- 2012年11月10日 11:12
- 時評
沖縄でまたアメリカ兵による暴力事件が発生したと、マスコミは大騒ぎをしている。事件というのは11月2日の未明に、沖縄県読谷村の古堅というところで、アメリカ兵が飲み屋で酒を飲んで暴れ、同じ建物の三階の民家に侵入して、寝ていた子供の顔を殴り、テレビを蹴って壊したというものである。アメリカ兵はその後逃げようとして窓から転落、大けがをして海軍病院に運び込まれた。
大騒ぎになった背景には、米軍兵士に対する夜間外出禁止令が出されていた、そのさなかの事件であったことがある。10月に起きた沖縄の婦女暴行事件のために、10月19日から、午後11時から午前5時までの外出禁止令が、沖縄に限らず日本国内すべての米軍兵士に対し出されていたらしい。
この種のニュースがとりわけ大好きな朝日新聞は、さっそく当日2日の夕刊の一面トップで報じている。それは極めて目立つ4段の見出しで、「米兵、酔って侵入・暴行」「沖縄 外出禁止令さなか」と銘打たれている。さらに社会面の十三面でも、「『外出禁止令、空手形だ』 また米兵 怒る沖縄」と、これは3段見出しで取り上げ、現場の建物のカラー写真まで、ご丁寧に載せている。見出しで分かるように、両方とも外出禁止令が出ていたことを強調しており、共にかなりの大型記事である。
朝日新聞はそれでも不十分だったようで、翌3日の朝刊の二面でも大きく取り上げている。これも見出しを紹介すると、「沖縄・暴行事件」「『また米兵』怒り頂点」「政権、抗議しただけ」「知事『米軍』への信頼薄い」とある。また3日も社会面でも取り上げ、「外出禁止 意味なし」「米兵が侵入・暴行」「帰宅促され憤慨・街、緩い巡回」といった見出しがならぶ。
この社会面の記事は、外出禁止の実態について割と詳しく解説している。それによると、現在は基地の外部に居住する軍人も結構いて、それらの人間を米軍もきちんと管理など出来ないという。見出しの、「街、緩い巡回」とは、そのことを指している。また見出しの、「帰宅促され憤慨」というのは、暴行犯が外出禁止時間だから帰れと注意されたら、腹を立てて大声を出して暴れだしたことを表している。憤慨した犯人は三階に駆け上がり、民家に乱入して、寝ていた子供を殴ったわけである。
つまりこの事件は、外出禁止令が引き起こした事件なのである。外出禁止令が出されなければ、起きなかった事件である。その意味で、客観的に見れば、まことに滑稽な事件であると言わざるを得ない。事件を起こさないようにすることが、米兵のフラストレーションを喚起して、かえって事件をおこしているのである。しかしこのもっとも重要なポイントを、朝日新聞は全く指摘しない。沖縄の人間も、「外出禁止令は空手形だ」「外出禁止令、意味なし」と言っているようだから、アメリカ軍もくだらない外出禁止令など、一日も早く止めた方がいいだろう。
ところで外国人による日本人に対する暴行事件は、別に沖縄だけで起きているわけではない。中共では9月の虐日国家テロで、日本人が暴行を受けたが、それは完全に治まってはいないようだ。比較的最近の例では、10月26日の夜、上海に隣接する江蘇省太倉市の飲食店で、二人の日本人が二人の「中国人」から暴行を受けて、顔面を負傷させられた。11月2日の産経新聞の河崎真澄記者の記事では、「上海の日本総領事館によると、中国人の男2人が飲食店で店側とトラブルになり、日本人客2人が仲裁に入ったところ、男2人が殴りかかってきた」「暴行被害にあった日本人のうち1人は駐在員で1人はその友人。2人とも病院で手当てを受けた。日本人を標的にした暴行事件の可能性もあるが、詳細は明らかにされていない」とある。この「詳細は明らかにされていない」というのが、なかなか曲者であり限りなく怪しい。
そのあたりを考慮したのであろう、この河崎記者の記事の末尾には、次のように事件の背景説明が、キチンと付け加えられている。「5万6千人を超える中国最大の在留邦人を抱える上海と周辺地域では、日本政府による9月の尖閣諸島の国有化決定以降に、路上で突然、ラーメンを頭からかけられるなど日本人が中国人から暴行を受けるケースが多発。先月も上海市内で日本人らが刃物で切りつけられる事件が起きている」。
では朝日新聞はこの中共の事件を、どの様に報道したのであろうか。それは産経より一日遅れて、11月3日の国際面の「地球24時」という雑報欄に出ていた。雑報欄であるから、ニュースとしては最も軽い扱いであり、完全なるべた記事である。「中国・江蘇省太倉市の飲食店で10月26日夜、日本人男性2人が中国人男性2人から暴行を受け、顔に軽傷を負っていたことがわかった。店側と中国人2人がトラブルになったのを仲裁に入ったところ、殴られたという。上海の日本総領事館によると、被害に遭ったのは日本企業の駐在員とその友人」。全文たったのこれだけ。外国人によって日本人が暴行を受けた事件なのに、沖縄の事件との格差・差別は、文字通り天と地ほどの違いである。
朝日は同じ11月3日の沖縄の事件に関する記事では、沖縄の識者二人に次のようにコメントさせている。「前泊博盛・沖縄国際大学教授は『沖縄は寛容だという誤ったメッセージが米兵に伝わり、犯罪を軽く考えているのではないか』とみる。糸数慶子参院議員は『なぜ沖縄はおびえながら生活しないといけないのか』と批判した」。しかしこのコメントは、中共の暴行事件の方に、比較にならないほど当てはまる。いくら殴られても黙っている日本人を、シナ人は完全に舐めきっているのであり、中共在住の日本人は、いつ暴力を振るわれるかと、おびえながら生活しているからである。
これほど偏向した報道を、臆面もなく展開する朝日新聞は、完璧にシナ人の手先であることが、端的にわかる具体例と言える。
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