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2010年6月 Archive
朝鮮戦争の真実が明らかにされるべきである
- 2010年6月30日 00:28
- 時評
6月25日は、朝鮮戦争が勃発してから、ちょうど60年になる日であった。つまりそれは、1950年6月25日に、北朝鮮が韓国に攻め込んだことから始まった。しかし昔は日本の左翼の人間も、韓国とアメリカ軍が北朝鮮に攻め込んだと、正反対のことを主張していたが、今ではそんなことを言う人間もいなくなったようだ。朝鮮戦争とベトナム戦争とは、第二次世界大戦の後に、アジアで起きた二つの大戦争であり、したがって「冷戦体制」あるいは「冷戦構造」と言う用語は、アジアにおいては本当は当てはまらないのであるが、それについては別の機会に述べることにしよう。
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朝日新聞の卑劣なアリバイ工作
- 2010年6月26日 10:53
- 月刊日本 羅針盤
『月刊日本』2010年6月号 羅針盤 2010年6月22日
五月二十四日、東京地裁で、以前に中共の黒龍江省チチハル市で起きた、日本が遺棄したとされる「毒ガス」兵器による、死傷事件に関する判決があった。この事件は二〇〇三年八月に発生し、一人が死亡し四十三人が重軽傷を負ったもので、その後〇七年に至って、負傷者全員と遺族一人が、毒ガスを放置し、被害発生を防ぐ義務を怠ったとして、日本政府を相手に、損害賠償を求めて訴訟を起こした。今回の判決で山田俊雄裁判長は、「日本政府の法的責任は認められない」として、原告側から出されていた、総額十四億三千四百万円の損害賠償請求を棄却した。原告は判決に不満で、控訴するという。
この裁判を報じた五月二十五日の新聞記事で、産経には書いてあるが朝日には出ていない重要な事実がある。それはこの事件が起きた直後に、日本政府は被害者に対して、すでに金銭的に補償を行っていることである。産経ではそれを、「日本は03年、中国に『遺棄化学兵器処理事業にかかる費用』の名目で3億円を支払い、中国側はこの中から被害者1人当たり550万円を配分している」と書いている。五百五十万円と言えば、中共ではまだまだ驚くほどの大金だと思われるが、それでは満足せずに、日本からならもっともっと取れるだろうと、訴訟を起こしたわけである。今回の要求額は、一人約三千万円になるらしい。
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日米安保から日中安保へ、ご主人様の交代
- 2010年6月22日 11:23
- 時評
私は前稿で、朝日は安保改定50年を、余り採り上げていないと言ってしまったが、これは我ながら早とちりであった。5月23日が発効から50年と言うことで、5月19日の紙面に、日米安保に関する大型記事が出現した。これは予想されたよりも遥かに踏み込んだ、驚くほど「素晴らしい」内容になっている。それは1面と3面を使った、「日米安保無力化狙う中国」と題する、日米安保条約が直面している現状に対する分析と、11面の「中国興隆 日本の針路は」と題する、二人の人物に対するインタビュー、及び同面の「基地苦悩半世紀 在日米軍3度の再編期」という在日米軍の歴史を述べた記事で構成されている。
始めのほうの現状分析は、表題から分かるように、安保体制が中共の飛躍的な軍備増強によって、弱体化・無力化しつつあることを、さまざまな事例を挙げて説明している。それとは直接関係無いが、この記事の最後のほうには、日本の安全保障政策を考えるために、防衛政策大綱策定に向けてつくられた、首相の私的な諮問機関「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」なるもので行われている、具体的な議論が紹介されている。これがなかなか、興味深い。「激論」と表現されているそれは、いわく、「中国には抑制的にならず、言うべきことをはっきりさせるべきだ」「露骨な反中国意識はマイナスだ。良好な対中関係を表面的には維持している米国への配慮が必要だ」「米国はイラクやアフガニスタン問題で余裕がなくなっている。日本は自己完結的な対応が求められる」。二番目の、アメリカに配慮して中共に強く出られないと言う心理構造は、現実の日米中関係を見事に表現しているのかもしれない。
始めのほうの現状分析は、表題から分かるように、安保体制が中共の飛躍的な軍備増強によって、弱体化・無力化しつつあることを、さまざまな事例を挙げて説明している。それとは直接関係無いが、この記事の最後のほうには、日本の安全保障政策を考えるために、防衛政策大綱策定に向けてつくられた、首相の私的な諮問機関「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」なるもので行われている、具体的な議論が紹介されている。これがなかなか、興味深い。「激論」と表現されているそれは、いわく、「中国には抑制的にならず、言うべきことをはっきりさせるべきだ」「露骨な反中国意識はマイナスだ。良好な対中関係を表面的には維持している米国への配慮が必要だ」「米国はイラクやアフガニスタン問題で余裕がなくなっている。日本は自己完結的な対応が求められる」。二番目の、アメリカに配慮して中共に強く出られないと言う心理構造は、現実の日米中関係を見事に表現しているのかもしれない。
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中共は日米安保体制に大賛成である
- 2010年6月18日 15:26
- 時評
今年の六月で、日米安保条約が改定されてから、ちょうど50年、実に半世紀がたってしまった。若い人々は直接知らないから、ちょっと想像できないであろうが、50年前はこの安保改定問題で、日本中が大騒ぎになった。何万人もの大規模なデモが、何回も繰り返し行われた。大学だけでなく高校レベルまで、この問題で学生集会が開催されるほどであった。政治問題で日本中がこれほど盛り上がった事は、その後全く見られない。ただし学生運動としては、その後60年代の大学紛争に連続してゆき、さらに70年代の極左暴力の横行に繋がって行く。
この60年安保問題が、なぜこれほど盛り上がったのか。その原因は、まず安保条約があると戦争に巻き込まれるから危険だ、とする基本的理解があった。更に直接的には、国会における審議のやり方が強行採決であって、それが民主的ではないとの批判が極めて強かった。それが岸首相個人に対する憎悪となり、国会を取り巻いたデモ隊は、「岸を倒せ」と絶叫した。しかし私の考えでは、さらにもう一つ重要な原因があったのではないかと思われる。それは反米ナショナリズムである。当時は敗戦後まだ15年しか経っていない時点であり、左翼でなくとも反米意識はそれなりにあった。にもかかわらず、それをストレートに出しにくかったために、安保反対のエネルギーとして噴出したと、考えられるのである。
この60年安保問題が、なぜこれほど盛り上がったのか。その原因は、まず安保条約があると戦争に巻き込まれるから危険だ、とする基本的理解があった。更に直接的には、国会における審議のやり方が強行採決であって、それが民主的ではないとの批判が極めて強かった。それが岸首相個人に対する憎悪となり、国会を取り巻いたデモ隊は、「岸を倒せ」と絶叫した。しかし私の考えでは、さらにもう一つ重要な原因があったのではないかと思われる。それは反米ナショナリズムである。当時は敗戦後まだ15年しか経っていない時点であり、左翼でなくとも反米意識はそれなりにあった。にもかかわらず、それをストレートに出しにくかったために、安保反対のエネルギーとして噴出したと、考えられるのである。
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カルデロン問題が証明する日本国家の白痴性
- 2010年6月15日 02:22
- 時評
朝日新聞の5月29日と6月5日の二回に渡って、佐々波幸子記者による、「二つの『母国』 送還後の子どもたち」と題する記事が、デカデカと掲載されている。以前日本に不法滞在していたために強制送還された、フィリピン人家族の子どもたちのその後を、現地に取材したものである。
取材した場所は、ミンダナオ島の町リロイ、ルソン島バターン半島の町オリオン、同じくルソン島の町アンヘルスの三箇所である。これらは別個の家族であるが、約三年前に強制送還されたことと、日本に居たときには横浜に居住していたことが共通している。
リロイの子どもたちは、男15歳・女13歳・男12歳の三人兄弟で、すべて日本で生まれて育ち、横浜の公立小学校に通っていた。フィリピン人の母親は、横浜に居たときに家出し、父親はマニラに出稼ぎに出て、祖母と一緒に暮らしている。弟のアルフィーは現在言葉で苦労し、現地語も日本語も水準に達しない、「ダブル・リミテッド」状態であると言う。兄のジョマールは言葉で苦労したがなれてきて、「ハイスクール3年の1学期の成績は48人中1位」であった。女の子のマリアは、記者に日本語の本を読んでくれて、「普段使っていないにもかかわらず、日本語力の衰えを感じさせなかった」。
取材した場所は、ミンダナオ島の町リロイ、ルソン島バターン半島の町オリオン、同じくルソン島の町アンヘルスの三箇所である。これらは別個の家族であるが、約三年前に強制送還されたことと、日本に居たときには横浜に居住していたことが共通している。
リロイの子どもたちは、男15歳・女13歳・男12歳の三人兄弟で、すべて日本で生まれて育ち、横浜の公立小学校に通っていた。フィリピン人の母親は、横浜に居たときに家出し、父親はマニラに出稼ぎに出て、祖母と一緒に暮らしている。弟のアルフィーは現在言葉で苦労し、現地語も日本語も水準に達しない、「ダブル・リミテッド」状態であると言う。兄のジョマールは言葉で苦労したがなれてきて、「ハイスクール3年の1学期の成績は48人中1位」であった。女の子のマリアは、記者に日本語の本を読んでくれて、「普段使っていないにもかかわらず、日本語力の衰えを感じさせなかった」。
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菅内閣誕生の茶番劇と鳩山政権の巨大な負の遺産
- 2010年6月11日 17:26
- 時評
6月2日に辞意を表明した鳩山首相に代わって、8日に菅直人を首相とする内閣が誕生した。まことに目まぐるしい数日間の動きであったが、マスコミ各社の世論調査によると、菅新内閣の支持率は一様に60パーセント程度を示している。これは鳩山内閣末期の約20パーセントの3倍であり、あっと言う間の三倍増と言うこの数字は、いかに日本の政治が衆愚政治そのものであるかを、実に雄弁に物語っている。昨年の政党レベルでの「政権交代と同様に、今度は内閣レベルの「政権交代」を、マスコミが囃したてると、民衆はすっかりその気になってしまうのである。
そもそも鳩山辞任表明演説が、実にふざけたものであった。国民が聞く耳を持たなくなったと、自己の甚だしい失政は棚に上げて、責任を他に転嫁した。特に辞任の理由にしたのが、普天間問題と政治と金の問題の二つであるが、普天間問題はとにかく、政治と金の問題は、総理大臣も幹事長も、政権担当以前からの問題であって、いまさらそれを辞任の理由に挙げること自体が、国民を馬鹿にしていることになる。そして辞めるなら、総理大臣や幹事長という役職だけでなく、国会議員そのものを辞めるべきである。鳩山元総理は、次期総選挙に出馬しないと言ったようだが、今すぐ小沢氏を道連れに、国会議員を辞めれば良いではないか。なお、この演説の中に、例の超悪質議員である小林議員の名前も出していたが、それなら北海道が地元である自分の力で、一日も早く辞めさせるべきなのだ。
そもそも鳩山辞任表明演説が、実にふざけたものであった。国民が聞く耳を持たなくなったと、自己の甚だしい失政は棚に上げて、責任を他に転嫁した。特に辞任の理由にしたのが、普天間問題と政治と金の問題の二つであるが、普天間問題はとにかく、政治と金の問題は、総理大臣も幹事長も、政権担当以前からの問題であって、いまさらそれを辞任の理由に挙げること自体が、国民を馬鹿にしていることになる。そして辞めるなら、総理大臣や幹事長という役職だけでなく、国会議員そのものを辞めるべきである。鳩山元総理は、次期総選挙に出馬しないと言ったようだが、今すぐ小沢氏を道連れに、国会議員を辞めれば良いではないか。なお、この演説の中に、例の超悪質議員である小林議員の名前も出していたが、それなら北海道が地元である自分の力で、一日も早く辞めさせるべきなのだ。
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捕鯨・イルカ漁批判という精神テロと戦わない日本人
- 2010年6月 7日 16:17
- 時評
最近日本では、日本が行っている捕鯨とイルカ漁に関して、連続して話題になる出来事が相次いだ。捕鯨については、南氷洋における日本の調査捕鯨を妨害したシーシェパードの裁判が行われ、イルカ漁では、アカデミードキュメンタリー賞を獲得した、映画「コーブ」の上映問題が勃発している。この両者は基本的な性質を同じくする問題であるが、シーシェパードの行為が、実力行使、すなわち暴力によるテロであるとすれば、「コーブ」は映画という情報によるテロと言うことができる。先に「言論による巨大テロ組織としての朝日新聞」で、三菱重工を爆破した爆弾テロリストと、朝日新聞記者である松井やより・本多勝一といった言論テロリストを、対照して論じたことがあったが、それと同様の関係であると考えればよい。
ところで、暴力によるテロと、言論によるテロとの相違はなんだろうか。それは暴力によるテロは、明確な刑事的犯罪を犯すから、犯人を捕まえることができるが、言論のテロのほうは、「言論の自由」という金看板に守られて、捕まえることができないと言う点である。言論のテロは、形の無い日本人の精神を虐殺しているからである。それどころか、言論テロリストは、良心的人間として持て囃されさえする。ただし日本が攻撃されている、捕鯨とイルカ漁に関しては、それを行う人間の邪悪な企てを、まだまだ解明しなければならないので、以下私なりに整理して考えてみたい。
ところで、暴力によるテロと、言論によるテロとの相違はなんだろうか。それは暴力によるテロは、明確な刑事的犯罪を犯すから、犯人を捕まえることができるが、言論のテロのほうは、「言論の自由」という金看板に守られて、捕まえることができないと言う点である。言論のテロは、形の無い日本人の精神を虐殺しているからである。それどころか、言論テロリストは、良心的人間として持て囃されさえする。ただし日本が攻撃されている、捕鯨とイルカ漁に関しては、それを行う人間の邪悪な企てを、まだまだ解明しなければならないので、以下私なりに整理して考えてみたい。
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鳩山政権とマスコミ、友好関係の証拠
- 2010年6月 3日 17:10
- 時評
6月2日、鳩山首相が辞任を表明した。私がこの短命政権について抱く感想は、政権の政策そのもののデタラメ振りもあるが、自民党政権と異なる相違点として、マスコミとのかなりの協調・癒着関係にあったことではないかと考えている。この点については、以前に一度言及したことがあるが、再度採り上げてみたい。
そもそもこの政権の成立そのものが、マスコミの巨大な応援によっていた。「政権交代」のスローガンの下に、選挙後の各党の議席数を予測した報道が繰り返され、それに影響された有権者が、その通りの結果を出した。現実には、議席数ほどの格差が投票数にあったわけでは全くないが、民主党の圧倒的勝利になった。小泉時代の郵政選挙と同様の、ポピュリズム、衆愚選挙であり、ちょうど裏返しにしただけである。
したがって、産経新聞のような例外はあるが、マスコミ全体としては、朝日系メディアを中心として、鳩山政権に基本的に好意的であったと言える。その証拠は幾つもあるが、まず問題を起こした人物が、全くその地位を去らなかったことが挙げられる。その筆頭は、言うもでもなく鳩山・小沢コンビであり、最後に首相による幹事長の道ずれ辞任となったが、両人の金銭問題については、一応追求の姿勢は見せるものの、真剣さが欠けていた。
そもそもこの政権の成立そのものが、マスコミの巨大な応援によっていた。「政権交代」のスローガンの下に、選挙後の各党の議席数を予測した報道が繰り返され、それに影響された有権者が、その通りの結果を出した。現実には、議席数ほどの格差が投票数にあったわけでは全くないが、民主党の圧倒的勝利になった。小泉時代の郵政選挙と同様の、ポピュリズム、衆愚選挙であり、ちょうど裏返しにしただけである。
したがって、産経新聞のような例外はあるが、マスコミ全体としては、朝日系メディアを中心として、鳩山政権に基本的に好意的であったと言える。その証拠は幾つもあるが、まず問題を起こした人物が、全くその地位を去らなかったことが挙げられる。その筆頭は、言うもでもなく鳩山・小沢コンビであり、最後に首相による幹事長の道ずれ辞任となったが、両人の金銭問題については、一応追求の姿勢は見せるものの、真剣さが欠けていた。
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