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中共による日本人死刑囚まとめて処刑の目的

  • Posted by: 中の人
  • 2010年4月 4日 14:48
  • 時評
 三月三十日、麻薬密輸の罪により中共で死刑判決を受けている赤松光信なる日本人が、間もなく死刑を執行されることが明らかになった。直後の四月二日には、同様の罪で死刑判決を受けている、武田輝夫・鵜飼博徳・森勝男の三人の日本人にも、死刑が執行されることが明らかになった。前日に、遼寧省の外事弁公室から瀋陽の日本領事館に、七日後に執行すると伝えられたと言う。これは最初の一人の執行が伝えられた段階で、日本政府が強い抗議を行わなかったからである。

 麻薬密輸の罪はそれなりに重いことは確かだが、どれだけ正確に捜査が行われ、公正な裁判が行われたのか、はなはだ疑問である。中共では死刑者の数字を公表していないが、年間に数千人だと推定されている。まさに死刑超大国である。日本でも足利事件の冤罪が明らかになったばかりである。裁判において、どんなデタラメなことが行われているか、想像に難くない。
 もし判決が正当だとしても、日本の政府には出来るだけ日本人の生命を守る義務がある。それが国家というものである。しかし施政方針演説で「命を守りたい」と絶叫した鳩山首相は、最初の執行予定が伝えられたときに、残念だと言っただけであった。昨年末、イギリス人が同じ罪で死刑が執行された場合には、イギリス政府は猛然と抗議を行った。その日本政府の腑抜け振り・弱腰振りを見て、中共政府は即座に、更に三人の執行を決定した。つまり日本人の精神を徹底して屈服させるのが真の狙いである。
 これだけやられても民主党政権は、卑屈に迄に弱腰で、四月三日の朝日新聞に拠れば、「日本人への死刑執行に関して、日本政府の対応は抑制的だ。岡田克也外相は程永華・駐日中国大使を呼んで懸念を伝えたが、執行中止は求めなかった」という。自己の責任を放棄して日本の死刑を行わない、確信犯的死刑廃止論者である千葉景子法務大臣は、中共の法制度のことであるとしてノーコメント。法務省幹部は、「他国の刑事司法手続きに、こちらが意見することは内政干渉であり、できない」という。中共の企みは、ものの見事に成功した。
 政府の弱腰振りは論外だが、この件に関するマスコミの報道も変である。テレビの報道は余り熱心に見ていないが、報道そのものが少なく、殆ど問題としての関心が無いらしい。新聞はそれなりに報道しているが、中共のやり方とそれへの日本政府の対応に、奇妙に理解を示す傾向が見られる。中共の走狗である朝日は言うまでも無いが、そのような論調は産経も見受けられた。
 例えば、中共では麻薬が蔓延しているから、更にはアヘン戦争の歴史があるから、麻薬犯罪を厳罰にするのだと説明しているが、別に麻薬犯罪だけを厳罰にしているわけではない。また日本が抗議できないのは、日本にも死刑制度があるからで、死刑を廃止したイギリスとは違うのだと解説する。しかし日本で死刑になっているのは、人間を何人も殺したような人間だけで、実質的には存在しないのと変わらない。いくら人口が多いと言っても、年間数千人を死刑にする、世界の中で飛びぬけた死刑超大国とは全く異なる。要するに中共おける命の値段の異常な安さこそが、根本問題なのであるが、それは言わない。
 日本の死刑廃止論者は、日本の僅かな死刑に抗議しながら、中共の膨大な死刑に全く沈黙してきた。これは日本人の命は大切だが、中共国民の命はどうでも良いと言っているのと同じである。今度の問題で明らかになった事態は、更に進んで、中共による死刑であるなら、日本人の命も大切ではない、という白痴的な表明に他ならない。死刑廃止論者を何人も抱える、民主党内閣がそれを行った。当人たちは気付いていないだろうが、死刑廃止論は完全に破産した。そして日本人のシナ人に対する精神的な隷属も、より一層深まった。

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