- 2013年1月31日 01:32
- 国民新聞
『国民新聞』第19181号 平成25年1月25日
政権が交代した。三年半ぶりに民主党から自民党に代わったわけで、まあ一応喜ばしいことではある。安倍政権の課題は、原発問題を除外すれば、大きく分けて経済再建の問題と、中共の脅威に立ち向かう外交・防衛問題と言うことになるだろう。安倍首相は、まず経済を最優先して景気を回復させ、参院選に勝利してから、その他の課題に取り組むと頻りに言われている。
ただしこの経済問題にしても、外交・防衛問題にしても、民主党政権時代に急に出現したわけではなく、長年の自民党政権時代の失政によってもたらされたものであることを、現時点において、きちんと認識しておかなければならないだろう。民主党政権であっても、野田首相は、自民党がやらなかった政策を、いくつか実現している。
そもそも民主党政権ができたのも、デフレ経済が克服でずに貧富の格差が拡大したのが原因であった。またその経済の没落は、アメリカの各種の経済的攻勢に対して、自民党政権が抵抗らしい抵抗もできずに、従って行ったことの結果であった。
尖閣問題にしても、実効支配をためらって、長年放置してきたのは自民党政権であったし、またその前提としての日中友好外交も、田中政権の日中国交成立以来、自民党が推進してきたものであった。しかしこの日中友好外交路線は、昨年の尖閣紛争による虐日国家テロで、完璧に破産した。
今回の選挙における自民党の政策パンフレットの表題は、「日本を、取り戻す」であった。つまり日本は自分を失っているわけである。この考え方自体は、私も以前からそう強く思ってきたことであり、大賛成である。ただし、なぜどのようにして日本は自己喪失に陥ったのか、その原因と経過をきちんと総括していなければ、本当に日本を取り戻すことはできないのではないか。今の自民党には、それがどこまでできているのであろうか。
自民党失政の主要な原因の一つは、明らかに公明党との安直な連立である。その意味で今回の内閣において、尖閣防衛の最前線にある海上保安庁を管轄する国土交通省の大臣を、中共と親密な公明党に与えたことには、大きな疑問を感じざるを得ない。
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