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朝日・岩波的虐日偽善の言論を排せ

『月刊日本』2012年11月号 羅針盤 2012年10月22日
※本稿は、ブログ「反日デモではない、国家権力による虐日テロである」国民新聞「怒りを忘れた民族は亡ぶ」、それにブログ「『虐日偽善』という精神の麻薬に狂う村上春樹」と内容的に共通するものである。読者は自分なりに整理して、活用していただきたい。

121025.jpg 中共では九月十一日から十八日まで、尖閣問題に起因する「反日デモ」が吹き荒れた。現代の義和団事件というべきものであるが、それよりさらに悪質である。義和団事件は、義和団が起こした騒乱に清朝政府が便乗した攘夷運動であるが、今回は中共の国家権力自身による、日本のみを標的とした、自作自演の暴力の発動だからである。つまり、日本人を傷つけ、日本企業を焼き討ちし略奪したのであり、正確には「虐日国家テロ」とよぶべきものである。

 日本に対する中共における暴力行為は、二十一世紀になってから連年続発し、〇五年四月には各地で官制暴動がおこって日本人が襲撃された。今回のテロを考えるうえで参考になるのは、日本を対象としたものではないが、〇八年北京オリンピックの時の、フランスに対する力による脅迫である。この年は聖火リレーで中共批判が世界で巻き起こり、フランスのサルコジ大統領が、オリンピック開会式への欠席をほのめかした。中共側はフランス資本のスーパー・カルフールを大型トラックによって封鎖し、サルコジ大統領はあっけなく屈伏して、現代における「カノッサの屈辱」だと非難された。また長野の聖火リレーでは、中共留学生を動員して、物理的実力を誇示した。
 そして二年前、前回の尖閣事件の際には、フジタ社員四人を拉致・監禁して、日本政府を脅迫し犯人を釈放させた。北朝鮮の日本人拉致が、国家によるテロであるように、フジタ社員の拉致・監禁は、中共の国家権力による国家テロであった。
 このような段階を踏んで、今日の事態に至っているのである。中共の一貫した戦略は、日本人の精神をいかに侵略するかである。今から三十年前の第一次教科書事件から開始されたのは、歴史問題を利用した言葉による侵略であった。次いで暴力を振るうことで日本人の精神を侵略する段階に入り、それも今回の事件で完成を見たといえる。
 つまり虐日国家テロの発動によって、またしても中共側が大成功を収めたのである。その何よりの証拠は、シナ人にこれだけ暴力を振るわれたにも拘わらず、日本においてそれに対する怒りの声が、全くと言ってよいほど聞こえてこないことである。個人に対して暴力を振るわれ、企業を放火・略奪されて膨大な経済的損失を被ったのであるから、世界標準、グローバル・スタンダードで考えれば それに対して報復するのが当然である。報復はとても無理としても、少なくとも非難・抗議の声はもっともっと上がらなければウソである。世界の弱小国家といえども、はるかに毅然とした対応をするだろう。
 しかし今の日本にはそれが全く見られない。本当は中共との友好に熱心であった人ほど、今回の仕打ちに対しては怒りの声をあげなければならないはずである。なぜなら彼らの善意が、真っ向から無茶苦茶に踏みにじられたからである。しかしそのような人間ほど、どちらも悪いと言ったり、日本が悪いからこんなことになるのだと言い出す始末である。その代表が朝日・岩波的虐日偽善の言論に他ならない。彼らのメンタリティーは、究極の苛められっ子の心理によく似ている。虐められれば虐められるほど、虐める相手に隷属してゆくのである。それは元来の友好の主張が実は本物ではなく、初めから中共への隷属から出発していることを証明している。そもそもこの朝日・岩波的虐日偽善の言論が、中共をつけあがらせて今日の事態を招き寄せたのである。
 またこの朝日・岩波的言論は、日本の社会に深く浸透して、政治家・官僚や実業家のみならず、テレビを通して広く一般大衆にも影響を与えた。その土壌の上に生み出されたのが、いくら暴力を振るわれても、少しも腹を立てることができない、民族意識(大和魂)も自尊心すら喪失した人間類型である。これは日本人の精神がシナ人によって完全に侵略され、日本人は精神的奴隷、つまりメンタル・スレイブに成り果てたことを表している。精神の奴隷は労働奴隷と異なって、自分が奴隷であることを自覚することさえできない。
 今回の事件で、テロを仕掛けた中共の支配者は、民族意識を完全に喪失した日本人は、いかに暴力を振るわれても、腹を立てる気力すらなくなっていることを確認できた。これは彼らにとって、誠に素晴らしい成果である。今後、中共に進出した日本企業は、暴力団に脅しつけられた一般市民のごとく、いくら搾取されても逃げ出すことはできないだろう。また、尖閣などの領土への攻勢も、一段と激しくなるに違いない。

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