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あっと言う間に消えて無くなった米中対立

  • Posted by: 中の人
  • 2010年5月10日 18:50
  • 時評

20100510.jpg 今から僅かに二三ヶ月以前、つまり2月・3月の頃には、しきりに米中の対立ということが言われた。例えば、2月6日の産経新聞の一面トップの記事には、リードに「協調路線を掲げるオバマ政権の下で静穏に推移してきた米中関係が、にわかに緊張を増してきた。両国は今や、気候変動、グーグル、台湾・チベット、人民元、イランの5つの戦線で角突き合わせ出している。対立は国益を超え、理念の領域にまで広がっており、激化しそうな雲行きだ」と述べている。 確かにダライ・ラマは2月18日にオバマ大統領と会見したし、グーグルは3月22日に中共から撤退した。台湾への武器売却も行われるのだろう。しかしそれによって、米中の対立が激化したなどということは、現在全く起っていない。気候変動問題については良く分からないが、米議会が熱心だった為替操作国認定も先送りされたし、イラン問題でも協調しようとしている。私は従来から、米中は結託していると考えていたから、別に不思議とも何とも思わないが、米中対立をしきりに強調していた人々の、現在における見解を聞いてみたいものである。

 そのことよりも、私の関心を一番引いたのは、対立を乗り越えて協調を演出する、そのやり口である。結局、今回の米中協調劇の舞台は、4月12・13日の、ワシントンにおける核安保サミットであった。核テロなど、核物質の拡散による脅威に、諸国が連帯して対処するという大義名分のもとに、アメリカの主導により、今年から開催されることになった国際会議である。今回は43各国が参加し、我が国からは鳩山首相が出席した。
 すなわち鳩山首相がオバマ大統領との個別会談ができず、夕食会で隣席して僅か10分間話したと話題になった会議である。このとき中共の胡錦濤主席は、オバマ大統領と正式な個別会談を一時間半に渡って行い、アメリカのマスコミは、鳩山を敗者、胡錦濤を勝者と評価して見せた。しかしこの会議の勝者を胡錦濤とすることは、最初から決まっていて、鳩山首相はそれを一層際だたせるための、ピエロとして使われたのである。つまり対立を乗り越えて協調する米中関係を演出する場として、核安保サミットは準備されていたのであり、そもそも米中対立なるものはそのための前提として、意図的に盛り上げられたものではないのかと思われる。とにかく、4月12日のオバマ・胡会談の瞬間から、米中対立はあっという間に消えて無くなった。
 実はテロ対策を口実に、米中が関係をふかめるという例は、以前にもあった。2001年の9.11テロによって、アメリカは、解決すべき世界の課題はテロ撲滅だとし、その延長で中共の東トルキスタンの独立運動を、テロ活動だと認定した。それによって、中共はウイグル人の独立運動を、公然と弾圧することができるようになった。今回は、さらに実態の不明確な核テロを持ち出して、その対策を口実に、対立を雲散霧消させたのである。
 それにしても、いくら愚かな総理大臣とは言え、外務官僚はもう少しは鳩山首相を支えることができなかったのだろうか。総理大臣の外交的敗北は、個人的敗北ではなく、日本国としての敗北なのである。それができないとしたら、政治家だけでなく官僚自体も大いに劣化していると言わなければならない。
 また、いくら愚かな総理大臣とは言え、アメリカの鳩山首相に対する処遇は余りにも冷たかった。これには、民主党支持者だけでなく、左から右まで、日本国民であるなら腹を立てるべきである。アメリカ政府の処遇も、アメリカマスコミの評価も、結局は日本を侮蔑しているからである。アメリカに盲従しているだけでは、以前から私が主張しているように、アメリカによってシナ人に、日本そのものが売り飛ばされてしまうだろう。

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