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代替フロン報道の奇々怪々

  • Posted by: 中の人
  • 2010年5月31日 22:44
  • 時評
100531.jpg 少し前になるが、5月18日の日本経済新聞と、5月20日の毎日新聞に、代替フロンの問題が報じられている。国立環境研究所などの調査によって、代替フロンを発生させている国別の割合が、初めて分かり、17日に公表されたと言うものである。
 代替フロンとは、オゾン層を破壊すると言って、以前しきりに批判されたフロン(これを「特定フロン」と言うようだ)に代わって、冷媒などに使われるようになった物質なのだが、これが二酸化炭素以上に地球の温暖化を促進するとして、すでに京都議定書で削減の対象になっているらしい。毎日新聞によると、代替フロンの一種であるHFC(ハイドロフルオロカーボン)23は、二酸化炭素の1万4800倍の温室効果があり、PFC(パーフルオロカーボン)318は、約1万倍の温室効果があるのだそうである。

 この調査・分析は、日経では「ソウル大学、北京大学などと共同で実施。日中韓の合計4ケ所で空気成分を解析して含有量を算出した。そのデータと濃度分布の予測図に整合性を持たせ、日中韓、北朝鮮、台湾の5地域の排出量を求めた」とある。毎日は少し違って、中韓の名は出てこず、ノルウェー大気研究所が参加しており、「研究チームは日中韓の4地点で代替フロン類の濃度変化を観測するとともに、既存の排出データなどを含め東アジアでの08年排出量を推定した」とある。
 その結果は、日経では「東アジア全体に占める中国の割合は代替フロンで67~93%と突出していた」とあるが、67から93と幅があるのは、代替フロンにもいろいろな種類があるからである。HFC23については、「中国は東アジアで93%、世界全体でも50%以上をそれぞれ占めていた」とある。毎日は、中共はHFC23が世界の51.7%、PFC318が70.3%であり、「他の大半の代替フロン類も中国由来が世界の2~4割、東アジアの5~9割を占めた」としている。
 すなわち、中共が世界で特に東アジアにおいて、圧倒的な代替フロン排出大国であることが、明白に成った。代替フロンのHFCやPFCは、温暖化防止のための京都議定書で、削減対象になっている。しかし圧倒的な排出大国である中共は、途上国とされるので削減義務はない。まことにふざけ切った話である。二酸化炭素による地球温暖化が問題にされながら、絶対量はともかく、二酸化炭素より1万倍以上も温室効果を持つという代替フロンの最大排出国が、野放し状態であるのである。
 ところで、この代替フロンの情報は、日経と毎日に出てくるが、他の新聞には見当たらない。私が調査した限りであるが、朝日にも読売にも産経にも出てこない。地球温暖化を恐れて、日本中がエコだエコだと大騒ぎしているのもかかわらず、地球温暖化に関するこれだけの重大情報を、全く報道しない報道機関が存在するのである。その理由は、中共に遠慮しているのか、報道する価値を認めないのか、完全なうっかりなのか、定かではないが、極めて奇妙であることだけは確かである。

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