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チベット問題の決定権はダライ・ラマではなくチベット人にある

<"人権"はシナ人のチベット侵略を隠蔽する誤魔化しだ>

【欧米が否定するアジアの民族独立】
 またチベットで独立要求運動と、それに対する残虐無比な弾圧事件が発生した。大規模なものとしては八九年以来、約二十年振りである。今回もしきりに人権問題だと報道されているが、チベット問題の本質は、人権侵害問題などではなく、あくまでも民族独立問題であり、シナ人による侵略問題である。人権問題とすることは、この問題の根本的重大さを、ことさらに隠蔽するための誤魔化しだと言わざるを得ない。

 チベットは日本と同じくらい長い歴史を有し、その領土は中華人民共和国の四分の一、 二百三十万平方キロメートルに及んでいた。それが第二次大戦後の民族独立の時代に、シナ人によって侵略、併合されたのである。その後中共のチベット支配によって、人口の五分の一、百二十万人が命を落とし、殆どの文化財が破壊、略奪された。シナ人によるチベット支配が侵略で無いのなら、そもそもこの世に侵略など存在しない。

 民族自決、民族独立は世界史の基本的な潮流であり、第一次大戦後はヨーロッパで、 第二次大戦後はアジア、アフリカで多くの独立国が誕生した。そして一九九〇年代には、ロシア帝国の継承国家ソ連が民主化、解体しユーゴスラビアも解体して、ヨーロッパでは民族独立がさらに徹底した。したがって歴史の進歩から完全に取り残されているのは、東アジアである。中共や北朝鮮は共産主義政権のままだし、清帝国の再建である中華人民共和国は、多数の民族を支配している民族の牢獄が続いている。しかもシナ人の侵略行為が糾弾されるどころか、黙認されているのが実情である。アジアにおいて歴史は停滞しているというより、逆行していると言わなければならない。

【話し合いは解決ではなくチベット消滅の地ならし】
 その意味で、先進諸国の責任は極めて重い。先述したように、チベット問題を人権問題とすることは、本質の摩り替えであるが、欧米諸国の中共に対する人権問題での批判すら、近年ますます後退の一途を辿っている。

 八九年の天安門事件後の厳しい姿勢は、なし崩し的に緩和されてしまった。それは偏に中共の急速な経済成長のためであり、経済の前に正義が吹き飛んでいるのである。つまり日本は勿論だが、常日頃人権を振るかざす欧米諸国が、完全なエコノミック・アニマルになってしまっているのである。

 そのことは今回のチベットの事件でも如実に現れていた。その典型がアメリカである。アメリカは昨年のミャンマーの軍事政権反対デモの際は、大統領夫人まで動員して軍事政権を非難したが、チベットの場合は極端なまでに控えめで、ブッシュ大統領がこの事件について発言したのは、半月近く経ってからである。しかも大統領は五輪の開会式にまだ出席したいらしい。ポーランドの首相が世界に先駆けて開会式の欠席を明言したのは、同国がドイツ人とロシア人による侵略によって、第一次大戦後まで百年以上に亙る亡国の歴史を経験しているからであろう。

 それにしても、しきりに言われるチベット問題の解決のための対話とは、一体何なのだろうか。中共政権とチベット亡命政府の対話を指していることは間違いないが、そもそもこの両者の間にまともな対話が成立するわけが無い。巨大な暴力団と一庶民との間に対話が成り立たないのと同じことである。結局それはチベット側に、中共政権への一方的な屈服を求めているだけである。それによって問題が解決するのではなく、チベット問題自体を消滅させようとしているのである。
 
【チベット問題の決定権はダライ・ラマではなくチベット人にある】
 ただしチベット問題の本質が、侵略問題から人権問題に摩り替えられてしまったことには、チベット側にも大きな責任があることを指摘しておかねばならない。それは例のダライ・ラマの独立を放棄し対話を求める中道路線である。この「高度の自治」要求路線は、世界史の進歩の法則に照らしても、明白に間違っている。しかもチベットの民衆は、心の底から独立を求めている。ダライ・ラマ個人が、全チベット人の運命を決定してしまう権利はないし、ましてやウイグル人やモンゴル人の悲願にまで、甚大なダメージを与えるようなことをする権利は無い。ダライ・ラマは、この路線を直ちに改め、独立要求路線に復帰すべきである。

 したがってチベット問題を真に解決する方法は、シナ人が侵略を止めること以外にありえない。シナ人は不当に侵略した土地から出てゆかなければならない。面積一万平方キロメートルのコソボが独立できて、二百三十万平方キロメートルのチベットが独立できないのは、余りにも正義に反している。政治家が駄目ならば、全世界の普通の人々が声を上げて、シナ人の侵略を止めさせなければならない。そうしなければ明白な侵略が大手を振って罷り通る、暗黒の世の中になってしまう。

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