Home > 侵略問題 > | 月刊日本 羅針盤 > 侵略こそ最悪のテロ

侵略こそ最悪のテロ

『月刊日本』2009年8月号 羅針盤

 中共のいわゆる新疆ウイグル自治区、正しくは東トルキスタンで、独立運動がまた勃発した。日本のマスコミの殆どは、これを暴動といっているが、朝日新聞は騒乱と表現しており、これは朝日の抜け目の無さをよく表している。騒乱の根本原因は、シナ人が他人の土地を非道に侵略しているからであり、侵略されている側が独立を獲得するために立ち上がるのは、歴史から見て至極当然のことである。

 トルキスタンと呼ばれるのは、トルコ系のイスラム教徒の居住地だからであり、東トルキスタンが清帝国に併合されたのが十八世紀、西トルキスタンがロシア帝国に併合されたのが十九世紀である。辛亥革命後、東トルキスタンには中華民国の支配は及ばなかったが、中華人民共和国の成立によって、民族独立の時代の真っ只中に侵略併合されてしまった。西トルキスタンは、ロシア帝国を継承したソ連によって支配されていたが、約二十年前、ソ連の解体によって五カ国が独立を遂げた。したがって東トルキスタンが独立できないのは、世界の歴史の流れから言って、完全に間違っているのである。
 ソ連の解体に直面し、それが自国に影響することを恐れた中共の支配者は、巧妙な対応策を考え出した。それが九六年四月に成立させた上海ファイヴという国際組織である。この組織は、中共が主導し、自国内に幾多の独立問題を抱えるロシアを誘い、とくに旧ソ連の西トルキスタン三カ国(カザフスタン・キルギス・タジキスタン)を取り込んで発足した。この三カ国は、新疆ウイグル自治区と直接境を接しているからである。さらに五年後の〇一年六月、ウズベキスタンを加えて、上海協力機構となり、現在ではオブザーバーながら、モンゴル・インド・パキスタン・イランも加わっている。そしてテロ対策と称して、共同して軍事演習も行っている。
 それにしても真にだらしないのは、西トルキスタン諸国の人間である。同じ伝統・文化を共有する兄弟民族として、積極的に東トルキスタンの独立を支援しなければならないのに、逆に侵略者・シナ人に加担して、独立運動を弾圧する側に回っているのである。だらし無いといえば世界のイスラム教徒もだらしが無い。東トルキスタンはパレスチナに劣らず、世界で最もイスラム教徒が迫害されている地域である。しかし世界のイスラム教徒が、ウイグル人を応援しているという話は、寡聞にして聞いたことがない。イスラム連帯の大義はどこにいったのか。
 しかし東トルキスタン問題において、最も責任のあるのは、先進諸国特にアメリカである。上海協力機構が成立してから、約半年後の〇一年九月十一日、アメリカで例の同時多発テロ事件が発生した。直後の十月、上海でのAPEC首脳会議の折、ブッシュと江沢民は会談して、テロ対策における協調を確認した。余りにも手際の良すぎる話である。以後、アメリカはテロ撲滅の大義名分の下に、ウイグル独立運動の団体をテロ組織に認定し、多くのウイグル人をグアンタナモ基地に連行するなど、侵略者シナ人を喜ばせることばかりやってきた。このアメリカのやり方は、チベット問題にも実に大きなダメージを与えたと、チベットの人々も言っている。
 アメリカが頻りに言う、世界の直面する最大の問題はテロの撲滅だとの主張は、完全なマヤカシである。約二十年前のソ連の民主化・解体による、いわゆる冷戦体制の崩壊後、残された最大の課題は、誰が考えても、アジアにおける巨大な悪の帝国、中華人民共和国の民主化・解体に決まっている。しかしアメリカはその課題から逃げてしまった。アジアで東西対立が消滅したのは、中共が変わらないのにアメリカの方が変わったからである。しかし全く疑問の余地無く、中共は現実の侵略国家であり、シナ人は現実の侵略民族であり続けている。テロが悪だというなら、侵略こそ最高・最大のテロである。七十年近く前、日本にハルノートを突きつけたアメリカは、二十一世紀の今日、シナ人による残虐極まりない侵略現行犯には目をつぶっている。これほどのデタラメがあるだろうか。
 アメリカと中共は、経済においてだけ結託しているわけではない。アメリカは世界の警察官としての責務を、完全に放棄してしまっている。警察官というなら、中共という世界の巨大暴力団と手を握った悪徳警官である。西部劇なら、ならず者と癒着した悪徳保安官である。かくして現在の世界は、正義が無茶苦茶に踏みにじられる暗黒の世の中になった。殆どの日本人はこんなことは分からないし、それ以前に考えようともしない。理解している人間もいるに違いないが、アメリカと中共に遠慮して黙っている。今の日本はまさに、米中共同の精神的植民地だと言って良い。
 問題は要するに、こんな状態で日本は今後どうなってしまうかである。アメリカは、ニクソン訪中でチベットを裏切り、クリントン訪中の際の三つのノーで、台湾をシナ人に売り飛ばした。日本をシナ人に売り渡しても、全然おかしくはないのである。悪徳警官を信用するのは、大馬鹿者である。アメリカは日本を併合しなかったが、シナ人は必ず併合するだろう。日本の国家としての滅亡である。日本は歴史上国家の滅亡を経験したことは無いが、世界の歴史ではいくらでもあることである。現在、シナ人のチベット・東トルキスタンへの侵略を黙認している世界が、それを阻止してくれるはずが無い。
 シナ人の侵略の特徴は、侵略を完璧なものにするために、その原住民族を人口圧力で消滅させることにある。それは現実に中共国内で日々実践されている。すなわち日本民族そのものの消滅である。こんな簡単明瞭な可能性を予想できないのは、戦後一貫して軍事的主権を喪失したままで、日本人が自分の国は自分で守るという、独立国家として当然の気概を忘れ去っているからである。日本民族を滅亡させたくなかったら、安保体制を廃棄し、軍事的主権も回復して、真に独立するしかない。

人気ブログランキングへ ←多くの皆さんに知ってもらうためにもクリックをお願いします。

関連エントリー

Home > 侵略問題 > | 月刊日本 羅針盤 > 侵略こそ最悪のテロ

検索
Nationalism_botをフォローしましょう

Twitterをお楽しみの方は、
Followしてください。

リンク集
フィード購読リンク
QRコード
 
QR_Code.jpg

このブログを携帯でご覧になれます

ページのトップに戻る