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シナの領土拡張を許すな!

『月刊日本』2012年4月号 羅針盤 2012年3月22日

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昨年の三月十一日は、言うまでもなく東北大震災が勃発した日であるが、では百年前の三月十一日はいかなる日だったのか。ただしこれは日本のことではなく、シナに於いての出来事である。昨年は辛亥革命の百周年に当たるが、中華民国が実際に発足したのは、一九一二年の正月一日に孫文による臨時大総統就任宣言が発せられてからである。そしてその年三月十一日、臨時政府の暫定的な憲法として「臨時約法」が発布され、同日施行された。

その第三条に、「中華民国の領土は、二十二行省・内外蒙古・西蔵・青海である」と、領土の範囲を規定している。すなわちこれは、中華民国の領土は、清帝国の領土をそっくり引き継ぐことを宣言したものに他ならない。この二十二行省とは、戦前に「支那本部」と称された十八省に四つの省を加えたものだが、その四つとは新彊省・奉天省・吉林省・黒竜江省であり、新彊省は一八八二年に、満州の地である奉天省以下の三省は、一九〇七年に設置された。清帝国の時代に、直轄地であったのは満州人の故郷・満州と本部十八省だけで、新彊の地と内外蒙古・西蔵・青海は、「藩部」として間接的な支配が行われていたに過ぎない。

清の前代、明の時代の領域は支那本部十八省に相当している。これは中華人民共和国の面積の三分の一ほどで、北の国境が万里長城、東と南は海、西の国境はチベット高原の東の縁となる。現在の四川省の西半分は、中共の地形図を見ると分かるが、東半分とは格段に高度の高いチベット高原の一部で、本来的にチベット人の生活空間であった。ただし支那本部の領域の中でも、西南地方には「少数民族」=非シナ人が多数居住しており、百万単位の人口を有する民族が幾つも存在している。

ところで辛亥革命が成功する以前、孫文など革命勢力がその方針を述べた、一九〇六年の「中国同盟会軍政府宣言」では、「駆除韃慮、回復中華」なるスローガンを掲げている。駆除韃慮とは清の支配民族である侵略者・満州人を追い出して、シナ人の独立を回復することを表現していた。すなわち民族独立革命が謳われたわけである。したがって中華の意味するところは、人間としてはシナ人を、領域としてはシナの地、つまり本部十八省であったことは間違いない。その証拠に、革命軍は「十八星旗」なる旗を使用していた。この旗には黄色い丸印で十八の星が表現されているが、これは十八省を意味しているのである。昨年公開された辛亥革命の映画「1911」で、頻りに出てきたものである。また孫文を臨時大総統に選出した選挙は、十八省の代表によっておこなわれた。

 

ところが中華民国の発足と同時に、この根本方針が覆る。元旦の臨時大総統就任宣言で、孫文は「漢満蒙回蔵の諸地を合して一国となし、漢満蒙回蔵の諸族を合して一人の如からんとす」と言い出した。先の臨時約法第三条は、これを具体的に明確に規定したものだったのである。今日のチベット・ウイグルなど、中共における深刻な民族問題の根源は、実にここに存在する。つまり今まで侵略される側にいた者が、たちまち侵略者に変身したのである。

しかし外蒙古は民国成立以前、十一年九月に独立を宣言し、チベットも十三年一月に独立を宣言して、シナ人による併合を拒否した。以後軍閥の割拠や日中戦争で、中華民国の時代は併合の野望を実現できなかったが、中華人民共和国の成立と同時に、内蒙古・新彊・チベットを軍事力によって侵略し、シナ人の宿願を果たした。第二次大戦後に民族独立が進行する時代に、その時代の潮流に逆行して、無法な侵略が行われてしまったのである。この三民族の領域は約五一〇万㎢に達するから、それだけで中華人民共和国の面積、九六〇万㎢の半分を超える。

このシナ人が行ったことの犯罪性は、オスマントルコ帝国という事例と比較してみると良く分かる。第一次世界大戦を契機に、ロシア・オーストリア・ドイツの三帝国が消滅したが、このときもう一つオスマントルコ帝国も消滅している。この帝国は、日本の室町時代以後、アジア・ヨーロッパ・アフリカにまたがって、広大な帝国を築き上げた。そこには古代文明が栄えた、北アフリカのエジプトやバルカン半島のギリシャも含まれる。つまりシナ人が清帝国の領土をそのまま継承するのは、エジプト人やギリシャ人が、オスマントルコ帝国の全領土を自分たちのものだと言っているのに等しく、世界の歴史に対する反逆行為である。

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