- 2010年7月26日 17:35
- 月刊日本 羅針盤
『月刊日本』2010年8月号 羅針盤 2010年7月23日
私は以前から、シナ人による日本侵略の三段階論を唱えている。すなわち、精神侵略・人口侵略・軍事侵略の三段階であって、現在は精神侵略が完成して、人口侵略の段階が進行中であると判断している。そのシナ人の人口侵略の実態を詳細に報告している、新聞の長期連載記事が存在していることは、あまり注目されていないようである。それは朝日新聞に、昨年の二月から今年の六月まで、途中欠けている月もあるが、毎月二から四回、断続的に大型記事が掲載された、「在日華人」と題するシリーズである。そのなかで、日本におけるシナ人の活動が、実にさまざまのテーマの元に取り上げられており、そのテーマを漢字四文字、すなわち四文字熟語風に表現して各部の標題とし、各部が月ごとに掲載されたわけである。全体は、第一部の「最大勢力」から第十四部の「探索未来」まであり、共生社会に大賛成の朝日のことであるから、シナ人の流入に基本的に肯定的な記述である。ただし、さすがにそれだけでは済まず、シナ人による犯罪にも言及していて、第七部と第九部で「犯罪底流」と題して述べられているが、これは客観的に言って力作であると評価できる。
ところで、内容もさることながら、この「在日華人」なるシリーズで、私が最も疑問を感じたのは、「在日華人」と言う概念そのものについてである。シリーズ連載最初の二〇〇九年二月十日の記事の中の「キーワード」欄で、「華人」について、次のように説明している。「華人 広く中国文化を引き継ぐ中国系、台湾系の人々を指す。今回の連載でも、この意味で使い、現地国籍の有無は問わない。現地で国籍を取得した人を「華人」、中国籍のままの人を「華僑」と区別することもある。在日台湾人社会では、『自分は台湾人であり、華人ではない』という人も多い」。ここでは一応、台湾の人の中には華人とされるのを認めない人々が存在することは触れられている。しかし今年三月に掲載された第十一部は、「台湾脈脈」と題されているように、台湾人を完璧に華人と認定している。
台湾より更に重大な疑念があるのが、今年二月の第十部・「鼓動潮流」で取り上げられている、中共の朝鮮族である。中共には、旧満州の吉林省延辺朝鮮族自治州を中心に朝鮮人が居て、「少数民族」の一つ「朝鮮族」になっている。この記事の説明では、自治州に八十万、全国では百九十二万人がいるという。その朝鮮族もいまや外国に溢れ出し、関係の深い韓国には四十万人以上が、日本にも五万人前後が居住するようになっている。つまり朝日は、中共の朝鮮族出身者を在日華人としているわけである。しかし朝日は、連載を開始したときの華人の定義で、「中国文化を引き継ぐ」ことを条件として挙げている。この点で、完全に矛盾していると言わざるを得ない。
これを他の民族の場合で考えてみると、更に分かり易いであろう。中共には、漢族すなわちシナ人の他に五十五の非シナ民族が存在するが、この非シナ人を意図的に「少数民族」と規定し、「~人」ではなく「~族」と呼称している。この中にはチベット人もウイグル人も入るし、そのような人が日本にもやって来ている。つまり朝鮮族が在日華人であるのなら、中共から来日したチベット人もウイグル人も、自動的に「中国文化を引き継ぐ」在日華人にさせられてしまうのである。これほど理不尽なことがあるだろうか。
朝日がこんな簡単な矛盾に気がつかないのは、シナ人による犯罪的な民族観を、無批判に受け入れてしまっているからである。中共の民族観・民族理論には、極めて重大なカラクリがある。まず民族概念が二重構造になっていて、「~族」と呼ばれるのは下位の民族概念であり、全ての民族を統一する上位の民族概念として、「中華民族」と言う概念があるのである。この中華民族が「中国人」であるから、中共の公式的な言い方では、チベット人もウイグル人も中国人である。殆どの日本人はこの事実を、全く理解していない。
更に重大な公然の秘密は、シナ人以外の非シナ民族は、シナ人に同化吸収されて消滅すべき存在だと考えられていることである。建前はあくまでも、五十六の民族は平等なのだが、シナ人の本音としては、非シナ人に生存権は無く、「中国人」とはシナ人だけを意味しているのである。私はシナ人の所有するこのような民族観を、「中華民族主義」と呼び、その侵略的な本質から、「シナ侵略主義」と呼ぶことにしている。なおこのイデオロギーは、共産主義とは関係なく、孫文がまとめ挙げてものであり、それは『三民主義』のなかの「民族主義」を読めば分かる。
また朝日の説明にあるように、この「華人」は、例え日本国籍を取得しても、在日華人であるという点が極めて重要である。朝日で紹介されている、朝鮮族の金京子という人物は、現に国籍を取っている。すなわち朝日の主張する華人概念は、徹底的にシナ人中心の、シナ人にとって都合の良い概念になっている。シナ人はこの「華人」概念を侵略の凶器として使用することによって、アジア・太平洋地域を圧倒的に支配することが可能になる。その意味で朝日新聞は、シナ人侵略者の完璧な走狗であると言える。
- 次の記事: 死刑だけが国家権力による殺人ではない
- 前の記事: 欧米人権主義のシナ人に対する完全なる敗北