―真の「戦後レジームからの脱却」とは何か?―
講演者(酒井信彦)日本ナショナリズム研究所所長
日本ナショナリズム研究所講演会(平成19年10月24日)
目 次
はじめに
【一年で事態を明確にした安倍政権の結末】 P02
安倍退場で茫然自失する保守派主流
保守が激賞した曖昧路線の結果とは
曖昧路線の本質は変節という対米二重体制の確立
【米中癒着・野合の現実と米中対決の空想】 P04
米国の経済搾取を推進した人たちの無責任
米国の対日バッシングと対中優遇の極端
シナの人権蹂躙を意図的に無視する米国と白人キリスト教徒
世界の暴力団(シナ)と癒着・野合する世界の警察(米国)
シナ・中共と戦争できない米国の弱体
【二重隷属体制の先に待ち受ける日本の未来とは】 P10
完成しつつあるシナ人の人口侵略と保守派の無関心
衰退の米国経済代わるシナ人の経済侵略
シナが日本に軍事侵攻する「居留民保護」の現実性
シナ人が主張する日本併合の「合理的正当性」とは
日本人が自覚しない日本人のひ弱な民族性
【本当の「戦後レジームからの脱却」とは】 P15
「戦後レジーム」とは憲法ではなく安保体制である
米中が共同で駆使する東京裁判史観
※【米大統領演説(カンザスシティー)の日本関連部分】(要旨) P17
はじめに
今回のテーマは「米中二重隷属体制の確立 安部政権の歴史的意味」と言うことです。安部政権の一年間の歴史的な意味はどういうことなのか。安部さんは「戦後レジームの脱却」ということを言い、それが潰えたわけですが、本当の「戦後レジームの脱却」とは何なのか。安倍さんは何故失敗したのか。安部さんと私は、考え方が一致するところとかなり違うところがあります。そこで私の正直な考え方を述べさせて頂きたいと思います。安部さんの考え方と違うということは、保守派の主流の方々と私の考えが違うと言い換えてもいいと思います。
一番大切なのは大きな流れ、見通しであります。はっきり結論を言いますと「このままでは日本人は滅びる、民族的に滅びる」ということです。滅びる道を順調に歩んでいるということを申し上げたいのですが、こんなことを言う人は日本に殆どいません。何故そういうことを私は考えるかということを、なるべく分かり易く説明させて頂きたいと思います。
【一年で事態を明確にした安倍政権の結末】
安倍退場で茫然自失する保守派主流
まず最初に、「安倍政権の一年 事態の明確化」のところです。安部政権が出来て一年間続いたわけですが、日本を取り巻いている客観的な事態がかなり明確になったと考えます。それが日本で広く理解されているかというと、そんなことはないようです。しかし私としては非常に明確になって来ました。この一年の動向として、安倍首相による靖国参拝曖昧化、河野・村山談話の継承、中共・韓国訪問、温家宝の来日、アメリカ訪問、慰安婦問題の謝罪、参院選の惨敗と居座り、そして唐突の辞任とあっという間にこの一年が経ったわけです。また外部問題としては北朝鮮をめぐる六者協議の動向などがありました。これらの事実が日本にとってどういう意味を持っていたのか、冷静に回顧してみるべきだと思うのです。結果としてはまことに無残な結果に終わりました。安部さんは保守の希望の星だったことは確かですが、それがものの見事に失墜してしまいました。
靖国問題に限って言えば小泉さんが頑張ったわけですが、一点豪華主義というか結局は歴史問題では靖国問題しか言わなかった。それに比べると安部さんは歴史問題をもっと広く、日本の国家民族という視点で、拉致問題を中心に総理大臣になる以前から一生懸命やってこられた。その他いろいろの問題について、雑誌「諸君」等に熱心に語られていたし、本も出されていた。それに対して保守の人は熱い期待を寄せて、ブレーンと思われる人々もいらっしゃった。今はブレーンだった方が「私はブレーンではない」と頻りに否定されていますが、実質的にブレーンだったと考えてよいでしょう。朝日新聞は「五人組」というような言い方をしていました。例えば岡崎さん、中西さん、八木さん、西岡さんの名前があがっていたと思います。桜井よしこさんも入っているのかわかりませんが、五人組に限らずもっと広く保守の人達が安部さんの取り巻きになっていた。日本政策研究センターの伊藤哲夫さんが安倍応援団みたいなものを立ち上げる、教育問題でも新組織が作られた。
そういう応援団が沢山いて熱心に応援したのですが、安部さんが失墜してしまったのですから、その影響は客観的に言って極めて大きいと考えざるをえません。保守の運動に多大なダメージを与えた。これは残念ではありますが、そういう風に評価せざるを得ない。現在の保守の方達はいろいろ仰っていますが、簡単に言うと呆然自失の状態、あっけにとられているのが現状だろうと思います。そこで今までのことを客観的に回顧して、いろいろ反省すべきことはあると思うのですが、その後雑誌など読んでみても、殆ど客観的な反省は見受けられません。「この際、もう一回捲土重来だ」というようなことをおっしゃるのが見られますが、きちんとした回顧とか反省はなされていないと考えざるを得ません。そこで自分なりに安部政権一年を回顧して、何故こういう風になったのか、自分なりに真相究明をしていきたいと思います。
保守が激賞した曖昧路線の結果とは
そもそも考えてみますと、安部政権の成立そのものが、計画的な謀略的な側面もなくはないと思います。私は情報通ではありませんから、真相は良く分かりません。しかし安部さんの敗北の仕方、失墜の仕方は、客観的に表現して物の見事です。かなり計画的に考えて謀略を極めないと、あそこまでは見事にいかないのではないかと、漠然とした印象を持ちます。胴上げされてから落とされると、ダメージがとても大きくなります。一度胴上げしておいてぱっと手を離して落っことすと、自分の体重で全身にダメージを受けますから、拳骨で顔をなぐられるよりも、はるかに大きなダメージを受けるわけです。全体的な印象だとそういうことです。これは誰が計画したのかは分かりませんが、右の人々を巻き込んだ形で、明らかに謀略的なことがあったのかもしれません。右の方は実体を知らずにおやりになったのが殆どだと思いますけれど、一番象徴的なのは靖国神社の曖昧戦略です。曖昧戦略は結構早くから安部さんが考えていたのではないかと思われます。四月頃、花見の会の時に靖国神社に行っている。安部さんが総理大臣になるよりずっと前の話ですけれど、そこで靖国参拝を済ませておいたから、後一年間は行かないというように計画されていたとすると、安部さんが総理大臣になるより前から、そういうことが考えられていた。
またブレーンの人々が中華人民共和国にしばしば行ったということがありました。岡崎久彦さんは前から何度も訪中し、あるいは中共の軍人が日本にやって来て、討論会で意見を戦わせることをおやりになっていたようですが、それが実際問題日本にとってどれだけ役に立っているのか、はなはだ疑問に思います。八木さんが中華人民共和国に行って向こうの人と意見を交換して問題になったとか、それから西岡さんが拉致関係でおいでになったとか、そういうブレーンの人達を含めて、中共とこれからどういう風にやっていくかということを、安部さんが総理大臣になる前に色々折衝していたのではないかと思われます。その中で曖昧戦略が出てきたのではないでしょうか。曖昧戦略については、石平さんという在日シナ人の方が、「ボイス」という雑誌で安部さんの曖昧戦略を激賞したことがありました。温家宝を見事に手玉にとったと。安部さんの曖昧戦略によって中共は靖国問題をどうしようもなくなり、日本に対して何も出来ない、日本の外交的大勝利だといった。私は、それはとんでもない間違いだと思っていました。安部さんの一年というのは外交的には大敗北、見るも無残な結果になりました。
安倍外交の大失敗の結果、日本の対米中二重隷属体制が完成したのです。アメリカに対する隷属は皆さん良くご存じだと思うのですが、軍事的な隷属もあるし、東京裁判史観による精神的な隷属もあるし、近年においては経済的な隷属もあります。一方、シナ人による日本に対する精神的な侵略は、日中国交成立の一九七二年の共同声明に歴史問題が書き込まれ、つまり三十五年前から始まって、それが十年後の一九八二年に「侵略を進出に書き換えさせた」という全くのデマによって、第一次教科書事件が勃発するわけです。中共としては日中共同声明に歴史問題を書き込んでおいた。時限爆弾を仕掛けておいたようなものです。仕込んでおいたものを教科書事件の時に爆発させて、さらに四年後に靖国参拝問題に発展させます。八五年に中曽根さんが公式参拝をして、翌年から日本の総理大臣は参拝できないということになりました。さらに南京事件問題、慰安婦問題、毒ガス兵器の遺棄問題、七三一部隊問題であるとか、そういう戦争絡みの問題を繰り返し利用して、日本への精神的な侵略を推進してきた。その中で唯一小泉首相が靖国参拝問題で頑張った。シナ人の日本人に対する精神的侵略は、小泉さんの靖国参拝によって最後のところで踏みとどまっていたのです。首の皮一枚で繋がっていた。それが今回の安部さんの靖国曖昧化、それ以上の歴史問題の河野・村山談話の継承、慰安婦問題の謝罪などによって、シナ人による日本人に対する精神的侵略は完成したわけです。これから以後はシナ人が歴史問題を利用して日本を追求することは、全然無いとは言えないが余り無いと思います。これで大体目的は達成したのであり、多大な成功を納めたわけです。これからは再び友好ムードでODAを実質的に復活し、環境問題で日本の進んだ環境技術を巻き上げようと、文化活動などの友好路線を明確に打ち出してきたわけです。
曖昧路線の本質は変節という対米二重体制の確立
もう一つ精神侵略ということでは、慰安婦問題が一番象徴的ですけれども、アメリカによっても行われています。東京裁判史観、歴史問題を利用したアメリカによる日本の精神的侵略、これは東京裁判の時に成立したのですが、その後ある意味で基本的に緩んでいた。この二三十年、東京裁判史観を一番利用してきたのはシナ人であり朝鮮人でした。しかし最近の動向をみると、アメリカも東京裁判史観を絶対に手放さないことが明確になりました。歴史問題を利用した精神的に侵略という意味では、対中・対米の二重隷属体制が確立したと思います。何故そういうことになったかというと、歴史問題こそ安部さんが自分で打ち出した最大のセールスポイントだった。それを靖国問題では曖昧戦略をとって、戦略的な封印などと言いましたね。本音を封印と言いながら、河野・村山談話では継承すると、本音と全く逆のことをはっきり言ってしまいました。曖昧戦略を採るのであれば、河野・村山談話を継承するなどと言わない曖昧戦略をとれば良かったのです。それを明言してしまう。これでは封印でも曖昧路線でもありません。明らかな変節と言わなければなりません。総理大臣は最高責任者ですから、前言を簡単に翻すことは出来ません。中共にそういう態度をとるということは、根本的に屈服した言わざるを得ません。訪中、訪韓を総理大臣になった途端に行って、その前に手土産にするように、河野・村山談話を継承するということをやりました。本音の封印なんていうのはごまかし以外の何ものでもない。昔の軍隊が撤退を転進と言ったような、明白な言葉のごまかしです。安倍さんの失敗の原因の第一は、最初に曖昧路線以上の変節路線を採ってしまったことです。
アメリカによる慰安婦問題への批判は特に重要です。例の松井やよりさんは、「女性国際戦犯法廷」を大々的に世界に宣伝して、これだけ世界に広まる大成功をおさめました。慰安婦問題が何故重要なのかというと、その基本的発想が東京裁判史観よりも更に進化しているからです。もう七年近く前になりましたが、女性国際戦犯法廷が開催された当時、私は国民新聞で対談しましたが、そこで女性国際戦犯法廷の松井さんのような考え方を、「東京裁判不充分史観」という言葉で表現しました。言い方を変えると、「東京裁判でもまだ足りない史観」とも言えます。松井さんがあの茶番裁判劇をやった最大の目的は何だったのか。それは東京裁判で戦犯にならなかった昭和天皇を、戦犯にして有罪にすることだったのです。これが最大の目的だった。模擬裁判劇で正に昭和天皇に対して有罪という判決をしたわけです。つまり慰安婦問題を認めていると、昭和天皇戦犯論にまで結びつくわけです。アメリカはいまのところそこまで言っていませんが、松井さんの企みはそこあったわけです。
慰安婦問題はそもそも、とても分かりやすい問題です。慰安婦の人がやることは別に特別なことではありません。古今東西、世界中で昔からやっていることです。世界で一番古い女性の商売だと言われているくらいですから。それを殊更事実をねじまげ、日本の軍隊は女の人を虐待していたから謝罪せよという。そもそも慰安婦の人を虐待したら、本来の仕事をしてもらえないではないですか。それを日本人だけが残虐だとするのは、殊更でっち上げられた神話に決まっています。ところが少し考えればすぐに分かる簡単なウソが、世界中に広められてアメリカの議会で非難決議がされるに至った。現在、ワシントンには国会議員や高級官僚相手の高級売春婦が沢山いるということです。我々も反論するときはそういう矛盾・偽善を徹底的に突けばよいと思うのですが、残念ながらそういう反撃は出来ていません。
結局、安倍さんの失敗の第二の原因は、訪米にあったて慰安婦問題を持ち出してきた、アメリカにあったのだと思います。このアメリカについては、後にもっと詳しく説明することにしたいと思います。
【米中癒着・野合の現実と米中対決の空想】
米国の経済搾取を推進した人たちの無責任
第二番目は「米中結託・癒着野合、米中対決の嘘」の部分です。私は、今の世界の動向を規定している根本は、アメリカと中共の握手、すなわち米中結託だと思います。そして米中結託によって一番馬鹿を見ているのがわが日本なのです。それを①経済問題、②人権問題、③軍事問題及び歴史問題について説明させて頂きます。
私は経済問題にはあまり詳しくはありませんが、報道されている事実を幾つか押さえて自分なりに考えてみると、基本的な構図が見えてきます。経済問題においてアメリカが日本に対してどういう態度をとってきたのか。同じく経済問題においてアメリカが中共に対してどういう態度をとっているのか。この二つを比べてみると余りにも極端に違いすぎます。過去三十年近く日本に対してどんなことをしてきたかというと、日本の経済発展を、アンフェアなことをやった結果だと、極めて不当視してきました。さらにソ連が崩壊したら次の敵は日本だとすらいい始めました。経済的に成長してきたら危険だというわけです。具体的には、プラザ合意でドル安・円高に誘導するとか、八〇年代から日本に対して明らかな経済的敵視に基くあらゆる抗議をしたり、八九年~九〇年にかけて「日米経済協議」を押し付けてきたりしました。さらにその後は「年次改革要望書」を作って毎年日本に突きつけたりして、日本はどんどん経済を変えさせられ衰退させられたのです。絶好調だった経済をアメリカに人為的におかしくさせられた。日本人には、経済は経済的合理性に基づいて自然に動いていくのだと考える人が多いかもしれませんが、実は経済も政治によって完全に動かされているのです。特に日米経済関係は明らかにそうです。政治的・軍事的に強いものが、弱いものを屈服させて経済的に搾取していく。それがものの見事に成功した具体例が日米経済関係です。
やる方もやる方ですが、やられる方もやられる方だと言わなければなりません。アメリカがいくらそのようにやってきても、日本人自身がしっかりしていれば、ここまで駄目になることはありませんでした。八五年のプラザ合意から二十年以上になりますが、その間の経過を見ると、日本の政治家も官僚も学者もマスコミも、すべてが驚くほど無能でした。ただし一部の人は早くから気付いていて、そういう事態を警告する本を出しています。下村治さんという有名な経済学者がいて、池田内閣の高度経済成長の理論を作った人ですが、『日本は悪くない、悪いのはアメリカだ』(文芸春秋)という本を二十年前(昭和六二年・一九八七年)に出しています。飯田経夫という経済学者で名古屋大学の先生ですが、飯田氏の『「脱アメリカ」のすすめ―米国の言いなりは、もうやめよ』(PHP文庫)では、自説を主張すればするほど講演の依頼なども無くなったと文庫本(九九年)の前書きに書いています。正しい意見が流通するどころか、封じ込められ圧殺されてきたのです。神奈川大学の吉川元忠さんの『マネー敗戦』(文春新書・九八年)は割と評判になったと思いますが、このような考え方は、相変わらず基本的に黙殺されたままです。最近では森田実さんとか、副島隆彦さん等が本を出していてそれなりに売れてはいるようです。私も森田さん、副島さんの本を読んでみましたが、意見が違うところもかなりありますが、アメリカが日本に対してやっていることの説明には大きな間違いはないのではないかと思います。つまり日本にもそういう情報が全然無いわけではありません。しかいそういう情報がある程度あっても、社会に対する影響力が殆どないのが最大の問題です。
そして未だに日米経済関係の真実が明らかにされないまま、小泉改革があり現在に至っている。最近においては、郵政民営化法案が一時否決されたように、小泉改革に対する批判がありましたね。私も小泉経済改革に対する批判はありますが、小泉改革から急に日本が駄目になったとは全く考えません。この点は特に注意すべきです。小泉さんや経済学者出身の竹中さんは、結局最後の仕上げのところで、郵政民営化の部分を担当する役割だったのです。日本の経済改革、すなわち「日本経済駄目化計画」は、ずっと前から遂行されてきたことであって、小泉さんが急に始めたものではありません。小泉改革は一連の流れの一部でありまして、小泉さんだけ、郵政改革だけに焦点を当てて批判するのは全く納得がいきません。それは非常に片手落ちの議論だと思います。自民党の中に郵政民営化に反対した人が結構いましたね。だから参議院で一旦は否決されたわけです。離党した人、国民新党をつくった人達もいます。ただし郵政民営化の良し悪しだけを議論していてもだめなのです。日本の経済がここまでおかしくなったということは、ずっと以前からの一連の謀略の結果ですから、例えば平沼さん、亀井さんといった方達も自民党の有力者だったわけで、アメリカが日本に対して色々やってきたことに対して自分達はどうだったのか、自分達がその時に間違っていたとはっきり言うべきなのです。郵政問題に反対するのだったら、その点をはっきりさせて、国民に反省・謝罪しなければなりません。自分達は本当に間違っていました、全く分かりませんでしたと。それは自民党の政治家だけではなく、官僚もそうですし、学者もジャーナリストもそうです。アメリカが要求するグローバル化を容認してきた人々は、考え方を改めるのなら、反省・謝罪してから別のことを言うべきだと思うのですが、そういうことは全然なされておりません。
米国の対日バッシングと対中優遇の極端
では一方経済においてアメリカは中共に対してどういうことをやってきたか。日本の経済はむちゃくちゃに叩きましたけれども、私は中共の経済をアメリカが熱心に育てたと思います。中共自身であのような高度成長を続けることが出来るわけがありません。それをアメリカが黙認しているというより、一生懸命に協力した結果が現在の状況だと思います。現在、中共は膨大な貿易黒字をアメリカに対して持っております。これは過去に日本が対米貿易黒字があった時の、対日批判・攻撃と比べればまるで違います。あの頃の日本の貿易黒字に比べたら何倍もの貿易黒字を中共はアメリカに対して持っている。元の切り上げ要求がありますが、私は本気ではないと思います。ずっと口先の要求をしているだけであって、プラザ合意で日本を円高にしたようなことはやっていません。だから基本的に中共はアメリカと経済において完全に結託して、高度成長に突き進んでいるということです。中華人民共和国の対米貿易黒字は、〇六年の数字で一千四百四十二億六千万ドルになっている。今年の八月末の中華人民共和国の外貨準備は一兆四千億ドルで世界一です。日本も外貨準備だけはかなりあり、本年の九月末の数字ですけれど、九千四百五十六億ドルといった金額です。今のアメリカの財務長官はヘンリー・ポールソンという人でゴールドマンサックスの会長だった人です。この人は会長の時代から中共と非常に密接な関係の人で、九〇年代頃から今までに七十何回も訪中しているとのことです。いかに以前からアメリカと中共が経済的に密接な関係にあったか分かるでしょう。
経済問題については、もう少し詳しく補足しておきましょう。日本には未だ膨大な金融資産があることは紛れもない事実です。個人の貯蓄のほかにも、膨大な外貨準備高があります。先述したように、いろんな国が国家ファンドをやろうとしていますが、日本では国家ファンドをやる気配が全然ありません。世界第二の外貨準備を運用してお金を儲けて国民に役立てる意志が全くない。それではどこに金を使っているかというと、アメリカの国債を買ってひたすらアメリカに貢いでいる。そのお金は返ってくるでしょうか。私は絶対に返ってこないと思います。江戸時代には御用商人とか両替商がいて、武士にお金がなくなりましたから貸し出しました。それはものの見事に踏み倒されました。藩政改革とは何なのかというと、殖産興業などもありますが、基本的に借金踏み倒しなのです。特に島津藩の家老調所広郷が有名です。武力を持っていませんから、所詮商人は武士にかなわないのです。それと同じで、軍事的主権を喪失した日本は、唯々諾々とアメリカに貢ぎ続けて、ついには完全に踏み倒されるでしょう。
円キャリートレードと言って、日本の円がドルに化けたものが外国人の金として日本にかえってきて、日本の株とか土地を外国人に買い占められています。自分で自分の首を絞めているのです。自縄自縛という言葉がありますが、これは更に悲惨な「自縄自絞」です。日本には金を使うところは無いのかと言えば、使うべきところは沢山あります。年金も健康保険もおかしくなっている。公共投資もやっていいのです。安全で便利で美しい住環境の整備、インフラの整備において日本ははなはだ遅れているのです。中共は強権によって人民の権利を踏みにじって、極めて効率的にインフラ整備に邁進しています。阪神淡路地震から十年以上も経つのに首都圏の地震対策は進んでいません。首都圏の高速道路や歩道の整備、開かずの踏切の解消、混雑した鉄道の緩和など、やるべきことは幾らでもある。電線の地中化をすれば町はもっと美しくなるのです。
そういうところにお金を使わないでアメリカに貢いでいる。その結果は年間の自殺者が三万人、その内の一万人は平成十年から急に増えたものです。それから約十年、累計十万人の経済不況のための自殺者が出ています。アメリカとの経済戦争の戦死者です。日露戦争の戦死者八万四千人、ベトナム戦争のアメリカの戦死者の六万人をはるかに超えています。日本の政治家、官僚はそれを放置してきた。国民の生命・財産を全く守っていないのです。戦争では死んでいないかもしれませんが、経済戦争で殺されている。その真相が明らかにされないままに、今日に至っているのです。いわゆる左翼ですらアメリカの横暴に極めて鈍感です。長い間のアメリカの日本に対する経済攻撃に対して、政府や官僚が駄目だとしても、左翼の人々は元来反米なのですから、彼らこそ徹底的にアメリカを批判し告発すべきだったのです。つまり左翼の役割を全然果たしていないのです。
シナの人権蹂躙を意図的に無視する米国と白人キリスト教徒
では次にアメリカは中共の人権問題に対してどういう態度をとっているのか。はっきり言って極めて甘い態度をとって黙認しています。私は常々言っているのですが、中華人民共和国というのは人権侵害超大国です。人権侵害の質も世界最高だし、人口が多いから被害を受けている人間も多大です。拷問も凄まじい拷問をやっている。チベット人の証言を見れば直ぐ分かります。アメリカの国務省の報告では、中共の人権問題に取り組んでいると口先では言うのですが、真剣に取り組んでおりません。例えばクリントン大統領は非常に象徴的な存在です。クリントンは九三年の一月から大統領になりました。クリントン大統領は民主党で、民主党は共和党に比べて人権問題に厳しいと言われていました。現にクリントンは大統領選挙中には「中華人民共和国の人権問題」に対して大変厳しいことを言っていました。ところが大統領になったら、たちまち変節してしまいました。ただしこの点では共和党政権も基本的には同じです。日本ではよく共和党と民主党は違うと言いますが、私は同じだと思います。つまり大統領に民主党がなっても共和党がなっても、日本人が一喜一憂する必要はないのです。そうなるのは、日本人のいじらしいまでに単純なものの考え方からきていると思います。
人権問題と言えば、ミャンマー問題や北朝鮮問題があります。ミャンマー問題では最近になってブッシュ大統領は、夫人まで動員してミャンマーを盛んに批判していますが、結局のところこれも口先だけだと思います。ミャンマーの後ろには中共がついている。北朝鮮でも凄まじい人権侵害が行われているのに、六者協議で核も人権も曖昧なままで妥協を繰り返しているというのが実態です。国連でミャンマー問題について厳しいことを言っても中共が反対すれば腰砕けになってしまう。元々アメリカは中共がらみではどれだけ真面目にやるのか、私はアメリカを信じていません。北朝鮮のテロ支援国家指定を解除するということですが、拉致こそテロですから、支援国家ではなくてテロ国家です。
アメリカは、北朝鮮、イラン、イラクとか小物ばかりを追及してきましたが、本当の巨悪を追及していない。天安門事件も軍隊が民衆を撃ち殺すという、これ以上ないような人権問題なのですが、結局うやむやにされた。しかもその時、天皇陛下のご訪中(九二年)が積極的に利用されました。天安門事件の直後は貿易などもかなり制限されていたのですが、天皇陛下のご訪中で曖昧化して、九〇年代前半から中共の経済が急速に発展するのです。これは欧米、日本を含めて西側諸国が中共と非常に密接な経済関係を持つようになったからです。経済の為には人権問題を無視しているのです。欧米諸国は常々人権問題を振りかざして偉そうなことを言いますが、結局はエコノミックアニマルなのです。天安門事件の直後に日本が比較的早く中共と関係を修復したのですが、その時に欧米諸国は日本をエコノミックアニマルと非難しました。日本をその時非難した欧米諸国も、結局日本と同じことをやって人権問題には目をふさいで、経済的利益にのめり込んでいったのです。しかしこの欧米白人キリスト教徒の偽善性について、日本人は極めて鈍感です。
世界の暴力団(シナ)と癒着・野合する世界の警察(米国)
次は軍事問題・歴史問題にいきます。「警察官と暴力団の癒着・野合」のところです。アメリカは常々世界の警察官を自認しています。私は、中華人民共和国は世界の暴力団だと思うのですが、その警察官と暴力団は手を結んで結託しているわけです。警察官であるなら、アメリカはかなりの悪徳警官だと言わざるを得ません。アメリカは中華人民共和国と軍事的に対決するつもりがあるのかというと、米中戦争が始まるというようなことをさかんに言う人もいますが、私はアメリカと中共が戦争するとはとても思えません。その証拠にアメリカは米中経済関係において、中共の経済急成長を支援しました。急速な経済成長を積極的に容認しているわけです。そして中共の経済成長が軍備の拡大に直接結びついていることは、紛れもない事実です。その急速な経済成長に基づいて、近年の急速な軍拡をしている。これはアメリカも認めざるを得ない、簡単明瞭な事実でしょう。経済成長を支援しなければ軍拡は不可能です。経済をあれだけ発展させるから、中共は全体主義国家であり自由のない国ですから、独裁政権がいくらでも軍国主義路線を驀進することが出来るわけです。ということは、アメリカは中共の軍国主義路線の驀進を認めて、援助しているということです。日本はいくら経済成長したって軍国主義になりようがありません。日本の経済発展を抑制したアメリカが、中共の経済発展とそれに伴う軍拡路線を抑制しようとしないのです。ということは、アメリカは中共と戦争をするつもりはないと考えるしかありません。それくらい簡単なことが分からないほど、アメリカは馬鹿なのでしょうか。皆さんも自分の頭で考えてください。
さらに日本のODAの問題があります。よく言われるのはインフラ整備にも使われるが軍備にも転用されていることです。それは以前から平松茂雄さんも指摘されている。日本のODAによって中共の国力が増強され、軍備に転用されるのだったら、アメリカは日本にそれを禁じるはずでしょう。日本はアメリカの完全な属国なのですから、日本に命令して止めさせることは簡単です。そのアメリカの要請を日本が断って、中共にODAを無理にやっていると皆さん考えますか? そんなことはあり得ません。それだけの主体性は日本にはありません。ですから基本的にアメリカは中共とは対決しないと思います。
更に歴史問題と軍事問題が関わっている点で重要なのは、日本の歴史問題は過去の侵略が問題になっていることです。ところが中華人民共和国は現実の侵略国家です。シナ人は侵略現行犯民族です。それは世界の歴史を考えてみれば簡単に分かることで、単純明確な事実です。例えばヨーロッパにおいてはソ連が崩壊してその中の民族が独立しました。ユーゴスラビアも解体しましたし、チェコとスロバキアも分離しました。これは一九九〇年代のはじめの頃に起きたことです。ヨーロッパにおいてはさらに一層民族独立が進行したわけです。民族独立は世界史の基本的な流れです。第一次世界大戦の後、ヨーロッパでロシア帝国の一部が解体し、オーストリア帝国、ドイツ帝国が解体することによってヨーロッパの中央部分に一挙に八つの独立国が誕生しました。但し第一次世界大戦の時はヨーロッパだけが民族独立が進行して、アジア・アフリカにおいては民族自決・民族独立の原則は適用されませんでした。当時はまだ基本的に帝国主義時代で、イギリスやフランスは広大な植民地を持っていたから、民族独立させるわけがなかったのです。それが第二次世界大戦、とくにアジアにおける大東亜戦争の衝撃によって植民地体制が解体し、アジア・アフリカで広汎に民族独立が実現したわけです。それでもまだ残っていたところがソ連、東ヨーロッパでしたが、先述したように九〇年代はじめに多くの民族が独立を達成したわけです。
シナ・中共と戦争できない米国の弱体
ではその次に民族独立が行われなければならないのはどこでしょうか。それは明らかに中華人民共和国です。かつてのロシアを「民族の牢獄」と形容しましたが、現実の中華人民共和国はいろんな民族を支配下に治めている、現存する最大の民族の牢獄です。レーガン大統領はかつてのソ連を「悪の帝国」と言いました。ソ連が「悪の帝国」なら中華人民共和国も典型的な「悪の帝国」です。基本的に全く同じ性格・構造の国家です。共産主義という独裁政治で多数の民族を抑圧支配している。つまり現実の侵略国家であり、自由のない全体主義国家です。この不法な国家を打倒して、民族を解放し民主化をするのが世界の警察官の責務です。その責務をアメリカは全く果たそうとしていません。湾岸戦争を思い出して下さい。何故アメリカがイラクを攻撃したかというと、大儀名分としてはクエートをイラクが侵略したからです。クエートを解放するためにイラクに軍隊を出したわけです。ところが、アメリカはシナ人による現実の侵略を黙認しているのです。
さらに筋の通らない言語道断の話があります。一九四一年、大東亜戦争が始まる年に、そのきっかけとなった「ハルノート」というのがありました。アメリカのハル国務長官が日本に対し、シナだけでなく、「満州からも出て行け」と言いました。植民地が広汎に存在した帝国主義の時代に、あれだけ日本の「侵略」に対して厳しいことを言ったアメリカが、現在の中共の侵略現行犯を見逃している。これはダブルスタンダードなどというものではありません。今アメリカがやっていることは、何十年も前に日本がやったことを批判していながら、現在シナ人がやっていることを批判しないということですから、ダブルスタンダードをはるかに超越した、恐るべきデタラメだと言わなければなりません。
「日本が悪い」という言い方。これは歴史問題においても経済問題においても共通していることに、我々は特に注意すべきです。経済問題において「日本が悪い」と八〇年代頃からアメリカは言ってきたわけです。シナ人・朝鮮人が教科書問題について「日本が悪い」と明確に言い始めたのは八二年の第一次教科書事件からです。その頃は、アメリカは歴史問題については「日本は悪い」とは言っていませんでした。歴史問題においても経済問題においても、日本悪玉論ははっきり言って両方とも濡れ衣です。その濡れ衣に基づいて日本は悪者にされて叩かれて、本当の悪者は見逃されているということになります。先ほどアメリカと中共は戦う訳がないといいましたが、それは経済のある一つ問題からさらに簡単に分かります。中共は世界で最大の一兆四千億ドルの外貨準備があり、アメリカの国債をかなり買っています。これは日本も同じで、アメリカの国債を大量に買っています。ただし日本と中共で違うのは次のことです。日本は完全な対米従属国ですから考えられないのですが、中共の場合は国家として主体性を持っていますから、アメリカの国債を売り飛ばす可能性があるのです。それだけ巨額の国債をアメリカは中共に握られているから、それを大量に売り浴びせられると大変な経済危機になるのです。そういう経済関係の状態でアメリカは中共と戦争ができますか。難しく考える必要は全くありません。素直に単純に考えると真相が見えてきます。
【二重隷属体制の先に待ち受ける日本の未来とは】
完成しつつあるシナ人の人口侵略と保守派の無関心
第三は、「二重の隷属とその先、日本の未来」、のところです。その最初が「シナ人のさらなる侵略」です。安倍政権の成立と崩壊によって、現在二重の隷属体制が確立されたのですが、それでは更にその先、未来はどうなるのかと言うことです。シナ人による日本に対する侵略で、これから重点が置かれるのは何かというと、私は大体二つあると思います。一つは人口による侵略、もう一つは経済的侵略です。経済侵略は今まであまり述べたことはありませんが、人口侵略については前から色々論文を書いておりまして、「主権回復を目指す会」のホームページの論文集の中に、人口侵略に関する私の論文を幾つか載せています。ここでは詳しいことについて説明できませんので、更に関心のある方はそれを御覧ください。
まず人口侵略ですけれども、現在日本においてシナ人の人口が急増しています。表だって報道されないのですが、この数年急速な勢いでシナ人、旅行者ではなくて在留外国人としてのシナ人の人口が増えています。日本における外国人問題だと、韓国・朝鮮人の在日の問題がまず思い浮かびますが、それだけではなく、シナ人の問題が緊急の課題になっていると考えます。在日韓国・朝鮮人の数はこの十年くらい僅かずつですが減ってきています。法務省の「国籍別外国人登録者数の推移」という資料がインターネットで見られるのですが、法務省入国管理局の調査では、平成九年で韓国・朝鮮人の数は六十四万五千人となっていました。それが平成十八年には韓国・朝鮮人は五十九万八千二百十九人と明らかに減っています。但し今のところ第一位です。第二位は中華人民共和国で現在五十六万人になっています。つまり僅かな相違です。今年中には追い抜いている可能性が高いと思います。しかもその増え方は異常なもので、平成九年には二十五万二千人でしたが、八年程の間に倍増しています。この調子でいくと百万位簡単にいくでしょう。間もなく最大の在留外国人がシナ人になるのは間違いありません。その割に保守民族派の人々にすら、それに対する警戒心が殆ど見られないことに、私は非常に疑問を感じています。単に数の問題だけではなくて、外国人の地方参政権の問題があります。この問題に関しては、主として韓国・朝鮮人の在日の人のことばかり考えられていますが、シナ人の人口が増えればシナ人の永住外国人は増えます。さらに永住権は昔に比べると与えられやすくなっています。「激論ムック」という雑誌型の単行本で、『悪の帝国 中国大研究』というものが、十月末に出ますが、私に与えられたのは「移民という名の侵略に備えよ」という題で、短い文章ですが原稿用紙で九枚程のものを書いております。
永住外国人参政権問題に関連して重要なのは、それだけではありません。小渕内閣の時に「二十一世紀日本の構想懇談会」という懇談会があって報告書が出ています。その中に「移民を奨励する」という項目があり、「外国人留学生には自動的に永住権を与えるようにすべきだ」と書いてある。小渕さんが急死したのでこの提言は実現していませんが、例えばこの中に書いてある「案内板に英語の他に中国語、朝鮮語の文字を表記する」というのは実現しています。今後、「留学生に自動的に永住権」という案も実現する可能性が高いと思うのですが、重要なことは、日本に外国人留学生が盛んに来ていて、その六割位を占めて圧倒的多数が中国からの留学生だということです。自動的に永住権を与えていくとすると、シナ人の永住者はどんどん増えていく可能性が高いのです。
外国人留学生をこれからもっと急速に増やそうという計画は、安部内閣の時に安部さんが議長である政府の「アジアゲートウェイ戦略会議」というのがあって、今年の五月のことですが、日本の留学生総数は約十二万人で頭打ちになっているので、留学生を大幅に増やしたい、二十五年までに三倍にしたいということを安部さん自身が言っている。安部さんは保守的な民族的な考え方の持ち主だとされていますが、その主張にとって極めて重要なシナ人に対する警戒心は、持っていないのではないかと私は判断します。つまりすぐに実現するかどうか分かりませんが、今より急速に留学生を拡大する計画があります。問題はその人間の中味です。日本にやってくるシナ人がどういうメンタリティーを持っているのか。例えばフィリピン人のような人達とは違うわけです。反日、虐日教育を徹底的に受けた人々が来るのです。それが人口侵略の先兵になると私は確信します。
衰退の米国経済代わるシナ人の経済侵略
もう一つの経済侵略に入ります。これからはシナ人による日本に対する経済侵略が本格化すると思います。中共は急速に経済成長をしています。GDPで言うとドイツを追いこして間もなく世界三位になるだろうと思いますが、日本を追いこすのもそんなに先ではないでしょう。日本は反対にこの十数年停滞したままですが、中共は毎年一〇%程度の急成長を継続しているわけです。アメリカはすでに日本の経済をかなりの程度侵略していますが、中共も日本に対して経済侵略が出来るということです。今までは中共の方針としては、自国内に日本の経済力を引きずり込むという戦略をとってきました。昔の旧日本軍が大陸に引きずり込まれたのと似ていると思うのですが、日本の経済力をシナ亜大陸に引きずり込んで、日本の資本・技術・人材を徹底的に利用する方法です。そして今度は日本本土に積極的に乗り出してくると思います。その時に使われるのはアメリカが開発した手法である三角合併というやり方でしょう。先ごろ最初の三角合併が日興コーディアル証券に対してシティバンクが行った。この方法だと非常に日本の企業を買収しやすくなる。現金ではなくて株券の交換の形で買収出来る。何が問題かと言うと、日本の株価は非常に低いのです。一番高い時には四万円近くいっていたのですが、今は二万円にも達していません。それに対して中共の株の上昇の仕方は物凄くて、朝日新聞の九月一日の記事「上海株の独走、世界を尻目にハイペース上昇」で見ますと、「上海総合株価指数」というのがあるのですが、僅か二年で四倍以上値上がりしたというのです。今年の二月頃から九月はじめくらいで倍になっている。このように中共の株価は高くなっていますから、三角合併で日本の会社も合併しやすくなる。最近急に話題になってきた政府系ファンドというもので、民間のファンドではなくて、政府が巨大な軍資金をもって世界の企業を買収したり投資したりしてお金を儲ける。またの名を国家ファンド「SWF」と言って、国が潤沢な外貨準備に基づいて世界のいろんな所に投資する。朝日新聞では九月九日にも十月十四日にも記事が出ていますが、多いのはアラブ首長国連邦で五千億ドルから一兆ドル、サウジアラビア金融公社が三千二百億ドル、ノルウェー、シンガポールも多い。中共は世界一の外貨準備保有国で、一兆四千億ドルあるのですから、当然日本にもやってくるでしょう。以上が日本に対するシナ人の経済侵略の予測です。
次に「ご主人様の交代」のところに入ります。将来の見通しにおいて、日本の「ご主人様」がアメリカ人からシナ人に交代、バトンタッチされるということです。今後アメリカは必然的に衰退していくでしょう。現在のアメリカは経済的に言って、かなり無茶苦茶のことをしているわけです。双子の赤字といって巨大な貿易赤字と財政赤字を抱えていて、しかもそれがずっと続いている。日本は巨大な貿易黒字があるのですが、財政赤字の方は物凄い。これはアメリカによってつくられたものです。但しアメリカは日本の倍くらいの財政赤字があるようです。こんな巨大な赤字がある国は、経済がおかしくなるのは当たり前なのですが、おかしくならないのは何故かというと、主として日本やサウジアラビア等が支えているからです。アメリカ国債を大量に買って支えているのです。またドルが基軸通貨であるという特権的地位を利用して、ドルを刷り続けることによって、赤字を補填することができるのです。それが何時まで続くか分かりませんが、永久に続くわけがありませんから、経済的な破綻は必ず訪れます。アメリカは極めて人工的な国家ですから、一旦左前になると没落するのは割と早いのではないかという気がします。衰退すると世界から軍事的に退いていくわけで、そうするとアメリカは日本を守ってくれません。
シナが日本に軍事侵攻する「居留民保護」の現実性
そうでなくとも、アメリカが日本を守ってくれるかどうか、はなはだ疑問です。守らなくなる見事な前例があるのです。私が予測するのは、チベット、台湾、日本という順番です。一九七二年にアメリカ大統領ニクソンが訪中しましたが、訪中するまではアメリカはチベットを軍事援助していました。今では殆ど忘れられていますが、アメリカはチベットゲリラを訓練して、独立武装闘争を支援していたのです。日本の沖縄やガム島、コロラド州などでパラシュート降下等の訓練を受けたチベット人が、アメリカの軍用機に乗せられてチベットに行き、パラシュート降下してゲリラ活動をしていた。結構長い間支援していたのですが、ニクソン訪中の時に完全にチベットを切り捨てたのです。アメリカの裏切りです。台湾もアメリカは本当に守る気はないのではないか、見捨てるのではないかと思います。最近の動向をみると特にそういう感じが強くなってきました。チベットが辿り、台湾が辿ろうとしている運命が、日本にも及んでくると考えて、少しも不自然ではありません。日本人にそういう発想が全然ないのは、全く驚くべき呑気さだと思います。
具体的にアメリカの撤退とシナ人の軍事侵略がどのような形になるか、アメリカが出ていって、その時に日本をシナ人が軍事侵略する場合にどんな道筋があるのでしょうか。私も明確な予想はつきませんが、最も可能性として考えるのは、「居留民保護」を名目とする出兵ということです。日本におけるシナ人の人口が急速に増えていく、地方参政権、国政参政権、永住権を所有するシナ人が大量に居住する。また正式に日本国籍を持ったシナ系の日本人も増えていくでしょうが、そういう人々が本当に日本人になったという意識で生活してくれるのか、いつまでもシナ人根性を持ち続けないかが問題です。外国籍・日本籍を問わず、そういう人達が日本に対して不当・過大な要求を突きつけ、不満になったら大規模なデモを起こす。デモが暴動化する。その時に日本の政府が鎮圧をしようとしたら、「居留民の保護」を名目にして、シナ人の国家がシナ人の軍隊を日本に派遣するということは、充分に考えられることです。アメリカはそういうことを何回もやっていますし、かつての日本もそういうことをしていたことがあります。居留民保護をきっかけにシナ人の対日軍事的侵略が行われる可能性は極めて高いのです。その時、生粋の日本人でありながら、五星紅旗だかどうか分かりませんが、シナの国旗を振って大歓迎する日本人が結構出て来るのではないかと思います。精神的には既にそうなっている人々が、今の日本に沢山いますから、軍事的な侵略があった時にそれを歓迎する日本人がかなり多くいても、決しておかしくありません。
シナ人が主張する日本併合の「合理的正当性」とは
更にシナ人は、単に日本を軍事侵略するだけでなく明確に併合すると思います。つまり国家として日本をシナ国家に併合するに違いありません。その時に日本は国家として滅亡するわけです。日本はアメリカの五十一番目の州に成ってしまうと言う人がいますが、アメリカは日本を併合しません。併合するとしたらずっと以前にやっています。しかしシナ人は日本を侵略併合する意志があります。シナ人が世界に覇権を唱えるためには、太平洋を支配する必要があります。太平洋を支配するためには、日本列島を手に入れることが絶対に必要です。そしてそれを安定的に維持するには、アメリカのように軍事基地を置くだけでなく、シナ国家の中に併合してしまうことが、一番確実です。
日本の国家を併合する時にどういうことをやるかというと、例えばアメリカがハワイを併合した時には議会で決議したようです。合法的併合です。特に注意しなければならないのは、シナ人は侵略を正当化する論理・哲学をすでに持っていることです。それを「中華民族主義」、より正確には「シナ侵略主義」というのです。中共の民族概念は二重構造になっていて、シナ人は勿論、チベット人、ウイグル人、朝鮮人等の民族は下位の民族概念であり、それらの個々の民族全体をひっくるめて、「中華民族」と言う上位の民族概念があるのです。それぞれの民族であるけれども、中華民族・中国民族・中国人として一つの民族でもある訳です。したがってチベット人もウイグル人も朝鮮人も、公的には中国人なのです。日本人はこの極めて重要な事実に、驚くほど無知です。シナ人はこの「中華民族」主義を、日本を併合する時に絶対に使うでしょう。日本人も中華民族の一つの「少数民族」にするわけです。中共ではシナ人以外の民族は総て少数民族と言います。十億のシナ人に比べたら少ないですから、日本人が一億人いても少数民族です。
これが侵略を正当化する仕掛け、カラクリです。チベットも「中華民族」の概念を使うことによって侵略を正当化されたわけです。ただ軍事的に侵略するだけでなくて、チベット人は中華民族の一員だからチベット人の土地は中国の一部なのだという言い方になるのです。そうすると日本人は中華民族の一部なのだから、日本という土地も中国の一部だという論理が成り立つわけです。常識的にはまさかと考える人が多いかもしれませんが、私はそうではないと思うのです。昭和五十八年十二月十一日の毎日新聞に、「日本人が大和族として中国の少数民族の一つとして認定された」という記事が出たことがあります。中国農耕民主党の中央委員候補に選ばれた元日本人の山内和子さんという人が、昭和五十八年当時中共にいたようです。中共では共産党独裁では格好が悪いというので、共産党以外にもカモフラージュの為に幾つか政党を作ってあります。その中の中国農耕民主党の中央委員候補に山内和子さんが選ばれた時に、民族名として「大和族」が「人民日報」に使われたのだそうです。但しこれは本当ではなかったようです。公式に中華人民共和国の少数民族の中に大和族はありません。但しこれからどうなるかは分かりません。
もう一つ、文明史家の安田喜憲さんという方がいらっしゃって沢山本を書いていますが、『龍の文明・太陽の文明』(PHP新書)という本があります。北京に「中華世紀壇」という施設があります。中華人民共和国の五十六の民族が団結していることを象徴する建築物として、二十一世紀になったときに造ったものです。そこにそれぞれの民族を象徴するレリーフが五十六枚ある。安田さんが述べていますが、更にその次に五十七番目の壁があって、何故か空白になっていた。同行した「中国」の友人が笑いながら冗談混じりに言った。「先生、ここにはいずれ倭族が入るのですね。それでいいじゃないですか」と言ったというのです。(一六六頁)「大和族」ですらありません。「倭族」です。これがシナ人の本音中の本音です。
日本人が自覚しない日本人のひ弱な民族性
かくして日本は国家的な滅亡に至ることになります。ただし国家は滅亡しても民族そのものは続くということはあるわけです。ポーランドは一八〇〇年代の後半にドイツ人とロシア人によって、三度にわたって侵略され、国家として滅亡しましたが、第一次大戦後に独立を回復しました。回復できたのは、国家は滅びたけれど民族としては滅びていなかったからです。しかし長期にわたってシナ人の大量の人口侵略を受けると、民族そのものが消滅してしまう例が多くあります。シナの歴史をみれば吸収・同化されて消滅した民族は極めて沢山あるからです。はっきり言うと、これこそ本当の意味での民族虐殺なのです。ナチスドイツによるユダヤ人に対するガス室を使った民族虐殺と違って、シナ人のやり方はシナ人という人間を使い、それに同化・吸収して異民族を無くなってしまうという型式の民族虐殺です。だからエスニック・ジェノサイト、ホロコーストと言っても間違いではありません。つまり日本もシナ人に侵略され国家として滅亡し、更に日本民族そのものが消滅させられるかもしれないのです。
こう言うとまさか日本人ともあろう優秀な民族が、そこまでシナ人にやられないだろう、民族そのものまでが無くなるようなことはあるわけがない、と考える人が多いかもしれません。しかし私はそういう風には考えません。日本人は民族性がひ弱で、民族意識が元々弱いのではないかと思うからです。島国に隔離されていて、他の民族と深刻な殺し合いの体験が殆どありません。しかも最近アメリカと大戦争をして完敗してしまった。明治維新以後はかなり調子が良く、アメリカに対して大戦争を戦った。そのところだけを見ると日本人はいかにも強い民族意識があるように見えますが、苦労していない民族は本当の苦境に立った時に弱いのではないか。だから完敗したあと精神的に一挙に弱くなってしまったのではないかと思います。
ブレジンスキーという人が日本は「精神的なひ弱な花だ」と言ったのですが、例えばアメリカの日系人をみても民族意識は明らかに強くない。アメリカの日系人の中ではかなりの有名人で、『歴史の終わり』というベストセラーを書いたフランシス・フクヤマという日系二世がいますが、彼は日本語がまるで出来ない。両親も最高のインテリなのですが、家庭で日本語を話さないから、日本語をまるで知らないそうです。そういう人が出てくるほど、日本人は民族意識が強くないのです。それに対してシナ人や朝鮮人で向こうの国籍をとった人達は、元々の民族意識を保持して活動している。アイリス・チャン等は民族意識を捨てていない。それに対して日本人のマイク・本田はどうですか。日本人の誇りを捨てて、日本人を貶めるようなことに地道をあげている。ただし日本の中でも、生粋の日本人で反日に精を出すことをやっている人が沢山いるのですから、不思議でないと言えますが。
【本当の「戦後レジームからの脱却」とは】
「戦後レジーム」とは憲法ではなく安保体制である
第四番目の「本当の戦後レジームからの脱却」というところに入ります。安部さんのことを先ほどいろいろと批判しました。けれども安倍政権において、安部さんなりの功績・遺産は明らかにあったと思います。それは「戦後レジームからの脱却」ということを、兎にも角にも、自分の言葉として明言したということです。朝日新聞によると所信表明演説では「戦後レジームからの脱却」は既に封印したようですが、一番はじめに言ったのは、総理大臣になる前の官房長官時代の九月一日に、政権公約の記者会見をやった時でした。その中で「戦後レジームからの脱却」を明言したようです。新聞によると、正確には「戦後レジームからの新たな船出」と言った。脱却と表現していなかったのかもしれませんが、安部さんが言ったということは動かし難い事実であり、極めて重大なことです。但し首相とそのブレーンを含めた保守派の人達が、「戦後レジーム」という言葉をどこまで正確に理解していたか、私は甚だ疑問に思っています。「戦後レジーム」とブレーンの人達がおっしゃっているのは、基本的に日本国憲法だという風に理解していると思われます。しかしそれは違うのではないでしょうか。憲法を改正したくらいでは「戦後レジーム」から脱却できないというのが、私の基本的な考え方です。そこのところを首相及び殆どの保守派の人達は勘違いしており、根本的な矛盾に気がついていないのではないでしょうか。
私は「戦後レジーム」の一番の中核、中核の中の中核は、憲法ではなくて安保体制だと考えます。戦後の日本を一番強く規定しているのは憲法だと頻りに言われますが、憲法にそれだけ力があるのでしょうか。逆に言えば、憲法を改正したら日本人がまともに立ち直れるのでしょうか。日本が滅亡しないために本当に立ち直るためには何が必要なのか。それはアメリカから真の独立をするより他に方法はない。すなわち軍事的主権を回復することです。そのためには安保条約を否定し、廃止しなければならない。そうしなければ精神の再建はありえない。憲法を改正したくらいでは日本は立ち直らないと私は確信します。我々は、「主権回復を目指す会」を組織していますが、主権の回復には軍事的主権も当然含まれます。軍事的主権を回復しなければ、どうしようも無いのです。現在の日本人にとって、安保条約をなくすのは恐くて仕方ないのでしょう。あまりにもぬるま湯に浸かり過ぎたために出ることが出来ない。余りにもアメリカにおんぶに抱っこを続けているから、自分の足で立つことが出来なくなってしまった。足が退化してしまった。しかし勇気をふるって自立するしかない。それが安部さんの一年の動向を見ることによって、極めて明確になったのではないか。安部さんが靖国参拝問題を曖昧化し、村山談話・河野談話を継承してシナ人に屈服したのも、アメリカの意向を受けたものに違いないと思います。そして戦後レジームからの脱却を明言したことにより、アメリカに引導を渡され、とどめを刺されたのでしょう。だから辞めざるを得なかったのです。すなわち安倍政権が失敗した根本原因は、アメリカの本質に余りにも無知だったからです。
米中が共同で駆使する東京裁判史観
要するに、歴史問題と経済問題によって、日本はアメリカと中共、アメリカ人とシナ人に、完全に隷属する体制が確立したのです。今まで歴史問題は中共が、経済問題はアメリカが主として利用して来ましたが、これからはあらゆる問題を利用して、両国が共同で日本を抑圧支配して行くでしょう。近年特に明確になったことは、アメリカが東京裁判史観を絶対に手放さないという事実です。それは慰安婦をめぐる議会決議にも表れていましたが、一番良く分かるのは、今年の八月二十二日にブッシュ大統領がカンザスシティーで行った演説です(巻末注)。そこで大統領はイラク政策を正当化するために、戦前の日本に全く民主主義は存在しなかったと、決め付けています。日本には明治憲法以来議会制度があり、普通選挙さえ行われていた事実は、全く無視されています。これこそがゴリゴリの東京裁判史観に他なりません。さすがにアメリカは、東京裁判史観の本家本元です。アメリカから自立しない限り、東京裁判史観の克服など、絶対にできません。
しかしそれにしても、日本のやられ方はまことに無様そのものです。過去を反省しろと日本を脅迫するシナ人が、現在残忍極まる侵略をやり続けている、侵略現行犯民族そのものなのですから。しかもそれを、世界の警察官を自認するアメリカが全く容認しているのですから。客観的に見れば、これほど滑稽で、馬鹿馬鹿しく愚かしいことは、世界中を探しても無いのではないでしょうか。
最後にレジュメの末尾に記した、「天皇を頂く白痴民族・白痴国家」の意味を説明しましょう。日本は天皇陛下を頂いているのですが、現在の日本の惨状はどうしたことでしょうか。民族意識、つまり大和魂を完全に喪失して、精神が全く白痴化された、白痴民族であり白痴国家だと言わざるを得ません。いくら男系男子の天皇陛下がいらっしゃっても、日本人の精神状態が今のようではどうしようもありません。安部さんは日本を美しい国にしたかったようです。しかし日本はすでに美しい国になっていると私は思います。それはどういう意味でしょうか。「白痴美」という言葉がありますね。私は今の日本は完全なる「白痴美国家」だと思います。だからすでに立派に美しい国になっている。「白痴美国家・日本」。これを本日の講演の締めくくりの言葉とします。
※【米大統領演説(カンザスシティー)の日本関連部分】(要旨)
ある晴れた朝、何千人もの米国人が奇襲で殺され、世界規模の戦争へと駆り立てられた。その敵は自由を嫌い、米国や西欧諸国への怒りを心に抱き、大量殺人を生み出す自爆攻撃に走った。
アルカイダや9・11テロではない。パールハーバーを攻撃した1940年代の大日本帝国の軍隊の話だ。最終的に米国は勝者となった。極東の戦争とテロとの戦いには多くの差異があるが、核心にはイデオロギーをめぐる争いがある。 日本の軍国主義者、朝鮮やベトナムの共産主義者は、人類のあり方への無慈悲な考えに突き動かされていた。イデオロギーを他者に強いるのを防ごうと立ちはだかった米国民を殺害した。
第2次大戦に着手した時、極東の民主主義国は二つしかなかった。オーストラリアとニュージーランドだ。日本の文化は民主主義とは両立しないと言われた。日本人自身も民主化するとは思っていなかった。 結局、日本の女性は参政権を得た。日本の防衛大臣は女性だ。先月の参院選では女性の当選が過去最高になった。
国家宗教の神道が狂信的すぎ、天皇に根ざしていることから、民主化は成功しないという批判があった。だが、日本は宗教、文化的伝統を保ちつつ、世界最高の自由社会の一つとなった。日本は米国の敵から、最も強力な同盟国に変わった。
我々は中東でも同じことができる。イラクで我々と戦う暴力的なイスラム過激派は、ナチスや大日本帝国や旧ソ連と同じように彼らの大義を確信している。彼らは同じ運命をたどることになる。 民主主義の兵器庫にある最強の武器は、創造主によって人間の心に書き込まれた自由を求める欲求だ。我々の理想に忠実であり続ける限り、我々はイラクとアフガニスタンの過激主義者を打ち負かすだろう。 【朝日新聞 2007.8.24】
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