本とドイツは何が違うのであろうか。

まず、相手国の態度が違う。ドイツの侵略を受けたヨーロッパの国々は、ごく最近、ギリシャの新首相が賠償を言い出したが、中韓のような非常識なことは言わない。

そして、何よりも国内事情が違う。日本の決定的不幸は、日本や日本人を貶めることによって、自分たちが正義の立場にいるように振る舞うような「虐日日本人」の広汎な存在である。

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【朝日新聞研究Ⅳ-④】投書欄「声」に掲載された「水鉄砲禁止教育」 選定の思惑
2015.02.20 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150220/dms1502200830008-n1.htm

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朝日新聞の2014年8月21日の投書欄「声」に、千葉県の71歳の税理士による「水鉄砲を買い与えなかった」と題する投書が掲載された。

「私には男の子が2人いる。私自身が子どもの頃は、おもちゃのピストルや水鉄砲、おもちゃの刀で遊んだものだ。しかし、私の子どもには一切このようなおもちゃを買い与えなかった。いずれも人を殺傷するものを模したおもちゃだったからだ」と、冒頭で書き記している。

戦後、GHQ(連合国総司令部)によって「軍国主義に結び付く」として、多くのものが禁止された。日の丸の掲揚は禁じられた。剣道も公然とできなくなり、「撓(しない)競技」の名称で行わざるを得なかった。歌舞伎では仇(あだ)討などの演目が、映画でもチャンバラ映画は禁止されたという。しかし、そのGHQも、さすがに水鉄砲までは禁止しなかったのではないか。

くしくも、この投書が載った同じ8月21日、朝日の教育欄には「震災遺児と笑顔に」「愛知の学生『でらえぇ友達になって応援』」という記事が掲載されていた。

愛知県の大学生が中心となって、東日本大震災で親を亡くした孤児を元気づけるために、毎年2回、子供たちと一緒に遊ぶイベントを続けている。その4回目が、8月9日から2泊3日の日程で、宮城県石巻市の十八成(くぐなり)浜で開かれたという記事だ。「でらえぇ」とは、名古屋弁で「とても良い」意味だという。

記事ではイベントを「夜行バスで13時間かけて名古屋から来た18人の大学生と高校生が子どもたちと遊ぶ。花火、東北弁でのラジオ体操、流しそうめん、水鉄砲…」と紹介していた。記事には写真が付いており、その説明には「チームに分かれて水鉄砲で遊ぶ参加者たち」とある。子供たちを喜ばすために、水鉄砲は実に有効に使われたわけである。

税理士の投書では、よく分からない部分がある。それは水鉄砲禁止教育によって、2人の子供がどう育ったかということだ。私に言わせると「あまりにも武器というものにこだわった極端な教育」で、素晴らしい平和主義者に育ったのかが、触れられていない。

そもそも、朝日の投書欄担当者は、どうしてこの投稿を取り上げたのだろうか。まさか、水鉄砲禁止教育を推奨しているとは思えない。投稿は後半で、安倍晋三首相の「集団的自衛権の行使容認」や「積極的平和主義」を厳しく批判している。担当者の内心が分かるような気がした。

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【朝日新聞研究Ⅳ-⑤】朝日コラムで特攻隊とテロを同一視 知られざる題字の意味
2015.02.22 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150222/dms1502220830005-n1.htm

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朝日新聞夕刊のミニコラム「素粒子」は1月13日、「少女に爆発物を巻き付けて自爆を強いる過激派の卑劣。70年前、特攻という人間爆弾に称賛を送った国があった」と書いた。

これに対し、産経新聞は同月29日、宮本雅史記者が「この記事を読んで言葉を失った。というより強い怒りがこみ上げてきた。特攻隊とテロを同一視しているからだ」「特攻隊は敗戦が濃厚になり、抜き差しならない環境の中で採用された究極の戦術だった。標的は軍事施設だけであり、決して無辜(むこ)の民は標的にしなかった。無差別攻撃を行うテロとは根本的に違う」「極限状態の中で愛する者たちを守りたいと強く願う気持ち、国の行く末を案じる気持ちが、行動の芯であり源だった」などと、厳しく批判している。

朝日は2014年10月23日朝刊で、戦後70年に向けた企画記事「特攻 戦局悪化の末に」を1ページの全体を使って報道している。それによると、航空機以外の特攻を含めて、全体の死者は5845人であるという。また、朝日自身も「社説でも称賛 戦意高揚図る」と、終戦までに300本以上の記事を掲載したことも記しているが、左下の隅に載っていて、あまり目立たない。

特攻は1944年10月25日、海軍の神風(しんぷう)特別攻撃隊が出撃して、開始された。この時の攻撃隊はまず4隊で編成され、それぞれに名称がつけられた。「敷島隊」「大和隊」「朝日隊」「山桜隊」である。

次いで、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての武将・楠正成にちなむ「菊水隊」が加えられたが、初めの4つは、ある有名な和歌を典拠としたものであった。それは本居宣長の「敷島の大和心を人問はば 朝日に匂ふ山桜花」である。日本のナショナリズム・大和魂の表現として、最も有名なものと言ってよい。

実は、朝日の題字(1面右上の新聞名を記した部分)は2種類ある。東京本社、北海道支社発行の背景は山桜で、大阪、西部、名古屋本社は難波の葦だ。山桜は前出の本居の和歌にちなんだもの(2009年1月25日朝刊)で、つまり朝日の題字はナショナリズムを表現したものともいえる。

13年4月5日夕刊の「素粒子」では、「日本を軍事国家にと石原慎太郎氏。もはや戦争に行かない特殊兵器」と石原氏をからかい、「いまどき敷島の大和心でもあるまい」と続けている。まさに題字真下の素粒子欄で、それを真っ向から揶揄するような意見を吐露しているともいえる。自爆ではないか。

クオリティーペーパーの正体など、こんなものだ。他人を攻撃する言葉が、自分自身に見事に当てはまるのに、それにはまったく無自覚な鈍感さ。日本のナショナリズムを危険視して皮肉るのなら、まず自社の題字を改めてはどうか。

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■酒井信彦(さかい・のぶひこ) 元東京大学教授。1943年、神奈川県生まれ。70年3月、東大大学院人文科学研究科修士課程修了。同年4月、東大史料編纂所に勤務し、「大日本史料」(11編・10編)の編纂に従事する一方、アジアの民族問題などを中心に研究する。2006年3月、定年退職。現在、新聞や月刊誌で記事やコラムを執筆する。著書に「虐日偽善に狂う朝日新聞」(日新報道)など。

 

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sakai-book01.jpg ← 酒井信彦 著『虐日偽善に狂う朝日新聞―偏見と差別の朝日的思考と精神構造』(日新報道 2013/08出版)


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