- 2010年10月13日 20:13
- 時評
フジタ社員の逮捕は、尖閣事件で日本が船長を逮捕したのに対する、報復・対抗処置であることは、余りにも明らかである。一連の経過を追ってみると、船長を逮捕したのが9月7日、勾留延長を決定したのが19日で、翌日の20日にフジタの社員は捕まっている。その事実が明らかになったのが23日で、その翌日24日には日本が船長の釈放を発表、25日未明に釈放した。
20日にフジタ社員を捕まえたのは、勾留延長によって正式に起訴される見通しが明確になったからで、そこで直ちに手を打ったわけである。解放後の情報によると、逮捕されたときには、四人の日本人のほかに現地社員のシナ人が一人いたというから、その人物に誘導されて罠にはめられたものであろう。ともかく事前に入念に、計画が練り上げられていたのである。朝日新聞10月10日の「時時刻刻」欄、「フジタ社員中国が釈放」「決着尖閣沖衝突と酷似」と題する記事によると、フジタ社員の一人をわざわざ解放しなかったのは、船長が勾留された日数と同じにするためだったという。シナ人は、なんという陰険・卑劣な、真におぞましい性格の民族であることか。
結局、フジタ社員四人は解放されたわけであるが、それに当たって社員は自らの罪を認めた謝罪文を書いたという。しかも最後の一人は、保釈金50万間(62万円)を納めた。帰国したフジタ社員らは、一応記者会見はしたらしいが、詳しいことは話していないようだ。本来なら、中共政府の実に汚いやり口を、批判・糾弾しなければならないのに、そんな勇気は全く無いだろう。そもそもフジタは、中共政府と結託してデタラメな「遺棄」兵器処理事業を手がけ、日本国民の貴重な税金を巻き上げている、悪徳企業である。はっきり言って、捕まった人々に同情する気持ちにはとてもなれない。
この事件のカラクリは、今後徹底的に解明されなければならないが、それは結局うやむやの内に幕が引かれるであろう。と言うよりも、既に幕は引かれているようだ。それにしても、フジタ社員が帰国した時点での日本の反応が、上から下まで、「良かった、良かった」「安心した」の声で満ちているのは、余りも愚かである。第一、卑劣極まる国家テロに対する怒りが全く見られない。フジタ社員が人質として取られ、それに周章狼狽した日本政府が中共の船長を釈放してしまったために、日本は莫大な国家主権の侵害を蒙り、計り知れないほど民族の誇りを傷つけられたのである。今の日本人は、その肝心要のことが完璧に分かっていない。シナ人に対する奴隷根性が、骨の髄まで浸み込んでいるのだ。
- 次の記事: 「核心的利益」が明確に予告する日本民族の滅亡
- 前の記事: 尖閣事件報道における産経新聞のすさまじい裏切り