- 2010年10月 4日 01:46
- 時評
「中共の世論」としばしば言われるが、共産主義の全体主義国家に自由な世論など、そもそもあるはずが無い。インターネットが発達してきたから、中共にも世論が存在するかのように説明されているが、中共のインターネットは、中共政権によって厳しく管理されているものである。それは例のグーグル問題で、極めて明確であろう。インターネットで、過激な対日批判・攻撃がされているとしたら、それは中共政権公認のものなのである。と言うよりも、中共政権の自作・自演だと考え無ければならない。この点は、インターネットだけでなく、デモストレーションでも全く同じである。すべてのデモは、官製あるいは官許のデモである。はっきり言って、中共の一般民衆の大多数は日々の生活に追われて、尖閣問題などに殆ど興味が無いはずである。
では軍部のほうどうであろうか。中共の軍隊は共産党の軍隊であって、国家の軍隊ではないと言われている。とすれば共産党は軍を完全に掌握しているのであり、軍の暴走などありえない。軍の暴走とは、日本の過去になぞらえて勝手に想像しているに過ぎない。近年、軍の幹部が極めて攻撃的な過激発言を繰り返しているが、それはすべて中共指導部の本心を代弁しているものなのである。鳥居氏は先の一文で、「中国の最高首脳たちが、軍部の派手なパフォーマンスにもろ手を挙げて賛成しているはずがない」と言っているが、私は完全に誤解していると思う。
すなわち、尖閣事件で中共指導部が世論や軍部の圧力に押されて、強硬処置を連発していると考えるのは、全く愚かなことである。中共は明確な国家戦略に基づいて、着々と手を打ってきているのである。中共はこの二十年ほどで経済が大発展して、それによって軍備も大拡張した。完全な「富国強兵」路線を、驀進してきたのである。では増強した軍備を一体何に使うのか。それは世界に覇権を唱えるためである。中共は以前から、大国に成っても覇権国家に成らないと、しきりに言っていたのは、覇権国家に成りたくてしかたが無かったからである。本心を裏返しに言っていただけである。
覇権というと一見上品であるが、武力によって勢力範囲を広げることである。ただし中共による覇権の場合は、単なる勢力範囲の拡大に止まらない可能性が非常に高い。この点が特に重要である。中共の覇権行動は、侵略・併合に発展するに違い無いからである。その理由は極めて簡単で、中共が現実の侵略国家、すなわち侵略現行犯国家であるからである。私が今までに何度も言ってきたことであるが、現実の侵略国家が更なる侵略に乗り出すのは必然の中の必然であって、それを警戒しないとしたら、そのほうが底なしの馬鹿なのである。
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