- 2011年6月 3日 06:23
- 時評
ところで中共と水産業の関係については、少し前になるが5月12日の産経新聞に、色々と教えられる興味深い記事が掲載されている。それは「40×40」と言うコラムの欄で、筆者は海洋問題専門家の東海大学教授・山田吉彦氏であり、文章のタイトルは「SSにとって手ごわい敵」とある。このSSとは何かといえば、例の悪名高きシー・シェパードである。日本の捕鯨攻撃で味を占めたシー・シェパードが、次に狙っているのがサメであるという。ところがこのサメの問題には、中共とさらにはオーストラリアまで絡んでくる。
山田氏によれば、「現在、豪州は、サメの保護政策を決めかねている。サメは稀少な生物であるとともに、毎年数人の命を奪う獰猛な害獣である。そして、魚肉は低カロリー高タンパクな食材として利用されている。先日、中国の福州の水産会社を訪ねた。この会社は太平洋やインド洋でサメを捕獲している。同社の冷凍庫はヒレを取られたサメでいっぱいだった。ヒレは高級食材として国内で流通し、その他の肉は豪州へ輸出するそうだ」とある。何のことはない、日本人に鯨を食べてはいけないと言って、国際司法裁判所に提訴までしているオーストラリア自身が、鯨の場合とは全く逆に、サメの肉を食いまくっているわけである。
さらに末尾における山田氏の以下の指摘は、極めて重要である。「SSにとっても今度の敵は手強い。サメの密猟の多くは中国漁船であり、フカヒレの世界的な流通を牛耳る華僑たちとの戦いにもなる。孤立したSSは中国という新たな敵とどのように戦うのだろうか。尻尾を巻いて逃げてしまう気もする」。つまりシー・シェパードの敵とは、中共・シナ人のことである。「尻尾を巻いて逃げてしまう」と言う山田氏の予測には、私も全く賛成である。
以上はサメの話であり、シナ人は今のところサメの肉を食べていないようだが、そのうち食べるようになるだろう。それは以前に指摘したように、中共では動物性蛋白の需要が急速に増大すると考えられるからである。その意味で私は、シナ人がサメどころか鯨を大々的に食べ始めると予想せざるを得ない。サメは魚類だが鯨は哺乳類であり、鯨の肉は獣の肉に近いからである。若い人は殆ど知らないかも知れないが、昔は鯨の大和煮の缶詰と言うものがいくらでもあった。今でも牛肉の大和煮の缶詰はあるが、あのように甘辛く煮たものである。風味は明らかに牛肉に似ていた。
シナ人が捕鯨活動を始めても、シー・シェパードは、日本にやったような卑劣極まりない妨害行為など、全くできないであろう。もしやったとしても、中共側は実力を行使して、簡単に蹴散らしてしまうだろう。またオーストラリアも、高飛車な批難攻撃などできないに違いない。と言うことは、逆から考えれば、そのような理不尽極まりない迫害を受けながら、ちっともそれと戦おうとしない日本は、恐るべき腑抜け国家になってしまっているわけである。
- 次の記事: 侵略性の根本にある中華思想 全ての民族は「中華民族」という論理
- 前の記事: 虎視眈々と我が国を狙う中共