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中共の侵略行為を容認する米国

『月刊日本』2014年1月号 羅針盤 2014年1月22日

二〇一三年の年末、ロシアのボルゴグラードと中共のウイグル「自治区」でテロ事件が続発した。ともに民族独立のための行動である。テロとは戦争と同じく人間の歴史と共に存在するものであるから、絶対になくなることはありえない。近代においても孫文などシナの革命派は、清朝を打倒するために、何度もテロ事件を起こしたし、私はアメリカの歴史については殆ど無知であるが、独立の際にはイギリス軍に対して盛んにテロ活動を行ったことであろう。ユダヤ人もイスラエル建国に当たっては、苛烈なテロ活動を展開したと聞いたことがある。

ところが例の9.11アメリカの同時多発テロからは、テロが巨大な犯罪行為であり、その撲滅こそが世界的に実現すべき最大の課題であるかのような、宣伝が行われてきた。アメリカはテロをこの世からなくすために、アフガニスタンおよびイラクに攻め込んだが、テロがなくなることはなく、イラクでは現在も盛んに起きているのは、まことに皮肉である。この事実は大量破壊兵器が存在しなかったことと共に、イラク問題に関して明確に認識されなければならないことなのに、曖昧にされたままである。

世界の歴史の流れを客観的に見るとき、歴史の進歩とは一体何であろうか。近代史の展開においては、民主化と民族独立である。第二次世界大戦後の世界には、この民主化と民族独立に違反する、二つの大国が存在した。それはソ連と中華人民共和国という、共産主義の多民族国家である。ソ連はロシア帝国がそのまま共産主義化したものであり、中共はその成立に当たって、清帝国を再建したものである。世界的な植民地体制は崩壊したが、共産主義の美名に隠れて、古典的な帝国主義による、侵略国家が存続したのである。

アメリカのレーガン大統領は、ソ連を悪の帝国と呼んで、その打倒を主張し、ソ連は約二十年前に崩壊した。それにより曲がりなりにも民主化を実現し、帝国は解体して多くの民族が独立を遂げた。だとすれば、アメリカが次にしなければならなかったのは、ソ連と全く同体質の国家である、中共の民主化と解体でなければならなかったはずである。まして中共は民族浄化・ジェノサイドをやりまくつているのだから、ソ連よりさらに悪質な「極悪帝国」である。しかしアメリカは中共打倒に取り組まなかった。全く反対に中共の経済を急速に成長させて、その必然の結果である中共の軍事大国化を易々と容認した。

また先に述べたように、唯一の超大国になったにも拘わらず、世界の解決すべき課題を、中共の妥当ではなく、テロの撲滅にすり替えてしまった。しかもウイグルの独立運動をテロに認定するなど、中共やロシアの独立運動弾圧に協力した。これらこそ近年のアメリカが犯した、世界歴史に対する巨大な犯罪・裏切り行為に他ならない。その結果、そもそも侵略国家である中共は、「中華民族の復興」を唱えて、さらなる侵略に乗り出した。尖閣諸島を「核心的利益」と主張したことは、日本の領土に対する明白な侵略宣言である。

アメリカの中共に対する対応は、一般社会で言えば、警察が暴力団と結託・癒着しているのと同じである。つまりアメリカは警官であるなら悪徳警官と言ってよい。しかも最近ではアメリカ自身が、世界の警察官をやっていられないと言い出した。ではその膨大な軍事力は一体何のために存在すのだろうか。日本の安倍首相の靖国参拝にイチャモンをつけるアメリカが、中共の公然たる侵略現行犯行為を容認しているのだから、これほどふざけた話は無い。

要するに現在のアメリカには、侵略国家・中共を打倒撲滅して、世界に正義を実現する意思は全くない。したがって中共の侵略行為から、日本を防衛してくれるはずもない。日本は自分自身で日本を守り抜く以外にないのである。しかし日本の現状は、これだけ中共による我が国に対する侵略行為が明確になっているにも拘わらず、安倍首相が一方的に緊張を高めているかのような、完全に倒錯した言説が横行している。朝日新聞の投書欄「声」は、その種の意見のオンパレードであり、それは日本の最有力紙・朝日新聞の社論に他ならない。

戦争が出来る国でなければ、侵略国家からの侵略を防ぐことはできない。いやになるほど簡単明瞭な真理である。それが分からないような白痴民族であるならば、侵略国家の最高のカモとなって、哀れに亡んで行く運命が待っているだけだ。



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sakai-book01.jpg ← 酒井信彦 著『虐日偽善に狂う朝日新聞―偏見と差別の朝日的思考と精神構造』(日新報道 2013/08出版)


 

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