- 2010年10月18日 19:14
- 時評
だとすれば、当然のこととして次には東シナ海を、核心的利益の範囲に編入することは、必然と考えなければならない。現に香港の英字新聞サウスチャイナ・モーニングポストは、既に含められたと10月2日に報じている。宣言はしないものの彼らの戦略の中では、しっかりと編入されているのである。シナ人の領土的野心は、尖閣諸島についてはかなり以前から公式に露わになっているが、最近では沖縄に対する領有権を主張する論文が、次々と出現している。学問・言論の自由など無い国家であるから、これは明らかに国家権力の意志を示したものに他ならない。さらに沖縄を手中にしても、シナ人の領土的野心はそれで止まらず、必ず日本本土にも及んでくるに違いない。つまり日本本土が核心的利益の範囲に入れられるというよりも、既に入っていると考えるべきである。核心的利益と言う概念によって考えれば、日本はチベットやウイグルと同等の存在になっているのである。
シナ人はことあるごとに、大国に成っても覇権を求めないと言って来たが、それは心から覇権を求めていることの、何よりの証拠である。中共が世界に覇権唱えるためには、少なくとも西太平洋を支配しなければならない。それには不沈空母である日本列島を手に入れることが、絶対に必要である。アメリカが衰退して、アジアから引いてゆけば、覇権を唱えるという野望も、少なくとも西太平洋地域においては、可能になるであろう。
そもそもシナ人は、日本の固有の領土である尖閣諸島を自分のものだと言っているのであるから、明白に日本領土を侵略しようとしているのである。これは明らかに敵国としての態度である。仮想敵国と言う言葉があるが、中共は日本にとって正真正銘の敵国、すなわち真性敵国である。しかし現在の日本人は、この紛れも無い現実を現実として認識する、知力も気力も両方とも喪失している。菅首相は日中関係を、「戦略的互恵関係」と言う言葉で誤魔化しているが、それを真っ向から否定して、中共を「悪しき隣人」と言い切った枝野前幹事長のほうが明らかに真ともである。
核心的利益として、日本はチベットやウイグルと同等の存在になったのであるから、日本の未来はチベット・ウイグルの現状を見れば、容易に推測できる。チベットやウイグルで現実に進行していることは、旧ユーゴの動乱で頻りに批判された、民族浄化・エスニッククレンジングである。ただし「浄化」と言う言い方は余りにも上品過ぎるのであり、正確には民族抹殺・エスニックジェノサイドと表現すべきである。シナ人による侵略の特徴は、単に領土を奪い取るだけでは満足せず、現住民族を徹底的に根絶やしにすることにある。そうすればその侵略は、完璧なものになるからである。
しかしいわゆる保守の人々の中でさえ、私のような認識を持つ人間は極めて少ない。私は以前からこのことを主張しており、例えば六年前の2004年に、「こうして日本は滅亡する」と「シナ人がたくらむ日本侵略・日本人絶滅」と言う、二つの短い文章を発表したことがあったが、全くと言って良いほど反応は無かった。今回の事件でそれがどれほど改善されたであろうか。
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