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口蹄疫ウィルスは黄砂に乗って

『月刊日本』2011年1月号 羅針盤 2010年12月22日

101227.jpg 今年の春から夏にかけて、宮崎県で口蹄疫が大流行したことは、幾ら物忘れが激しい日本人でも、さすがにまだ憶えているであろう。四月に始まった流行は、29万頭の家畜を殺害しなければならない大被害を出して、八月末になってようやく終息宣言が出された。しかしこの口蹄疫の大流行に関して、流行中の五月二十八日の新聞に、驚くべき情報が載せられていたことは、どれほどの人間が記憶に留めているだろうか。それは朝日新聞の科学欄に、「口蹄疫 驚異の感染力」「風に乗って250キロ 黄砂にも付着?」と言う見出しの記事である。その主要部分を、以下に紹介することにする。

 「心配される感染ルートは複数ある。気象条件が適していれば、風に乗って陸上で60キロ、海上で250キロも移動するといわれる。欧州では海を越えて、フランスから英国に、デンマークからスウェーデンに飛んだ記録もある。もっと長距離を移動する可能性を示す調査結果もある。筑波大や九州大、琉球大などのグループは09年、茨城県と福岡県、沖縄県で採取した黄砂に付着していた遺伝子が、口蹄疫ウイルスの可能性があると学会誌に発表した。調査にあたった磯田博子筑波大教授(環境安全評価学)は『中国、韓国、日本での口蹄疫の発生に黄砂がかかわっているとなると、予防も難しく、国際的に取り組む必要が出てくる』と話す」
 すなわち口蹄疫の感染ルートとして、黄砂の飛来による感染の可能性が、学問的にも主張されているのである。黄砂といえば、比較的最近である十一月にも日本への襲来が見られた。それはちょうど横浜でAPECの首脳会議が開かれた、十三・十四の両日の頃であって、空全体が変に黄色がかったうす曇り状態に覆われる、まことに異様な光景が現出した。黄砂の飛来は春先と思われているが、秋に来たのは五年ぶりということであり、これからは一年中来襲するようになるのではないか。
 黄砂には口蹄疫のウイルスばかりでなく、ありとあらゆる病原菌が付着してやってくるはずであり、今後年間を通して来襲するとなれば、日本の家畜のみならず人間の健康に、甚大な被害が及ぶことが想定される。しかし口蹄疫の大流行の最中にもかかわらず、この驚くべき情報は、驚くほど無視されて話題になることは無かった。当の朝日新聞も科学欄の地味な記事だけで、社会面などで大々的に報道する価値が充分あるのに、その後は全く採り上げなかった。ある程度重量のある黄砂が、偏西風に運ばれて来るのだから、もっと軽い物質はもっと簡単に、中共から日本に飛来してきているはずである。現に酸性雨については、以前からしばしば指摘されていたと記憶する。にもかかわらず、それが日本で深刻な問題として議論されることは、全く無かったといって良いだろう。
 そもそも我が国では、昔から環境問題には敏感で、水俣病に代表される公害反対運動については、マスコミは極めて熱心に報道してきた。また現在では、地球温暖化問題に関連して、毎日のように「エコだエコだ」と大騒ぎである。しかしそれは基本的に国内的な視野でしか論じられず、海外からの影響による環境問題には鈍感であり、とりわけ中共に起因する環境問題には、遠慮がちと言うよりも、驚くほど卑屈な対応に終始している。それは日本の国家権力のみならず、日本のマスコミにも、環境問題のNGOにすら共通する現象である。現在の日本人が中共・シナ人に如何に精神的に隷属していかを示す、明らかな証拠である。
 更に日本の企業は、円高に対応するためだと称して、大々的に中共に進出している。それは中共の安価な賃金のためだと説明されているが、本当にそれだけだろうか。中共はいまや公害超大国である。つまり公害に対する規制が殆ど無い。と言うことは、中共に進出した外国企業にとっても、公害対策に金を使わなくても済むのである。日本のマスコミでこの問題が取り上げられることは全くないが、その利点も大きいのではないのか。しかしこれでは、外国企業は中共国民の健康を犠牲にするだけでなく、日本人の健康を犠牲にしながら金儲けをしていることになる。中共の公害を直接蒙らない欧米諸国は、それでもよいが、日本企業は日本人の健康を犠牲にしながら、金儲けにいそしんでいるのであり、日本人同胞に対する、卑劣極まる背信行為である。かつて日本企業の東南アジアでの公害排出を批判していた日本の環境団体も、それには全く目をつぶっている。
 十一月二十九日からメキシコのカンクンで、京都議定書以後の地球温暖化対策を議論する、国連気候変動枠組み条約締結国会議(COP16)が始まった。この会議で世界最大の二酸化炭素排出国である中共は、インドなどと共に京都議定書の延長を言い出している。現在、米中の両国で世界全体の四割の二酸化炭素を排出しているのに、両国が削減義務を負わない京都議定書の延長など、まことに言語道断の話である。しかしそれに賛成する途上国はあるし、EUや環境NGOすら理解を示しているという。日本政府はあくまでも延長反対を主張しおり、本稿の成稿時点で結論は出ていないが、正真正銘の白痴政権のことであるから、簡単に屈服してしまうかもしれない。

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