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「虐日日本人」を撲滅せよ

『月刊日本』2017年1月号 羅針盤 2016年12月22日

今日はまさに世界的混乱状態で、日本に直接的な影響を与えるだけでも、数々の問題が次々と出現している。天皇陛下の退位問題、アメリカ大統領トランプの登場、などなど。ただし日本人自身がシッカリしていれば別だが、それが全く逆で、本誌前回で指摘したように、日本人は国家意識・民族意識を骨抜きにされて、精神的奴隷になり果てている。

その起点は敗戦による東京裁判史観の洗脳教育にあるのだが、保守言論の人々は、それが戦後一貫して強固に続いてきたかのように説明する。しかしそれは私自身の体験から言っても明らかに間違いだ。

戦後、一部の左翼を除いて、かなり緩和されていた東京裁判史観的日本罪悪論は、1980年代以後の教科書事件で再開され、靖国問題・慰安婦問題と、中共・韓国の外圧を背景に深化していった。そしてその再構築の主役を務めたのは、根本的に日本人であり、彼らが歴史問題を発掘し告発すると、シナ人・朝鮮人が積極的に活用し、さらに欧米人まで利用するという形で、現在まで延々と続いている。

この日本人が歴史問題で日本を告発し、非難・攻撃する人々のことを、保守的言論界では「左翼」だと理解するようだが、私はこの点についても保守言論人ははっきりと間違っていると思う。これらの人々は自由民主党の最高幹部の中にも存在していた。宮澤喜一・加藤紘一・河野洋平といった人々である。彼らは教科書問題や慰安婦問題への対応で、取り返しのつかない政治的過ちを犯してしまった。また日本カトリック教団の最高幹部である司教協議会は、歴史問題で日本を貶める、虐日的な声明を幾度も発表している。

朝日などはこの保守に対す勢力のことは、しきりに「リベラル」と称する。リベラリズムとは自由主義をいうが、彼らこそ偽物のリベラルに過ぎない。彼らの正体は、明らかに偽善主義者である。他人を批判することによって、自己を正当化する偽善主義は、聖書にも述べられているように、どの時代どこにも存在する、きわめて普遍的なものである。

ただし日本人の偽善者の特徴は、日本そのもの、日本民族そのものを、批判攻撃の対象とすることである。そのために保守言論では、これを「自虐史観」と命名しているが、これは実態を正しく表現していない、間違ったネーミングである。もし「自虐」ならば、自分自身にそれなりの痛みを感ずるはずである。しかしそんなことはなく、彼らは「自虐」行為に熱狂している。つまり歴史を反省しない日本人を、告発・糾弾することが、無上の喜びとなっている。

これはきわめて異常なゆがんだ精神状況であるが、「ドメスティック・バイオレンス」の概念を導入すると簡単にわかる。ドメスティック・バイオレンスとは、ふつう「家庭内暴力」と訳される。親が子に、子が親に、物理的暴力あるいは言語的暴力を奮うことである。同じことが、国家や民族の規模においても起こっているのであって、歴史問題を口実に、「お前は反省が足りない」と、日本人が同じ日本人同胞を徹底的にいじめまくるわけである。自虐史観が正しくないのは、ドメスティック・バイオレンスが自虐でないことからあきらかであり、「虐日史観」とよぶべきである。

現在の日本人の狂った精神を支配しているイデオロギーは、偽善と虐日が結合した、「虐日偽善主義」と称すべきものである。このイデオロギーは、いわゆる左翼学者が基を生産し、朝日・岩波的言論機関が世の中に広め、さらにテレビによって大衆のレベルまでに浸透した。したがっていまだに侮れない影響力を保持している。これは自民族に対する偏見・差別・迫害であり、つまりまぎれもなくヘイトスピーチである。排外主義ならぬ、排内主義である。ただし日本に対して行なわれているために、外見上は反省しているように見えるわけである。これがシナ人・朝鮮人の排日主義と、ものの見事にシンクロする。シナ人・朝鮮人は、歴史問題を日本攻撃のための格好の得物として手にいれたわけである。慰安婦問題に明確なように、いったん手に入れたら絶対に手放さない。欧米人すら折に触れて日本牽制の道具とする。

すなわち、日本民族をいじめ・迫害することに熱狂する、虐日偽善に狂った「虐日日本人」こそ、民族の裏切り者であり、内部の真の敵である。きわめて愚かで卑劣な、日本の歴史上に出現した、最悪の人間類型である。この虐日日本人を撲滅しなければ、日本の未来はありえない。

 

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sakai-book01.jpg ← 酒井信彦 著『虐日偽善に狂う朝日新聞―偏見と差別の朝日的思考と精神構造』(日新報道 2013/08出版)


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