- 2010年2月 8日 00:37
- 時評
まして今の民主党政権は、官僚の上に立つことを、最大のセールスポイントにしているのであるから、検察に屈服することは絶対に出来なかったはずである。そこで千葉景子法務大臣が指揮権を発動する以前に、検察に対してさまざまな圧力を加えていたことは間違いない無いだろう。前回の小沢秘書逮捕では、国策捜査だと批難した人間が、権力を握れば臆面も無く、国策不起訴を行うのである。
ただしこれだけ騒がれた問題では、簡単に捻りつぶすわけにはいかず、検察にもそれなりに活躍の見せ場を与えなければならない。それがあれだけの大量報道になったのであろう。したがって今回の小沢騒動は、政治家と検察の闘争などでは全く無く、ある程度筋書きが決められた、茶番劇であったに違いない。茶番劇を騒ぐだけ騒いでおいて、あっけなく落着させてしまう。世に言うところの「ガス抜き」である。
ところで私が今回の小沢騒動で最も興味を持ったところは、検察にたいする批判が噴出したことである。それは検察による起訴を経験した人物のみならず、マスコミにもかなり顕著に見られた。その検察批判に熱心だったのは、朝日系メディアなど、いわゆる左翼的なマスコミが多かったようだ。検察の権力は弱者に対しては強いかもしれないが、本物の政治権力に対して敵うはずがない。闇将軍・田中角栄が逮捕されてしまったのは、時の総理大臣が三木武夫であり、更にその上にアメリカの意向があったからである。
今まで多くの事件において、マスコミは常に警察や検察の立場に立って報道していた。しかもそれは警察や検察のリーク情報によっていたのではないのか。しかし今回は検察を公然と批判し、情報リークを糾弾したのである。それによって懸命に、小沢擁護にまわった。これは極めて奇怪な現象だと、言わなければならない。
要するに検察を批判した人間やマスコミは、権力の亡者である最高権力者・小沢一郎に、媚びへつらい擦り寄っているのである。それは決して、外国人参政権など亡国法案を成立させるため、といった目的意識に基づくものではないだろう。口先で立派なことを言う人間やマスコミほど、本物の権力に対して極めて弱いのだ。対アメリカ占領軍しかり。対中共政権しかりである。すでに政権交代後、自民党時代と異なって、マスコミの権力への擦り寄り現象が見られるが、今後この傾向は、一層顕著になってゆくであろう。
もう一つ興味深いことは、アメリカが絡んできたことである。小沢の不起訴が公表される直前の2月2日、アメリカのキャンベル国務次官補が、わざわざ国会の民主党幹事長室に小沢を訪問して会談した。その内容は非公開であるが、普天間移設問題であることは間違いない。アメリカは無能鳩山を見限って、移設問題において完全に小沢に頼ることにしたのである。辺野古周辺に土地を買い込んだ小沢のことだから、結局なんだかんだ言っても、辺野古移設で落着させるのだろう。とすれば、田中角栄の場合とはちょうど逆に、小沢不起訴については、更にアメリカのバックアップがあったと考えるべきである。
それにしても、前回、大久保秘書が逮捕・起訴された時に、小沢は民主党の代表を辞めた。今回、秘書二人と元秘書の議員まで逮捕・起訴されたのに、小沢は幹事長に居座ると言う。全く筋に通らない話である。にもかかわらず、それが当たり前のように受け取られている。ハッキリ言って、もう何もかもデタラメ・滅茶苦茶なのである。こんな国は遠からず滅びるに違いないが、検察を頼りにしても駄目だということだけは、今回明確になったのではないか。
- 次の記事: 超ミニスカートで破壊される女子生徒の貞操観念
- 前の記事: 民族主義者を自称する民族の裏切り者・中曽根康弘