『国民新聞』19149号
民主党が推進しようとしている諸政策の亡国的性格を、歴史の流れの中に位置づけて考えて見ることにしよう。私は今から四年前、本紙の平成十七年十一月二十五日号に、「シナ人による日本侵略の三段階論」と題する論稿を書いたことがある。その三段階とは、第一段階・精神侵略、第二段階・人口侵略、第三段階・軍事侵略の三段階である。
まず精神侵略はいわゆる歴史問題として展開された。歴史問題の根源は東京裁判に発するのだが、それを再構築したのはシナ人である。一九七二年の日中国交成立時の日中共同声明に歴史問題を盛り込んでおいて、十年後の第一次教科書事件で爆発させた。近隣諸国条項ができ、教育主権が侵害されるようになった。以後数々の問題で対日攻勢を続行し、九十年代には河野談話・村山談話を獲得した。唯一つ小泉首相が頑張っていた靖国参拝問題も、安倍首相以後は全く不可能となり、ここにシナ人の対日精神侵略は完成した。
次は人口侵略でありさらに軍事侵略であるが、チベットや東トルキスタンの場合と日本とでは、両者の順序が逆になると考えればよいだろう。チベットなどでは、中共成立時にまず軍事的な侵略があって、さらにその侵略を確実なものにするために、シナ人の大量移住すなわち人口侵略が進められている。日本については、周辺地域へは軍事的触手は伸ばして行くだろうが、日本本土に対する侵略行動は人口侵略が基本となり、最終的な仕上げとして軍事侵略があると想定される。ふつう軍事的侵略のことを直接侵略と言うが、人口侵略は軍事力を使わない直接侵略なのである。現在は人口侵略の段階にあり、これは日米安保条約によっても防ぐことはできない。しかしこの我が国の安全保障に対する重大な脅威に対して、現在の日本人は驚くほど鈍感である。
日本における外国人問題とは、結局シナ人問題なのである。その明確な証拠は、一昨年の末の時点でシナ人が在日外国人の最大勢力になった事実である。従来はいわゆる在日の韓国・朝鮮人であったが、その数は減少傾向にあり、十年も経たずに倍になるほど急増したシナ人が、これを追い抜いたのである。シナ人の日本社会への浸透振りは、本年の二月からほぼ毎月二三回に亘って朝日新聞に掲載される、大型特集記事「在日華人」に詳しく述べられている。朝日の記事であるから、この現象を肯定的に報じているが、さすがにシナ人犯罪にも言及せざるを得なくなっている(十月、第7部「犯罪底流」)。
民主党が掲げる諸政策は、まさにこのシナ人の人口侵略に見事に適合し、それをわざわざ積極的に呼び込むものである。マニフェストでは隠したが、民主党首脳がこぞって賛成している外国人参政権、鳩山首相が積極的に打ち出した東アジア共同体の構想、野党時代から熱心な帰化人の国会議員登用など、すべてはその具体例である。そして何よりも、選挙前に首相自身が言った、「日本列島は日本人だけのものではない」と言う表明が、最も明らかな証明である。我が国の国際貢献の思想は、ついに日本列島そのものを外国人に献上するまでになったのだ。ただしこのような動向は、すでに自民党政権時代から、顕著に存在していたことを見逃すべきではない。東アジア共同体の熱心な提唱者は、中曽根元首相であり、一千万人移民受け入れ計画を打ち出したのは、中川秀直元自民党幹事長であった。
現在ヨーロッパでも外国人の移民が問題化しているが、これら諸国と我が国とでは状況が大きく異なっている。日本の外国人問題・移民問題の本質を理解するためには、シナ人の対日人口侵略という観点が絶対に必要である。日本人にこの根本的認識が欠如したままであれば、日本の未来ははっきり言ってまことに暗い。
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