- 2010年10月 8日 21:57
- 時評
この問題は、報道機関そのものが当事者であるから、自分から取り上げるはずも無く、一般には殆ど知られていないであろう。しかもインターネット世界での論じられ方を見ていても、この問題の根本的な重大性は、明確に認識されていないように思われる。今回、報道機がやったことは、「報道の自由」ばかりを叫びながら、その反面にある「報道の責任」あるいは「報道の義務」を全く放擲した行為であると言える。マスコミの犯罪としては、有害な情報をことさらに報道するだけでなく、大事な情報を意図的に隠蔽することもあるが、今回の行為がその典型であろう。主権を外国に売り渡すような、日本政府の外交姿勢に対して、国民の中から湧き出てきた抗議の声を、ことさらに握り潰しているからである。国民に対する報道機関の、明白な犯罪行為である。
新聞各紙は、尖閣事件発生してから以後、中共における日本を批判したシナ人抗議行動を、かなり詳しく報道していたのが印象的であった。特に9月18日の満州事変の発端となった、柳条湖事件の記念日に、中共各地で行われた行動については、場所と人数を報道していた。しかもこれは、世論に押されて中共政府は日本に対して強硬に出ざるを得ないのだというふうに、中共政府を擁護する根拠として使われていた。一方、日本の世論については極めて冷淡で、せっかく出現した日本としてはかなりの規模のデモも、完全に黙殺することによって、更なる世論の盛り上がりを積極的に抑圧したのである。日本の報道機関と言うより、中共の報道機関になった如くであり、私はこうゆう報道を、「北京大本営報道」と表現することにしている。日本の保守の人々は、すぐに日本のマスコミは左傾化していると言うが、そうではなく、外国の国家権力に隷属しているだけである。まことに国家意識・民族意識を完全に喪失した、日本国民に対する完全なる裏切り行為である。
しかし今回の問題の中でも、更に最も重要なポイントは、産経新聞すらこのデモを報道しなかったことにあると、私は考える。シナ侵略者の最大の手先である朝日新聞は言うまでもなく、その他の読売・毎日なども及び腰になるにしても、産経新聞だけは絶対に報道しなければならなったはずである。それは言うまでもないが、新聞各紙の中で産経新聞が民主党政権の亡国的対処を、最も厳しく追及していたからである。しかも産経は中共における抗議行動については、かなり大きく報道していた。9月19日の紙面では、前日の北京の日本大使館まえでの抗議行動の、実に大きな写真が掲載されている。それは二人の男が、日の丸を踏みつけているもので、写真の寸法は横11cmで縦は17cmもあった。中共の抗議運動をこれだけ大々的に報道する産経が、日本の抗議運動を全く無視するのである。すなわち、マスコミの裏切り者の中でも、産経新聞が最も悪質な裏切り者であると言わなければならない。
残念ながらこれが日本の亡国的な現実である。しかし産経新聞すら、何故デモを報道しなかったのか、その原因・背景は徹底的に追究・解明されなければならない。そこには極めて巨大な闇が、潜んでいるに違いない。それが解明されて状況が改善されなければ、我々の運動は極めて効果の薄い、実効の無いものにならざるをえないだろう。そのためには新聞・テレビのすべて報道機関に対して、何故報道しなかったかの説明責任を明確に果たすことを、執拗に要求するべきである。またそれをやるべき主体は、明らかに今回のデモ行進の主催者であるのは言うまでもない。
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