Home > 時評 > 捕鯨批判では誤魔化せないオーストラリアの巨大すぎる原罪

捕鯨批判では誤魔化せないオーストラリアの巨大すぎる原罪

  • Posted by: 中の人
  • 2010年2月28日 12:26
  • 時評
 環境テロリスト、シーシェパードが日本の調査捕鯨を攻撃し続け、重大な被害まで出ている。驚くべきことには、オーストラリアやニュージーランドが、その違法活動を実質的に支援するだけでなく、国際司法裁判所へ訴えるとまで言い出している。

 これにはさすがに、オーストラリアの有力紙「オーストラリアン」が社説で、日本との関係を重視すべきだと、ラッド首相の姿勢を厳しく批判した。(2月23日、産経)また世界的な著名紙である「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」は、コラムでこれを採り上げ批難しているが、その論点がなかなか興味深い。それは鯨の命が大切だから、わずかな調査捕鯨もやってはいけないと主張するオーストラリア自身が、農作物や牧草を守るためと称して、一年間に300万頭以上の野生のカンガルーを殺しているのだという。(2月25日、産経)オーストラリアの主張の、甚だしい矛盾・偽善を鋭く突いているわけである。
 これはカンガルーの命の話であるが、実はオーストラリアには、動物どころか人間の命を大量に奪ってきた、まことに「輝かしい」歴史があるのである。それは言うまでも無く、オーストラリアの原住民アボリジニーに対する、膨大な虐殺によって生み出された、巨大な原罪というべきものである。オーストラリアの歴史に関する、最も手軽な書物として、山川出版社の「新版・世界各国史」のシリーズの中の、「オセアニア史」(2000年8月発行)を見てみることにしよう。
 オーストラリア大陸は、他の地域と隔絶された世界であったために、カンガルーやコアラなど特異な動物が存在する。人間も同様にアボリジニーと呼ばれるようになった、かなり原始的な生活を営む人々が住んでいた。そこに1788年というから、世界史ではフランス革命の前年、日本史では松平定信の寛政の改革が開始された翌年に、イギリスによる移民が始まった。それはアボリジニーにとって、巨大な悲劇の始まりだった。
 「オセアニア史」の79ページから80ページにかけて、次のように記されている。なおこの本では、アボリジニーには差別的なニュアンスが強いとのことで、「アボリジナル」と表現している。
 「十九世紀のなかばまでに、タスマニア島の先住民はほぼ全滅し、ヴィクトリアとニューサウスウェールズのアボリジナルの人口は、一〇分の一以下になった。さらに、十九世紀の末には、アボリジナルは死にゆく人種のレッテルを貼られるようになる。入植が始まった当初、約五〇万から一〇〇万人いた人口は、一九二〇年ころには約七万人にまで減少した。しかし、先住民は滅亡しなかった。その後、人口は徐々に回復し、一九九六年には総人口の約二%、約三五万人になった。」
 つまり数十年の間で、人口が全滅したり、十分の一になってしまったわけである。原住民が全滅したタスマニア島については、明石書店の「世界差別問題叢書 5 増補 アボリジニー」(1993年3月発行)に詳しい説明がある。タスマニアへの植民はオーストリア本土より遅れて、1803年に始まった。その頃3000から7000いたと思われるアボリジニーの人口は、1830年頃には約300にまで減少した。驚くほどのスピードである。そうなったのは、白人は自己の利益のために、アボリジニーを積極的に殺したからである。
 42ページには、「入植者が用いたアボリジニー虐殺の手段は、数多くあった。銃を用いてアボリジニーを『動物の狩猟』のように撃ち殺したり、毒殺を用いることもあった。また、組織的なアボリジニー襲撃隊も編成された。アボリジニー虐殺の一番極端な例は、ジェノサイド、つまり皆殺しであった」とある。その結果、1876年、最後の生存者である女性のトルガニニが死亡して、タスマニア原住民は絶滅した。
 要するに、オーストラリア・ニュージーランドによる、日本の調査捕鯨批判は、我が国に対する悪質な偏見・差別・迫害に他ならない。そこには自分自身の巨大すぎる原罪を、少しでも誤魔化したいという心理が働いているに違いない。その意味でシナ人による、歴史問題を利用した日本攻撃と全く同一である。ただしシナ人の場合は、民族絶滅の現行犯であるが。したがって捕鯨批判は、紛れも無く日本人に対する精神テロであり精神侵略である。
 2月19日の産経新聞社説によると、民主党は商業捕鯨の再開を政策に掲げているという。にもかかわらず、鳩山白痴政権には全く戦う姿勢が見られない。マスコミを始めとして、社会一般も基本的に同じ状況である。日本民族はタスマニア原住民と違って、生物的には存続しているかもしれないが、精神的にはすでに滅亡しているのではないのか。

人気ブログランキングへ ←多くの皆さんに知ってもらうためにもクリックをお願いします。

Home > 時評 > 捕鯨批判では誤魔化せないオーストラリアの巨大すぎる原罪

検索
Nationalism_botをフォローしましょう

Twitterをお楽しみの方は、
Followしてください。

リンク集
フィード購読リンク
QRコード
 
QR_Code.jpg

このブログを携帯でご覧になれます

ページのトップに戻る