- 2011年1月20日 18:03
- 時評
新聞に報道されている、中共側の発言は大体二つあって、一つはその少し前に前原外務大臣が、六者協議以外で日本と北朝鮮が直接交渉することに、意欲を示したことに対するもので、「非常に注目し歓迎する」と述べたと言う。これは戴・武の両人とのも言っている。この前原発言については、北朝鮮も歓迎したが、その後の前原外務大臣の訪韓では、韓国と北朝鮮の交渉を優先することになったから、背後にいかなる思惑・動きがあったのか、まことによく分からない。
もう一つは武大偉のみの発言であって、このほうが遥かに興味深くて面白い。これを積極的取り上げているのが、朝日新聞の古谷浩一特派員である。それは同紙1月13日の、「中国高官『日本も空母持っていた』 軍拡の懸念」に反発」と言う見出しの記事である。この会見は12日であったが、その前日11日にステルス戦闘機「殲20」の試験飛行が明らかになり、中共の軍備の拡充が話題になっている折から、それに反論を試みたものである。ともかく、その言い分がなかなか振るっているのである。
古谷特派員の記事では、「加藤氏らの説明によると、武氏は第2次世界大戦中の日米のサイパン島での戦闘に関するドキュメンタリー映画を見たことに言及。『日本も8から9の空母を派遣した。当時は米国も日本も多くの空母を持っていた。中国は今も空母を持っていない。一つつくってもおかしいことではない。通常の武器だ。ほかの国も持っている』と語った」とある。
また「さらに『ステルスの問題も同じだ』と強調。『米国が持っても正常なことだと皆さんは言う。日本が仮にそのようなものを購入しても、おかしいとは言わないだろう』などと述べ、中国の軍事的台頭に対する懸念に反発した」という。
これはまことに素晴らしい発言である。とくに日本がステルス戦闘機を購入しても、おかしいとは言わないだろうというところが、極めて重要である。誰が言わないのかは、はっきりしないが、中共の高官がこう発言しているのだから、中共政府は反対であるはずがない。また日本は既に何十年も以前に、空母を何隻も持っていたのだから、今から幾ら持っても、少しもおかしくないのである。中共政権の高官が、日本の軍備にこれだけ理解を示してくれているのだから、日本が軍備を増強しなければウソである。
ところでステルス戦闘機F22は、アメリカが日本に全く売ってくれない。私は軍事技術については良く知らないが、確かステルス技術は、アメリカが日本からタダで巻き上げたものだったはずである。ずいぶんとふざけた話であるが、アメリカが売ってくれなければ、日本が自主開発すれば良いのである。中共にできることが、日本ができないはずがない。できないとすれば、そうしようとする意欲・気力に欠けているからである。
ステルス戦闘機はもちろん、原子力空母でも、更には核兵器でも、どんどん日本自身で作ればよい。子ども手当てなどに貴重な予算を浪費しているのだから、その金を軍備増強に投入すべきである。そうすれば、日本の経済も大幅に立ち直るであろう。
その時、もし中共政府が日本の軍備増強に文句をつけてきたら、今回の武大偉発言を持ち出して、正面から堂々と反論すれば良いのである。
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